理由は不明。
長い判決ですが、結論部分だけを紹介しておきます。
大阪高裁H21.10.23
(6)以上にみたところからすれば,他人がウェブページに掲載した児童ポルノのURLを明らかにする情報を他のウェブページに掲載する行為は,当該ウェブページの閲覧者がその情報を用いれば特段複雑困難な操作を経ることなく当該児童ポルノを閲覧することができ,かつ,その行為又はそれに付随する行為が全体としてその閲覧者に対して当該児童ポルノの閲覧を積極的に誘引するものである場合には,当該児童ポルノが特定のウェブページに掲載されていることさえ知らなかった不特定多数の者に対しても,その存在を知らしめるとともに,その閲覧を容易にするものであって,新たな法益侵害の危険性という点においても,行為態様の類似性という点においても,自らウェブページに児童ポルノを掲載したのと同視することができるのであるから,児童ポルノ公然陳列に該当するというべきである。
(なお,「他人がウェブページに掲載した児童ポルノのURLを明らかにする情報」とは,その情報それ自体によって当該URLが明らかになるものを意味すると解すべきであり,例えば,その情報が「児童ポルノのURLは,・・という書籍の・・頁に掲載されている」などというものである場合には,「児童ポルノのURLを明らかにする情報」とはいえない。一方,他人がウェブページに掲載した児童ポルノヘのハイパーリンクを他のウェブページに設定する行為は,その行為又はそれに付随する行為が当該ウェブページの閲覧者に対し当該児童ポルノの閲覧を積極的に誘引するものである場合には,児童ポルノ公然陳列に該当する。また,「当該児童ポルノの閲覧を積極的に誘引するもの」かどうかは,形式的にではなく実質的に考えるべきであり,例えば,「見ないでください」などとの付記があるからといって,それだけで直ちに「積極的に誘引するもの」でないということはできない。さらに,ヤフーやグーグルなどの検索エンジンが児童ポルノヘのハイパーリンクを設定することがあることについては,そのような児童ポルノヘのハイパーリンクは,検索エンジンの利用者が児童ポルノに関連する検索語句を入力して実行することなどによって初めて設定されるものであるから,検索エンジンを開設・運営するなどの行為が児童ポルノ公然陳列の正犯に該当することはなく,幇助に該当するかが問題になるにすぎないが,通常は,上記の積極的な誘引性を欠くと考えられるから,幇助にも該当しない。)
上記のような考え方に対しては,児童ポルノ公然陳列罪の成立範囲が不明確になるという批判が考え得る。しかし,上記にいう操作の容易性や誘引の積極性といった点は,情報通信技術の更なる発展にも即して,社会通念に照らして合理的に判断され得るものであり,このような批判をもって上記の考え方を妥当でないということはできない。そして,このような考え方は,「陳列」ないし「置く」という言葉の意義を十分に踏まえたものであり,所論のいうように,条文とかけ離れた構成要件を創設し,あるいは罪刑法定主義の観点から許されない類推解釈を行って不当に犯罪の成立範囲を拡大することにもならないというべきである。
3項製造罪の実行行為の問題もそうですが、児童ポルノについては、裁判所がフリーハンドで条文創設していますよね。