帝京大学医学部附属病院(以下、帝大病院)が構築したのは、病院情報連携基盤や電子カルテシステムなどからなる「iEHR」である。新システムを構築した狙いの一つは、患者に対する適切な医療情報を提供すること。医師や看護師などの情報共有を密にし、診療業務の正確さやスピードを高めることも目指す(図1)。 このために帝大病院は、患者に関するデータを一元管理し、「病院情報ポータル」で患者の氏名や診療記録などを参照できるようにした。 iEHRは、検査部や手術部、診療科などが利用する検体検査システムや生体情報モニタリングシステムなど「部門システム」から、検査結果や診断画像などのデータを集約する(図2)。iEHRの構築と同時に新規導入した、電子カルテシステムが保持する診療記録データも、統合データベースに転送する仕組みだ。 「患者データの一元化とカルテの電子化によって、院内の業務の効率が格段に高まった。以前は、目
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