【概要】 国立天文台と東京大学の研究者を中心とする研究グループは、逆行 (注1) 惑星を持つ惑星系 HAT-P-7 に、これまで知られていなかった伴星 (連星をなすもうひとつの恒星) が存在することを発見しました (図1)。この恒星はすばる望遠鏡による3年間に渡る観測によって本物の伴星であることが確認され、その質量は太陽の 0.25 倍程度とわかりました。また研究グループは、もうひとつの別の長周期の巨大惑星が存在することも確認しました。この巨大惑星は木星より重たいことがわかりましたが、どちら向きで公転しているのかはわかっていません。最初は全て順行の状態で形成されると考えられる惑星が、なぜこの惑星系では逆行して公転するようになってしまったのかこれまでよく分かっていませんでしたが、今回の発見は外側の伴星や惑星の存在が内側の惑星の軌道に影響を与えて逆行惑星を生み出したという示唆を与えるものです。
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