【高木和男】国の重要文化財である千葉県睦沢町の妙楽寺の大日如来坐像の内部に納められていた胎内仏が、不明になっている。大日如来坐像と一体のものだけに、檀家(だんか)ら関係者は苦慮している。 妙楽寺は9世紀半ばに慈覚大師が創建したと伝えられる。大日如来坐像は平安時代末の作で、高さ約2・8メートルの一木造り。県内の古彫刻坐像としては最も大きいという。胎内仏は、護摩修行で出た灰を固めた高さ15センチ程度のもので、その内部に納められていた。 同寺の住職は今年8月、檀家とのトラブルなどから天台宗当局から罷免(ひめん)され、現在は住職不在の状態となっている。辞めた住職は「今、真実を話すと色々な問題になる。(胎内仏の)所在については話せない」と言葉を濁す。
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