「紙の聖域」といわれる裁判所がデジタル変革に向けて動き出した。内閣官房はこのほど有識者会議を発足。訴状提出や書面管理、法廷での弁論など民事訴訟手続きの電子化を2017年度末までに検討する。 「積極的に電子化に取り組んでいきたいと話をした途端に皆さんの目が点になっていた」。こう話すのは裁判所の立場で有識者会議に参加している成田晋司・最高裁判所事務総局民事局第一課長兼第三課長だ。電子化に消極的とみられていた裁判所の側から「積極的に取り組む」との発言が出たことが、他の参加者には意外だったのだろう。 有識者会議の資料はインターネットで公開されている。ところが有識者会議の第1回会合に最高裁判所が提出した資料がネットで公開されると、一部の法曹関係者らの間に落胆の声が広がった。「IT活用は重要課題」と位置づけるものの、具体的な内容には乏しかったためだ。 それでも成田課長は「現役の裁判官がネットで批評して
