※半年前書きっぱなしで上げ忘れていました!笑。 インテルの現状というよりも、堅守スパレッティ・インテルがどういうチームであったのか、そしてその特徴的な守備の方法をメインにご覧いただければ幸いです! シーズン前半戦を終えた時点で2位ナポリと勝ち点差5の3位。失点数は先日取り上げたユベントスに次いで2番目に少ない14。今季のインテルは守備に明確な型が見られる。指揮官のスパレッティが軸に据えているのはプレッシングだ。今回はそんな好調スパレッティ・インテルのチーム戦術について。

ドイツの誇る名将ラルフ・ラングニック。彼の率いるRBライプツィヒは、18/19シーズン、ブンデスリーガでの失点数がわずかに29。バイエルンの失点数をも3下回る、驚異的な数字だ。 このチームの特徴はセットした状態の守備、そしてそこからボールを奪取し速攻に移る局面にある。ハーゼンヒュットルが率いていた頃はプレッシングに途轍もない勢いがあった反面、状況に応じた守備を行えずに暴走することもあった。しかしラングニックに変わり、その勢いはやや落ち着き、代わりに局面に応じた守備を使いこなせるようになっている。 来季からはホッフェンハイムのユリアン・ナーゲルスマンが指揮を執ることが決まっており、これまで最前線でチームを支えたティモ・ヴェルナーも退団が濃厚だ。大きな変化が訪れる前に、4-2-2-2の教科書としてこのチームの機能美に触れておきたい。
プレー分析第3弾、フットボリスタさんにRBライプツィヒ所属ドイツ人ストライカー、ティモ・ヴェルナーの分析記事を寄稿しました! ティモ・ヴェルナー 「守備」と「眼」で仕掛ける神速ストライカー この選手の武器はスピード。速攻をメインとするライプツィヒにおいて彼のスピードは欠かせないものになっています。リバプール行きの噂もありましたがどうやらバイエルン行きが濃厚、今最も脂ののっている選手です。 スピードを武器にする選手が数多くいる中で彼がさらに違いを見せる部分は、速攻に繋げるための「守備」と、侵入すべきスペースを見分ける「眼」です。 「良い攻撃は良い守備から」、とよく言われますが、まさにそれを体現する選手です。守備の最中から攻撃に移った時のことを同時に考えている。もちろん守備はサボらない。そのカギとなっているのはカバーシャドウです、という内容を具体的に書かせていただきました。 ここからはヴェルナ
ゲームモデルのケーススタディ #2 いまやペップ・グアルディオラと並んで戦術パラダイムシフトの先頭を走る立場になったユルゲン・クロップ。彼がリバプールで実現しているゲームモデルは、ドルトムント時代の「ストーミング」から変化してきているように見える。ポジショナルプレーのプレー原則を取り入れた目的、そして宿敵シティとの共通点と違いについて考えてみたい。 文 山口 遼 今季のプレミアリーグでもマンチェスター・シティと白熱の優勝争いを繰り広げ、クロップ監督が就任してから欧州のトップシーンへと完全に返り咲いたリバプール。そのゲームモデル全体の大きな特徴は、プレッシングやネガティブトランジション(攻→守の切り替え)におけるゲーゲンプレッシングにあるだろう。その考え方の根底は「自分たちの秩序」を守る、あるいは構築しにいくことよりも、「相手の秩序」を崩壊させることを優先している部分があり、近年ではそれを「
どうも、とんとんです! 今回は天下のフットボリスタさんに記事を寄稿させていただきました!というお知らせになります。 昨年6月、ワールドカップ初戦の日本vsコロンビアのマッチレビューに続く2度目の寄稿は、アーセナル所属マテオ・ゲンドゥージのプレー分析です。 プレミア開幕くらいのタイミングで、当ブログでもマテオ・ゲンドゥージの魅力と数的優位作成講座と題してプレー分析記事をあげております。あれから半年以上経ち、改めて長所の確認と、さらに浮かび上がってきたウィークポイント、伸び代についてまとめています。 1999年生まれと若いゲンドゥージが既に備えているトップレベルの武器と持ち味は、彼を知るうえで、またサッカーという競技で敵を崩すための考え方を身につけるうえで、非常に役立つものです。 ウィークポイントについてはアーセナルの抱える問題点も踏まえつつ書きました。試合展開がシームレスなサッカーという競技
【短期集中連載】 新世代コーチが見たUEFAチャンピオンズリーグ#4 欧州最高峰の舞台は目まぐるしいスピードで進化している。そこで起こっている出来事をより深く知るためには、戦術革命後の「新しいサッカー」に精通するエキスパートの力を借りるしかないだろう。それぞれの方法で欧州サッカーのトレンドを探究する4人の新世代コーチに、CLラウンド16の“戦術合戦”を徹底分析してもらおう。#4はサッカー解説界の第一人者でありパイオニア、指導の現場でも腕を磨く元日本代表の戸田和幸が登場! リバプール vs バイエルンというビッグクラブ同士の闘いとなったラウンド16屈指の好カード、2月19日にアンフィールドで行われた第1レグはリバプールサポーターが作り出した圧倒的な雰囲気の中、バイエルンが冷静なファイトを見せ0-0、その後数週間を経ての決戦となった。 ■有利なはずのバイエルンの「恐怖」 0-0で迎える第2レグ
TACTICAL FRONTIER サッカー戦術の最前線は近年急激なスピードで進化している。インターネットの発達で国境を越えた情報にアクセスできるようになり、指導者のキャリア形成や目指すサッカースタイルに明らかな変化が生まれた。国籍・プロアマ問わず最先端の理論が共有されるボーダーレス化の先に待つのは、どんな未来なのか? すでに世界各国で起こり始めている“戦術革命”にフォーカスし、複雑化した現代サッカーの新しい楽しみ方を提案したい。 ポジショナルプレー――現代サッカーを読み解く、重要なキーワードとなる概念は、その複雑性ゆえに単純化されてしまいやすい。昨季はペップ・グアルディオラのマンチェスター・シティがプレミアリーグを制覇し、今季はナポリで魅力的なフットボールを実現したマウリツィオ・サッリがチェルシーの監督に。同時に、日本でも徳島のリカルド・ロドリゲス、ヴィッセル神戸のファンマ・リージョ、
ユベントスの攻撃時の布陣は良い意味で曖昧だ。4-3-3から適宜左WGのロナウドがトップのマンジュキッチの脇へ、右WGのディバラがトップ下の位置に移動し4-3-1-2のような形に変化する。 これはWGもトップもこなせるマンジュキッチとロナウド、そして純粋なWGというよりもトップ下や2トップの一角としてのプレーの似合うディバラがそれぞれの特性を活かす上で大いに効果を発揮している。逆に、自らが移動してできたスペースを別の味方に使わせる、といった意図と効果は見られない。あくまで彼等前線3枚の個の力を活かすという目的のようだ。 WGもCFもこなせる選手というのはそれほど多くない。ましてや偽9番タイプではなくゴール前でターゲットとなれる長身選手となればなおさらだ。ユベントスにはそんな稀有なアタッカーが2人も在籍する。この特徴的な選手構成が、今のユベントスを形作っていると言える。 クロスボール戦術 クロ
順位 チーム名 勝点 勝 引 敗 1 Sanfrecce Hiroshima 65 18 11 4 2 Vissel Kobe 64 19 7 7 3 Machida Zelvia 59 17 8 8 4 Kashima Antlers 53 15 8 9 5 Gamba Osaka 53 14 11 8 6 FC Tokyo 48 13 9 11 7 Cerezo Osaka 48 12 12 9 8 Tokyo Verdy 48 12 12 9 9 Nagoya Grampus Eight 46 14 4 15 10 Kawasaki Frontale 43 11 10 11 11 Avispa Fukuoka 43 10 13 10 12 Yokohama F.Marinos 41 12 5 15 13 Urawa Red Diamonds 39 10 9 12 14 Albirex
それは、あらゆるステレオタイプに反する野心的なプレースタイルの原則と方法論である――。イタリアのWEBマガジン『ウルティモ・ウオモ』が急速に進歩するモダンサッカーを語る上で重要な戦術用語を解説する人気シリーズから、「ポジショナルプレー」への論考をお届けしよう。 FIFAが認知している最初の国際試合(1872年11月30日のイングランド代表対スコットランド代表)で、イングランドは7人ものFWをピッチに送り出した。しかし、スコットランドは6人しか起用しなかった。彼らは特にフィジカル面で劣っていたにもかかわらず、「パッシングゲーム」でイングランドの意表を突き、引き分けをもぎ取った。サッカーがとりわけ、ドリブルで抜こうとする選手とすねを蹴ってそれを止めようとする選手との個人戦であった時代に、ボールをパスしていたのだ(このすねを蹴るという慣習を規則で禁止すべきか否かは長い間、議論された)。 したがっ
ヘドンド(Redondo)は英語で”round”、日本語で「丸い」という意味のスペイン語です。元々フットサルで用いられるローテーション攻撃ですのでまずはざっくりフットサルにおけるヘドンドの説明をします。 攻撃手AがDにパスを出し、全体はパスとは反対周りにローテーションします。この時ボールを受け取るDはAが居た方向にボールを運びつつ、楔を打ち込むタイミングを探ります。ここで敵陣に穴が空かなければ、穴が空くまでローテーションを繰り返します。 ピッチの広いサッカーにおいては3人で行われるケースが多くなっています。ローテーションを繰り返すことも稀です。楔の出し手となるCはスペースとタイミングを逃さないようボディアングルの調整に注意を払う必要があります。 この動きは「人とボールの循環」(形)よりも「スペースの連鎖性」(性質)がミソとなっています。そのため、循環の動き(形)ではなく連鎖性にフォーカスし
欧州サッカー2大戦術潮流:ポジショナルプレーの旗手たち 現在リーガで指揮を執る監督の中でも屈指のポジショナルプレー信奉者であり、ベティスをEL出場へと導き高い評価を受けるとともに観る者をも魅了するキケ・セティエン。そのサッカーのメカニズムは“これぞまさにポジショナルプレー”という原則に忠実なものである。 「私は、君がポジション外で30回ボールに触ることよりも、君のポジションで5回ボールに触ることを選ぶ」 月刊フットボリスタ第62号に掲載されたインタビューの中で、セティエンはこう語っている。ポジショナルプレーは、他のプレー原則では許容されているポジションチェンジを奨励しない。各選手がポジションを守るメリットの方が、守らないメリット(相手をかく乱するなど)よりも大きい、と考えるからだ。 両サイドレーン=「聖域」 ベティスの場合「聖域」となっているのがサイドである。縦割の両サイドのレーンはジュニ
サッカーにおいて「戦略」や「戦術」といった単語からイメージされるもの———もともとが軍事用語的な意味合いが強いこともあるため、多くの人が「部外秘」「秘匿されるべきもの」と連想するのではないだろうか。しかしながら、現在サッカー指導者界隈で起こっているのは真逆の流れである。自らが率いるチームの根幹である「ゲームモデル」を公開・共有しようという流れができつつあるのだ。 なぜ彼らは、苦労して築き上げたものを惜しげもなく晒すのだろうか? 今回は、その発端の一角を担ったわっきーこと脇真一郎氏に思いの丈を綴ってもらった。 はじめに みなさんこんにちは。フットボリスタ・ラボ突撃隊長でお馴染み(?)のわっきーです。簡単に自己紹介を。 和歌山県立粉河高校にて教諭およびサッカー部顧問を務めています。世のどのチームより自チームが好きという幸せ者です。フットボリスタWEBでは自チームの活動を土台とした熱中症対策や夏
コウチーニョのオフザボール コウチーニョのストロングポイントとして切れ味鋭いドリブルが真っ先に挙げられるが、それと同じくらい敵の脅威となっているのが「オフザボールの動き」だ。バルセロナの左サイド攻撃はビルドアップの段階から優位を作っていくパターンと同じくらい、コウチーニョのスペースメイクに連動していく形が多い。そのため、以前紹介したマンチェスター・シティのウイングの役割よりも、タスクは多岐にわたる。それを確実にこなす彼はまさにウイングの鑑と言えるだろう。 高い位置に張る これはシティと同様のタスクだ。ただし、シティとは目的が違う。シティはビルドアップで優位(CBとアンカーのパス交換でホルダーがフリーとなる状態)を作り、WGが広げたチャンネルへ侵入を図る。対してバルセロナは敵SBとSHの間にスペースを作るために用いる。ここにパラレラで侵入するのがIHアルトゥールだ。
着々と戦力を上積みし、スペイン、そしてCLで王座への再チャレンジを目論むアトレティコ・マドリー。シメオネ体制となって間もなく7年となる彼らの戦術アプローチを、Twitter上の動画解説が日本の戦術クラスタの間でも人気を博している『coachdogge』のヤコブセン氏に分析してもらった。 ディエゴ・シメオネがアトレティコ・マドリーに植え付けたスタイルは、14歳の時に名づけられた彼の愛称、チョロ(Cholo)から“チョリスモ”と呼ばれている。この“チョリスモ”はチームの組織的な指示と、個人的なスキルのバランスが取れたスタイルとして知られており、アトレティコの躍進をその哲学として支えてきた。18-19シーズンに挑む「曲者」は、すでに欧州の舞台でも決勝トーナメントの常連になっている。 プレッシング 伝家の宝刀になりつつある「獣の群れ」のように組織されたプレッシングは、チームにとって最大の武器であり
ドリブルアットとは? ドリブルアットは、本来バスケットボールでよく使われるワードだ。どういったプレーか、上の画像を用いて説明する。 まず、2vs2の状況。OF1 vs DF1、OF2 vs DF2がマッチアップしている。DF2は、OF2を見つつ、DF1のカバーに入れるような位置取りをするだろう。 この状況からボールホルダーのOF1は、DF2に向かってドリブル(正対)する。DF2の視線はOF1に向かうことになり、マッチアップの組み合わせはOF1 vs DF2に変わる。そこで死角となったOF2が裏に抜ける。この時、DF1がOF2に対応するカバーポジションをとれないというのもこのプレーにおける利点である。
19-20シーズンからRBライプツィヒで指揮を執ることが決定しているユリアン・ナーゲルスマン。最年少という「年齢」で大きな注目を集めた彼も、わずか数年でその「戦術」にフォーカスされる名将へと成長した。ホッフェンハイムの残留、そしてCL出場と、クラブにもたらしたものは計り知れない。 今回はそんなドイツが生んだ名将・ナーゲルスマンの攻撃戦術にフォーカスし、CLグループリーグ第3節リヨン戦をベースに取り上げていく。16-17シーズン、17-18シーズンのプレーについては下記モーメントと記事参照のこと。 16-17シーズンモーメント & 17-18シーズンモーメント
林舞輝のテクニカルレポート特別編:湘南ベルマーレvs横浜F・マリノス ロシアW杯で大好評を博した林舞輝のテクニカルレポートが復活。欧州サッカーを二分する2大戦術潮流「ポジショナルプレーvsストーミング」の縮図となったルヴァンカップ決勝を分析する。湘南ベルマーレの初戴冠の裏には、日本サッカーの将来の目指すべき道も暗示されているのかもしれない。 モンバエルツが企画・ポステゴグルーがデザイン・マンチェスター・シティが監修する「ポジショナルプレー」の横浜F・マリノスは、両ウイングをサイドに張らせるのではなくハーフスペース強襲に特化させ、扇原をアンカーにした[4-3-3]。対する「ストーミング」の湘南ベルマーレは、2シャドーを置いた日本式の[3-4-2-1]で挑む。 横浜の位置的優位を消す、湘南の2シャドー このシステムの噛み合わせの時点では、ベルマーレに分があると言わざるを得ない。この配置の組み合
来シーズンからのRBライプツィヒ“移籍”を発表し周囲を驚かせたユリアン・ナーゲルスマン。ホッフェンハイムでの集大成となるシーズン、ポゼッションからハイブリッドへと舵を切った指揮官は初登場となるCLの舞台でどんな采配を魅せてくれるのか。 昨シーズン、ユリアン・ナーゲルスマンは監督人生で初めて壁にぶつかった。3バック+アンカーをパサー役にし、前線の6人をレシーバー役とするポゼッションサッカーが研究され、第17節から8試合で1勝(3分4敗)しかできず、第24節時点で9位まで順位を落としたのである。CL出場権獲得は絶望的に思われた。 しかし、その苦境が進化をもたらした。第24節フライブルク戦の4日後、ビデオ分析官のベンヤミン・グリュックと地元のスパ施設へ行き戦術を議論。そこでカウンターを採り入れることを決断した。 「攻撃を仕掛ける高さにバリエーションを持たせ、常に同じように攻めるのではなく、もっと
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