コンテンツにスキップ

iida

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
iidaブランドの携帯電話 misora(CDMA KYX02)

iida(イーダ[1]もしくはイイダ[2])とは、auブランドを展開するKDDIおよび沖縄セルラー電話が、主に携帯電話向けに2009年(平成21年)から2018年(平成30年)頃まで展開していた派生ブランド(2012年以降より派生プロジェクト)である。

innovation」「imagination」「design」「art」の頭文字を取って付けられた。KDDI本社所在地の「飯田橋」をネーミングの参考としたという指摘に対しては否定している[3]

発足

[編集]

2001年(平成13年)、KDDIは、デザインを重視したブランド「au design project」を立ち上げ、2003年(平成15年)から2007年(平成19年)まで、プロダクトデザイナーらが手がけた携帯電話を毎年1~2機種発売してきた。[4][5]

しかし、ユーザーニーズが「機能やスペック」から「デザインや生活スタイルとのマッチング」にシフトしてきたことを受け[6]、au design projectのコンセプトを見直すとともに、その後継として登場したのが、このiidaである。

なお、2009年(平成21年)春に登場した「NEW STANDARD」シリーズも、実質的に統合したものという見方もある[誰によって?]

これまでのau design project以上にデザインを重視し、より独自のブランド、およびプロジェクトという位置づけがされている。

扱い

[編集]

一般のauブランドとは別のブランド扱いとし、専用のウェブサイトカタログ、カタログ用袋が用意されている。ただし、製品は一般の月刊のauカタログにも一部掲載されているほか、後述する「iida Art Editionsシリーズ」を除き一般のauショップ、auオンラインショップ、PiPitを含む全国のトヨタディーラー各店家電量販店、携帯電話販売店等で販売されている。また、料金プランやサービスは独自のものではなく、全てauのものを利用する。

後述する2012年(平成24年)2月3日に発売された「INFOBAR C01」より端末本体およびパンフレット(カタログ)梱包用パッケージ、取扱説明書等に「iida」のロゴが記載されなくなった[注 1]。同年4月のコンセプトモデルを最後に、以降は特に発表がなくなった。2018年で発表されたINFOBERA xvは、引き継ぎ前のプロジェクトであるau design projectで発表。同様に発足されたリニューアルサイトにて、au design project時代と、iidaで発表されたコンセプトモデルのアーカイブが移設された。

沿革

[編集]
同ブランドの携帯電話 G9
(CDMA SOX01)
同ブランド初のスマートフォンINFOBAR A01
(CDMA SHX11)
INFOBAR C01
(CDMA SHX12)
  • 2009年(平成21年)
    • 04月07日 - KDDIより公式発表。iidaブランドの端末5機種、周辺機器2機種が発表された。
    • 04月17日- iidaの第1弾端末「G9」(CDMA SOX01)、 および超小型プロジェクタ「Mobile pico projector」(3000台限定)が発売される。
    • 06月27日 - 第2弾端末「misora」(CDMA KYX02)を発売。
    • 07月30日 - 第3弾端末およびiida Art Editionの第1弾で前衛芸術家草間彌生がプロデュースした「iida Art Editions YAYOI KUSAMA」シリーズ3機種(「ドッツ・オブセッション、水玉で幸福いっぱい(CDMA TSX01)」【100台限定・販売価格100万円】・「宇宙へ行くときのハンドバッグ(CDMA TSX02)」【1000台限定・販売価格10万円】・「私の犬のリンリン(CDMA TSX03)」【100台限定・販売価格100万円】)を発売。数日で完売となった。
    • 09月17日 - 第4弾端末「PLY」(CDMA TSX04)を発売。
    • 12月01日 - 第5弾端末「PRISMOID」(CDMA KYX03)を発売。
  • 2010年(平成22年)
    • 02月19日 - 第6弾端末「lotta」(CDMA KYX04)を発売[注 2]。これに伴いACアダプター「AC Adapter REST」(2万個限定。iidaサイト以外でも購入可能)および、携帯電話用クリーナー「periperi」、ネズミ形携帯電話用卓上スタンド「in mouse」もそれぞれ同時発売。
    • 07月30日 - 第7弾端末「LIGHT POOL」(CDMA TSX05)を順次発売。
    • 11月05日 - 第8弾端末「X-RAY」(CDMA TSX06)を発売。
  • 2011年(平成23年)
  • 2012年(平成24年)
    • 02月03日 - 第11弾端末「INFOBAR C01」(CDMA SHX12)を発売。
    • 10月17日 - 2012年冬モデルの公式発表会で2013年春モデルに「INFOBAR A02」(CDMA HTX21)を投入する(予定)と発表[9]
  • 2013年(平成25年)
  • 2015年(平成27年)
  • 2018年(平成30年)
    • 011月 - 第14弾端末「INFOBAR xv」(KYX31)が正式発表される。

プロダクト

[編集]

iida LIFE STYLE PRODUCTS

[編集]

iida LIFE STYLE PRODUCTSは、KDDIが2009年9月に発表したiida製品の周辺機器、及び雑貨類の製品群を展開するプロジェクトである。2009年(平成21年)10月29日に雑誌「エル・デコ日本版」が創設したデザイン賞「Young Japanese Design Talent 2009」にプロジェクトとして受賞[11]した。

iida and NAVA

[編集]

2011年10月11日に発売された、イタリアのステーショナリーメーカー「ナヴァ(NAVA)」とのコラボレーションによるアクセサリーである。 いずれもスマートフォンケースとなっており、ジェームズ・アーヴィン(デザイナー)en:James Irvine (designer))による「IRV01」、伊藤節+伊藤志信による「ITO02」「ITO03」、カリム・ラシッドen:Karim Rashid)による「RSD02」「RSD03」「RSD04」が数量限定で販売された。

コンセプトモデル

[編集]

music-cage

[編集]

2009年(平成21年)8月にnendoの佐藤オオキによってデザインされた鳥籠状のスピーカー。電源供給にペンダント照明用のプラグを使用し、Bluetoothを用いることで携帯電話やパソコンと直接ケーブルを繋ぐことなく音楽を楽しむことができるほか、フロアスタンドやテーブルスタンドが用意され、様々なスタイルでの設置が可能となった。[12]

Art Editions Concept BOTANICA

[編集]

2010年(平成22年)7月に発表された、フラワーアーティスト東信によるコンセプトモデル。 バオバブヤマザクララフレシアヒカリゴケなどの植物を模したパーツをフラワーアレンジメントのように携帯電話や「ベース」と呼ばれるキューブ状のドックに挿して鑑賞することができる。

Art Editions Concept PixCell via PRISMOID

[編集]

2010年(平成22年)に発表された、現代美術家名和晃平によるコンセプトモデル。シルバーのPRISMOID及びプラスマイナスゼロの「8インチ液晶テレビ」を使用し、これらを取り巻く情報の流れを筐体に透明の球体(セル)を付着させることで視覚化、表現した。

iida and ALESSI

[編集]

2010年(平成22年)10月30日にDESIGNTIDE TOKYO 2010で発表された、イタリアのハウスウェアメーカーアレッシィen:ALESSI)とのコラボレーションによるコンセプトモデル。デザイナーとしてマルセル・ワンダースen:Marcel Wanders)、ステファノ・ジョバンノーニパトリシア・ウルキオラen:Patricia Urquiola)が起用され、スマートフォン及びフィーチャーフォンとこれらに付随する周辺機器が制作された。

Concept Model : Jaime Hayon

[編集]

2012年(平成24年)に発表された、スペイン人デザイナーのハイメ・アジョンによるコンセプトモデル。「iida and ALESSI」に引き続き、スマートフォンとして制作された。 丸みを帯びた形状で、初期のデザインでは左上端にアナログ時計が組み込まれている。

デジタルコンテンツ

[編集]

iida calling

[編集]

2009年(平成21年)4月7日より開始されたユーザー参加型のキャンペーンである。音声やテキストを入力し、オリジナルの楽曲(着うた)を作成することができ、「iida Calling」から「iida Calling 4」までの4回行われた。作成されたトラック数は開始から2011年(平成23年)1月13日まで、658,783曲にのぼった。 また2009年の「iida calling」は同年のカンヌ国際広告祭のサイバー部門でブロンズを受賞したほか、ロンドン・インターナショナル・アワーズの銀賞を受賞した。

  • iida Calling - 2009年4月7日開始、テイ・トウワが楽曲を提供。
  • iida Calling 2 - 2009年9月18日開始、中田ヤスタカCAPSULE)が楽曲を提供。
  • iida Calling ver. 3.0 - 2010年2月19日開始、□□□が楽曲を提供。
  • iida Calling 4 - 2010年7月30日開始、Perfumeが楽曲を提供。

iida broadcast

[編集]

2010年(平成22年)2月8日 (月) より、iidaのWebサイトリニューアルの一環として行われた企画である。音楽専門チャンネルMTVとのコラボレーションにより、様々なアーティストのパフォーマンス映像がサイト上で視聴できた。クリエイティブ・ディレクション高松聡アートディレクション中村勇吾が担当した。

iida AWARD

[編集]

iida AWARDは携帯電話周辺アイテムのデザインを公募する取り組みとして、2009年より開催されたデザインコンペティションである。 常識や慣習に囚われない新たな才能を発掘すべく、学生を対象に開催。審査の結果選ばれた作品は、ワークショップを経てiida LIFE STYLE PRODUCTSとして製品化された。

受賞作品

[編集]
  • iida AWARD 2010 (2009年、第1回)[13]
    • World of Alice - ACアダプタ(製品化済み)
    • Chocolate cookie - ACアダプタ(製品化済み)
    • koyubito - ストラップ・デジタルコンテンツ("koyubitoring"としてストラップが製品化)
  • iida AWARD 2011 (2010年、第2回)[14]
    • Box-s - イヤホン・モバイルバッテリー・クリーナー・スピーカーのセット
    • BELU - USBケーブル
    • Buliki - モバイルバッテリー

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 後に2013年(平成25年)1月25日のINFOBAR A02発表会の質疑応答において、KDDIプロダクト企画1部尾崎高士はこの理由を「iidaプロジェクトの中の一環として出しており」「(INFOBAR等、製品の)ブランドを大切にし、これを周知したい」と説明した。[7][8]
  2. ^ ただし関東地区のみ2月20日発売。

参照元

[編集]
  1. ^ 事業報告 (平成20年4月1日から平成21年3月31日まで ) (pdf) (Report). KDDI株式会社. 25 May 2009. 2013年2月1日閲覧
  2. ^ INFOBAR A02製品パンフレットより
  3. ^ ITmedia +Dモバイル
  4. ^ KDDI au:au design project
  5. ^ KDDI au:au design project
  6. ^ “ケータイを通じて“暮らし”もデザイン――KDDIの新ブランド「iida」”. Itmedia +D モバイル. (2009年4月7日). https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0904/07/news038.html 
  7. ^ INFOBAR発表会” (2013年1月25日). 2013年1月30日閲覧。
  8. ^ S-MAX編集部 (2013年1月25日). “KDDI、au向け4G LTE対応スマホ「INFOBAR A02」の発表会を開催!デザイナー深澤直人や中村勇吾ら開発陣によるトークセッションで“ようかん”に例えるなどの開発秘話も【レポート】”. エスマックス. http://s-max.jp/archives/1538255.html 2013年1月30日閲覧。 
  9. ^ “au、来春にもLTE対応のiida「INFOBAR A02」を投入”. ケータイWatchインプレス. (2012年10月17日). https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/566511.html 
  10. ^ 'TOUCH NEW FUN' 新しい感性と楽しさを手に入れた NEW INFOBAR登場!”. KDDI株式会社, 沖縄セルラー電話株式会社 (2013年1月24日). 2013年1月31日閲覧。
  11. ^ 〈お知らせ〉 「iida LIFESTYLE PRODUCTS」が「Young Japanese Design Talent 2009」を受賞〈参考〉』(pdf)(プレスリリース)KDDI株式会社、2009年10月30日https://www.kddi.com/corporate/news_release/2009/1030a/sanko.html2013年2月1日閲覧 
  12. ^ サクヒン:music-cage”. 2013年1月31日閲覧。
  13. ^ “「iida AWARD 2010」受賞者3組を発表”. ITmedia. (2010年1月28日). https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1001/28/news049.html 2013年1月31日閲覧。 
  14. ^ 今週の気になる結果発表! ~ 国内コンペ”. 2013年1月31日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]
pFad - Phonifier reborn

Pfad - The Proxy pFad of © 2024 Garber Painting. All rights reserved.

Note: This service is not intended for secure transactions such as banking, social media, email, or purchasing. Use at your own risk. We assume no liability whatsoever for broken pages.


Alternative Proxies:

Alternative Proxy

pFad Proxy

pFad v3 Proxy

pFad v4 Proxy