中国に、「ゴマを拾ってスイカを捨てる」という言葉がある。1玉のスイカと1粒のゴマのどちらかを選ばなければならない時、ゴマを選んでしまう。つまり、何が大切なのか、ものごとの判断がきちんとできないことを指す。日本ならばさしずめ、「イワシを選んで、マグロを捨てる」というところだろうか。 日本の政治家は、この何かを「選ぶ」という決断ができないようだ。戦略を決断する際、二者択一の選択なのに、なぜか2つとも選ぼうとする。 ASEANで日本離れが進むのはなぜか 近年、東アジアにおける日本の立場はますます微妙になってきている。なぜならば、中国はASEANと自由貿易協定(FTA)を結んだのに対して、日本は国内の農業市場の開放に躊躇し、ASEANとのFTAを結ぶチャンスを逸してしまったからだ。ASEANは長年、日本から政府開発援助(ODA)など経済援助を受けてきたにもかかわらず、日本離れが進んでいる。 ようや
