古くから「農業はお天気しだい」と言われています。それは農業技術が進んだと言われている現代でも当てはまり、気候変動・天候変動により、作物の収量は毎年のように変動しています。 このような天候に支配されることから脱却し、多収入で良質な農業生産を安定的に確保するための“技”が農業技術であるとするならば、現在の農業技術は決して万全とは言えません。 私が言うまでもなく、農業は自然環境と密接に関係する産業です。農業を取り巻く自然の三大環境としては、『気象』『土壌』『生物環境』の3つが挙げられます。しかも、この3つの環境はそれぞれ単独に農業生産に関わるのではなく、これら三大環境が有機的に関連を持ちつつ、総合的に農業生産に関与しているという性格を持ちます。 近年、農学の分野ではこれらの環境科学は目覚ましい進歩を遂げ、その成果はそれぞれ新しい優良技術として農業生産に役立っています。『土壌』の分野では土地改良技