2005年12月、日本呼吸器学会、日本循環器学会、日本口腔外科学会など9つの学会の共同による、日本で初めての本格的な「禁煙ガイドライン」が発表されました。先進国の中で、日本は禁煙治療に対する取り組みが遅れていましたが、医学界もようやく重い腰を上げたというわけです。 このガイドラインには、医師や歯科医師が喫煙者に対して行う禁煙指導の方法や、非喫煙者が将来喫煙することを防ぐための“防煙”などについて書かれています。 禁煙ガイドラインの基本精神は、喫煙を“喫煙病”という病気ととらえ、喫煙者を「患者」とし、日常の診療で診察・治療することにあります。そのため、専門の異なる9つの学会が協力しました。 喫煙は煙が直接触れる口や喉、肺のがんだけでなく、脳梗塞や虚血性心疾患などの発症リスクを高めます。女性の場合、流産や早産、さらに心身に異常を持つ子どもを出産するリスクも高まるとみられています。 特に