『週刊ダイヤモンド』 2009年6月27日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 794 米国のオバマ大統領がチェコのプラハで「核兵器のない世界を目指す」と表明したのは今年4月5日だった。同発言を歓迎して日本では6月16日、衆議院が核廃絶の決議案を全会一致で採択した。素直といえばあまりに素直な日本の反応とは対照的なのが、国際社会の反応だ。 オバマ提案に対して、米国内には厳しい意見も目立つ。それらは米国の直面する最も深刻な脅威は中国だとの見方につながっている。 国務省の資料では、米国保有の核弾頭は5,576、ロシアは3,909である。今年5月に開始された米露核軍縮交渉では、両国保有の核弾頭数を、それぞれ1,500前後まで削減する可能性が論じられている。後述するが、中国の核弾頭数は約600と見られており、米露の核の削減は中国に非常に有利に働くと見られる。 中国には、2007年に配備した
