2001年の日本語版の刊行から15年以上経過しつつ、よりその価値が増す書籍『イノベーションのジレンマ』。しかし、これだけの月日が経ち注目度が高まりながらも、その本質は誤解されやすい。そう、それが本連載のタイトルである『「イノベーションのジレンマ」の“大誤解”』という状況です。本連載では、どうしてそのような誤解が生まれるのかから始め、では日本企業は本質をどのように捉えるべきなのか、そして、事業開発に活かすのか。そのようなことを目標に置く連載です。著者チームは、「コーポレートアクセラレーター®」事業を含めて、大企業の事業開発を支援する我々、株式会社ゼロワンブースターの鈴木、合田に加え、慶応大学大学院政策メディア研究科の村上恭一教授にアカデミックな論考を加えて頂き、実践知と学術知を融合させてコラムを展開してまいります。 『イノベーションのジレンマ』にある指摘を“教科書どおり”に抱えている日本企業
SAPの研究開発施設 [SAP Innovation Center Potsdam]Potsdam, Germany 企業向けERP(基幹系情報システム)で知られるSAPは、ヨーロッパ最大のソフトウェア・メーカーである。近年では、ソフトウェア開発の枠を飛び越え、「デザインシンキング」をキーワードに、顧客の課題解決をともに考えていく事業にも力を入れている。 同社は「イノベーションセンター」と呼ばれる研究開発施設を世界5カ所に置いており、そのうちの一つがここ、ポツダムにある「SAPイノベーションセンターポツダム」である。SAPの本社はドイツ南西部の街、ヴァルドルフ。一方、ポツダムは真逆の北西部に位置しており、その距離は600km以上離れている。 同センターの戦略担当責任者を務めるマルティン・ハイニヒ氏(以下、ハイニヒ氏)はこのように語る。「『イノベーションのジレンマ』という言葉を聞いたことがあ
2016年11月11日、デザインを軸に企業経営とビジネスを考える「Biz/Zine Day 2016 Autumn」が開催された。Biz/Zineでの記事が好評のビジネスデザイナー濱口秀司氏は、基調講演「デザインが企業経営に与えるインパクト」にて、イノベーションを起こすための手法を語った。 経営における“デザイン”の価値を「意匠・設計・思考」の3つに分解する 濱口氏は今回、経営にインパクトを与える「デザイン」を、「意匠(プロダクトデザイン)」、「設計(ビジネスデザイン)」、「思考(インプルーブメント)」の3つに分解した上で、「意匠」「設計」に関して、イノベーションの定義も交えて解説した。この2つを一定の手法にしたがってドライブすれば、イノベーションを導ける可能性は高まるという。 濱口秀司氏(monogoto CEO, Ziba Executive Fellow) まず、濱口氏が使っているイ
昨今、人工知能という言葉をよく耳にするようになったが、最新のテクノロジーをビジネスにつなげるためには越えなければならないハードルがある。科学界と経済界双方のニーズを満たし、新たなビジネスを生み出すためにはどうすればよいのか。Recruit Institute of Technology 推進室の室長を務める石山洸氏が語る。連載は全4回を予定。 人工知能ビジネスは 経済界と科学界の中間にある いま、人工知能ほど世の中のお騒がせしているものはない。人類の夢が託されていると言う人もいれば、ブームやバブル、悪魔という悲観的な見方さえもある。人工知能を研究している研究者に聞けば、きっと答えを教えてくれるはずと思うかもしれない。しかし、それぞれの意見が異なり、余計にわからなくなってしまうだろう。 シンギュラリティもわかったようでわからない。「2045年に人工知能が人類の知能を超えるって、あぁ、2000
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