震災で運行を取りやめていた岩手県釜石市立図書館(同市小佐野町)の移動図書館車「しおかぜ」が16日、運行を再開した。今月は29日まで、唐丹地区を除き、被害が少なかった市内6地区の計約40カ所を巡回する。 しおかぜは約2500冊の書籍を積載し、震災前は沿岸部を含む7地区のべ約70カ所を月に13日間巡回していた。月に約300人が利用。震災後も運行再開に関する問い合わせが、月に20~30件寄せられていたという。 この日、同市平田で小説などを借りた近くの無職女性(65)は「3年間欠かさず利用してきた。被災を受けて毎日重い気持ちになっており、読書で気分転換を図れそうです」と笑顔を見せていた。 巡回場所は順次増やす予定。問い合わせは市立図書館(電話0193・25・2233)まで。【山田尚弘】
◇トッパングループ 凸版印刷(本社・東京都)などで構成するトッパングループは7月11日から、宮城県を中心に、仮設住宅地域を巡回する独自の移動図書館「ブックワゴン」を始める。 「自分たちの仕事に関連する手段で、被災者の方を勇気づけることができないか」という社員の熱意から企画された。 文学や芸術書、実用書や絵本など、幅広いジャンルの本を社内から募り、専用のワゴン車2台にそれぞれ約2000冊を積んで、定期的に各被災地を回る。ルートは未定だが、仮設住宅やその周辺で暮らす住民が対象で、一定期間、貸し出しにも応じる。 ワゴンに同乗するスタッフも社内で公募する。同社広報部は「今後は参加型のワークショップやカフェなどのサービスも行いたい」と話している。
◇岡本真(おかもと・まこと)さん(37) 東日本大震災で被災した博物館、美術館、図書館などの被災状況や希望する支援内容を集めたインターネットサイト「saveMLAK」(http://savemlak.jp)を始めた。 あの日は会議で東京・永田町の国会図書館にいた。横浜の自宅に戻れず飲食店で夜を明かし、被災地のために何ができるか考えた。翌日、出張で北海道へ向かう機上で「行動したい人のために情報を集約する枠組みを作ろう」と思いついた。 本業は、インターネットを活用して学術情報を普及する会社の経営。独立前に働いたヤフーで手がけた人気サービスの一つに、入試カンニング事件で話題になった質問掲示板がある。質問を投稿すると、登録者が回答を書き込んで解決する。運用を通して「誰でも何かの専門家だ」と知った。個人の力を生かした多様な支援を提案する。 震災は、生存に不可欠な社会基盤だけでなく、人生を彩る知の基盤
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