今更ながら『孤独のグルメ』を読んだら面白かった。外食と言ったらはなまるうどんのかけ小しか食わないおれが見知らぬ中華料理屋に入ってしまうほど面白かった。厨房に立つおばちゃんが渋谷で起きた通り魔殺人と法事の話を交互にしていたのも面白かったし、注文した餃子に米がビッシリと付着していたのも面白かった。そんな面白かった『孤独のグルメ』なんだけど一つ気になるのは主人公が裕福な人物だとほのめかされている点。外車に乗ってたり、フランスで女優と付き合ってたり、回転寿司に入って"いつも行く寿司屋とは大違いだが…"と思ってみたり。望めば「一流」の生活はできるんだけど疲れて降りてしまった人なのかなーって感じで描かれている。*1 その主人公が例えば日雇い労働者の集まるドヤ街で周囲の客を眺めながらメシを食う。問題なのはそこに優越感が描かれているのではなく(それなら差別的な作品と言えば良いだけなので楽だ)むしろ親近感を