いたずらに遭った若い女性教師が、悲鳴を上げて職員室に駆け込んできた。ベテランもさじを投げた。非難の目は担任に向かう。私は煮えくり返る思いをこらえながら、空き時間の大半は教室の後ろに立ち、授業中に騒ぐ彼らをにらみ付け、怒鳴り、時にはこづいておとなしくさせた。猛獣使いの異名がついた。 . . . 本文を読む
イギリスでは政党自身が党内にきわめてしっかりしたシンクタンクなり、調査部局を持っていて、官僚からの情報よりも、もっと質のいい情報をもっています。政党の自前の調査機能が1930年代急速に成長して、1960年代になると、党の調査部局、シンクタンク出身のハロルド・ウィルソンやエドワード・ヒースが首相にまでなっています。 . . . 本文を読む
重要なのは、イギリスの議員内閣制にしてもアメリカの大統領制にしても、一朝一夕にできあがったのではなく、試行錯誤を繰り返しながら「発展してきたもの」である、ということ、その国の歴史・風土・社会が培(つちか)ってきた「手作りのもの」だということでしょう。 . . . 本文を読む
NGOは活動のグローバル化に伴い世界の政策決定に大きな影響力を発揮している。国境を越えたネットワークはトランスナショナル・シビル・ソサエティー(TCS)と呼ばれ、対地雷全面禁止条約に貢献したNGO連合体、地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)や京都議定書締結を主導した気候行動ネットワーク(CAN)、最近合意したクラスター爆弾禁止条約案でのNGOの活躍は好例だ。 . . . 本文を読む
日本の大手企業の株主総会は今週、ピークを迎える。各社が共通して直面する課題は「買収防衛策の導入」と「外資による経営への提案」だろう。東京証券取引所の株主売買代金の6割を海外勢が担い、一部上場企業の外国人持ち株比率は3割近くに達している。 . . . 本文を読む
空から眺める日本は美しく、まさに古事記や日本書紀にある高天原(たかまがはら)から神々が降臨した豊葦原(とよあしはら)の瑞穂(みずほ)の国。徐福伝説で知られる秦の始皇帝が求めた蓬莱(ほうらい)、長寿の人々の住む島である。しかし今や食糧の自給率は39%…… . . . 本文を読む
国連内部では、広報局の強権的な姿勢についての評判が立っている。他国の国連広報センターなどからも、レファロ部長の姿勢に対する不満が漏れている。しかし、国連という組織の密室の中だけで議論され処理されている限り、こうした問題の抜本的な解決は望みがたい。職を辞して、世に問うことにした。 . . . 本文を読む
日本の外交課題は明確である。アメリカに台湾問題を理解させることに全力を注ぎ、アメリカと手を組んで台湾を独立させ、国連に加盟できるように持っていくことだ。台湾が独立し、国連に加盟すれば、中国は台湾に手を出せない状態になり、日本の安泰を太平洋の平和は磐石(ばんじゃく)のものになるだろう。 . . . 本文を読む
台湾が中国に併合されたらどうなるか。中国の言うように太平洋の半分は中国の勢力圏となり、日本のシーレーンは断ち切られてしまう。資源のほとんどを輸入に頼る日本が、そうなったらどうなるかは言わずもがなのことだろう。自由圏から切り離され、中国の支配圏に入らなければならなくなることは想像に難くない。 . . . 本文を読む
廃業に追い込まれた船場吉兆について不思議でならないことがある。偽装表示や客の食べ残した料理の使い回しに最も責任がある湯木正徳元社長が、吉兆を創業した故湯木貞一氏から薫陶を受けた人物だということである。 . . . 本文を読む
小学1年生の授業で、「春眠暁を覚えず」という孟浩然(もうこうぜん)の漢詩、「雨にもまけず 風にもまけず」の宮沢賢治の詩、山上憶良(やまのうえのおくら)の短歌、さらには百人一首などが続々と出てくる。これが2年生になると、「子曰(いわ)く、過(あやま)ちて改めざる、是(これ)を過ちと謂(い)う」という論語が取り上げられる。 . . . 本文を読む
東京の国連広報センター(UNIC)所長だった元ニュースキャスターの幸田シャーミン氏が今月2日に辞表を出し、「組織ぐるみのいやがらせを受けた」としてニューヨークの国連本部に申し立てていたことが、13日までにわかった。 . . . 本文を読む
アメリカは、日本の歴史を否定し、伝統を侮蔑(ぶべつ)し、国旗国歌を軽んじる教育を徹底的にやった。だが、アメリカはその後の情勢の変化から、日本が自由圏にとっていかに重要な存在であるかを認識し、日本の弱体化を図ることをやめた。しかし、その政策は左翼が受け継いだのである。日本を駄目にして、自由圏と対立する共産圏に括(くく)り込んでしまうためである。 . . . 本文を読む
卒業式の国歌斉唱で起立しなかった教師の氏名を教育委員会に報告するのはプライバシーの侵害だ、という申し立てがなされた。同じく不起立の教師を定年後嘱託に採用しなかったら、憲法違反だと裁判が起こされた。国旗国歌を敬わない公務員が許される国が世界のどこにあるのか。こういう連中が日本を駄目にする。 . . . 本文を読む
日本は非西洋社会の中で真っ先に近代化を遂げ、西洋諸国に並び立つ国となった。非凡な業績である。その後、愚かな戦争にのめり込んで国を滅ぼしたが、戦後また経済国家として再生した。驚くべきは、冨の格差の少ない豊かさを築いた点にある。民主主義も定着した。加えて経済・技術を高めた日本は、途上国を熱心に助け、東アジアの集団的経済躍進に寄与した。 . . . 本文を読む