一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『シャドウ・ダイバー』

2008-10-31 | よしなしごと
ダイビングの中に、海底の沈没船の中まで入りその船名を特定したり船内に残された様々な品物を引き上げるディープ・レック・ダイビング(Deep Wreck Diving)といジャンルがあります。
しかし、水深の深さに加え、壊れかけて視界も不良な沈没船の中のに入ることは常に危険と隣り合わせで、アメリカで1000万人以上いるというスキューバ・ダイバーのうちでも本格的なレック・ダイバーは2~300人しかいないそうです。

本書は、そうしたレックダイバーのがニュージャージー沖に沈んでいたどこにも記録されていないUボートを発見し、その正体を特定するまでを描いたノン・フィクションです。

著者は関係者への膨大なインタビューから常に危険と隣り合わせのレック・ダイビングの実態、ダイバーたちの人生、そしてUボートの正体を特定するまでの苦闘を鮮やかに描きます。

なにしろ登場する人物が個性的で、特に中心となった2人のダイバーの人生はそれだけでドラマになりそうです。
ダイバーたちは、まずは沈没船がUボートと確認するため、次に安全に内部に潜るため、そして型式や艦名を明らかにするために何を引き揚げればいいかについて図書館から国立公文書館、さらにはドイツやイギリスの研究者からも情報を集めます。
一方でUボートは水深70mという深い場所にあり、しかも内部は狭い上に入り組んでいてしかも損傷しているため、船内での探索活動には時間の制限があるうえに危険が伴います。
それでもダイバーたちは、苦難のうえ、ついにUボートの艦名を特定し、その証拠を引き揚げます。


僕は昔ダイビングを少しかじったことがあり、また子供の頃第二次世界大戦関係は(当時のプラモデルブームなどもあり)いろいろ本を読んでいたこともあり、ツボにはまってしまい上下二巻を一気に読んでしまいました。
でも、ダイビングやUボートに興味がない人でも十二分に楽しめる、人間ドラマと海洋サスペンスと戦記物を足し合わせた魅力がある本だと思います。

お勧めです。


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ニュース二題

2008-10-30 | よしなしごと

役に立つニュースとたいていの人には意味のないニュースをひとつづつ。


「こんな電話は要注意」振り込め詐欺の音声公開 青森
(2008年10月29日10時56分 朝日新聞)

青森県警のトップページ(http://www.police.pref.aomori.jp/)にある「新着情報」欄の「オレオレ詐欺音声を公開しました」のタイトルをクリックすると、音声をダウンロードする画面が出る。

実際に聞いてみたのですが、登場人物が入れ替わりでてきたりして、かなり凝った演出になっています。
これを録音した人は最初から怪しいと思って録音したそうですが、最初で動転してしまったら騙される人も多いと思います。

一度聞いてみる価値アリです。


おまけとして、「サギかもくん」の携帯待ち受け画面もダウンロードできます。


これ、銀行のATMの画面にも表示したらいいんじゃないでしょうか。
さらに、普段利用実績のない人が大きな金額の振込み手続きをすると「カモネギくん」に変身してバタバタ動いて注意喚起するとか。




こちらはニュースとして取り上げる価値がある、と思ったデスクの人の年代がしのばれます。

ジェラルド・ダミアーノ氏(米ポルノ映画「ディープスロート」監督)が死去
(2008年10月29日(水)23:00 読売新聞)

ジェラルド・ダミアーノ氏(米ポルノ映画「ディープスロート」監督)AP通信によると25日、米フロリダ州フォートマイヤーズの病院で死去。80歳。9月に脳卒中にかかっていた。1972年に公開されたディープスロートは、60年代の性解放運動の流れをくむ記念碑的作品として世界で大ヒット。題名は、72年に発覚したウォーターゲート事件でワシントン・ポスト紙記者に情報を提供した匿名の人物のあだ名にもなった。

3年前のエントリでこの映画と主演女優のリンダ・ラブレイスについて書いたことが懐かしく思い出されました(監督の名前は知りませんでしたけど)。

実際に映画を観たことはないので「60年代の性解放運動の流れをくむ記念碑的作品」なのかどうかはわかりませんが、ポルノ映画としては記録的な大ヒットだったことは間違いないようです。
しかし、1972年当時で6億ドルの興行収入を記録した一方で主演女優のリンダ・ラブレイスには1セントも入らず、出演を強要した(最初の)夫が1250ドルを手にしただけだという話を聞くと、「記念碑的作品」と評価したり「お世話になりました」(僕はお世話にはなっていませんが)と昔を懐かしがるのもどんなもんかな、と思ってしまいます。
(こういう業界は今も昔も構造は同じなのかもしれませんが)


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太平洋の藻屑に?

2008-10-29 | あきなひ

昨日のおまじないが効いたのか、昨日は日経平均、NYとも急反発しました。

宮沢賢治畏るべし、です(笑)


ただし金融と不動産セクターだけは蚊帳の外で続落という状況です。
なかでも悲惨なのがJ-Reit。
ついに日本レジデンシャル投資法人 は予想利回り55.75%になってしまいました。

つまり市場は「2年はもたない」と思っているということですね。

日本レジデンシャル投資法人の格付け見直しについて
(平成20年10月24日 日本レジデンシャル投資法人・パシフィックレジデンシャル株式会社)  

本日、本投資法人の格付け機関であるムーディーズ・ジャパン株式会社より、本投資法人の格付けをBaa3に引き下げた上で更なる引き下げの方向で見直しをする旨の発表がなされました。これは、本投資法人が資産の運用を委託するパシフィックレジデンシャル株式会社の主要な株主であるパシフィックホールディングス株式会社の業況や信用力が今後の本投資法人の財務運営にストレスがかかる可能性があるとのムーディーズの見方を反映したものです。 
(中略)
資産運用会社は、パシフィックホールディングスの業況が本投資法人の運用および諸契約に対して大きな影響を及ぼすことはないと考えております。本日現在、パシフィックホールディングスと本投資法人との間には、金銭債権債務の関係がなく、パシフィックホールディングス固有の問題は本投資法人の運営に直接支障をきたすものではございません。

と火消しに躍起になっています。


しかし親会社の信用力以前に本体にも問題がありそうです。 

資産運用報告書を見ると、平成19年9月27日にみなとみらいにある「パシフィックロイヤルコートみなとみらい アーバンタワー」という物件を117億円で取得する契約を結んでいて、まだ引渡しを受けておらず、「平成20 年11 月末日を越えない日までに本投資法人が売主と別途合意する日に取得する予定です。」とされています。 
(さらに、この売主は「特定目的会社PDみなとみらい」となっていておそらくパシフィックホールディングス関係のSPCだと思うので、「パシフィックホールディングスと本投資法人との間には、金銭債権債務の関係はなく」というのも微妙な書きぶりといえます。)  

大型物件を先物買いして決済ができない、というパターンは先日破綻したニューシティ・レジデンス投資法人と同じですね。  

さらに平成20年11月28日返済期限の20億円の借入金があります。
本来だったら資産規模から考えると借り換えは容易な金額でしょうが、これも当初三井住友銀行が20億融資したものを全国信用協同組合連合会に10億、北洋銀行に5億売り抜け譲渡しているので、これらの会社のリファイナンスは期待薄そうですし、今さら火中の栗を拾いに行く金融機関があるか、というところも問題です。

市場も2年どころかあと一ヶ月が勝負と見て売られている、ということなのかもしれません。  


では日本レジデンシャル投資法人はどうすればいいかというと、やはりニューシティ同様民事再生、というのが一番いいように思います。 そうすればみなとみらいの売買契約も解除して違約金もとばせますので。  

でも、今回ニューシティと違うのは、売買相手がパシフィックホールディングスの(おそらく)出資する会社であり、投資法人のいわゆるスポンサーで、かつ運用会社(パシフィックレジデンシャル)の親会社あることです。
上のリリースのように金銭債権債務の関係はないとはいうものの、民事再生の申し立ては売主であるSPCやひいては(おそらく出資者であろう)パシフィックホールディングスにも影響を与えます。(というわけでパシフィックホールディングスの株価もこんな感じです。)  

投資法人の執行役員も、もとはパシフィックホールディングス・グループとして雇われたのでしょうが、親が子に弓を引くか、躊躇して投資法人をデフォルトさせれば個人の責任を問われるという厳しい立場に立たされたわけです。


海の藻屑となってしまうは誰なのでしょうか。
はたまた奇跡の大逆転のシナリオはあるのでしょうか。


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平均株価バブル後最安値

2008-10-28 | よしなしごと
東証終値、7162円 バブル後最安値を大幅更新
(2008年10月27日(月)17:47 共同通信)

こういうときこそ宮沢賢治の覚悟を決めたうえでの透明な目線が必要かと、本ブログ2度目のご登場をいただきます。(前回はこちら



    眼にて云ふ


だめでせう

とまりませんな

がぶがぶ湧いてゐるですからな

ゆふべからねむらず血も出つづけなもんですから

そこらは青くしんしんとして

どうも間もなく死にさうです

けれどもなんといゝ風でせう

もう清明が近いので

あんなに青ぞらからもりあがって湧くやうに

きれいな風が来るですな

もみぢの嫩芽と毛のやうな花に

秋草のやうな波をたて

焼痕のある藺草のむしろも青いです

あなたは医学会のお帰りか何かは知りませんが

黒いフロックコートを召して

こんなに本気にいろいろ手あてもしていたゞけば

これで死んでもまづは文句もありません

血がでてゐるにかゝはらず

こんなにのんきで苦しくないのは

魂魄なかばからだをはなれたのですかな

たゞどうも血のために

それを云へないがひどいです

あなたの方からみたらずゐぶんさんたんたるけしきでせうが

わたくしから見えるのは

やっぱりきれいな青ぞらと

すきとほった風ばかりです。


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それにつけても 金のほしさよ

2008-10-27 | あきなひ

この下の句(このエントリの後半参照)の秀逸さを再認識させられるくらい、みんなお金が足りなくなっています。

三菱UFJ、最大1兆円資本増強へ=みずほ、三井住友も検討
(2008年10月26日(日)12:30)

三菱UFJフィナンシャル・グループが最大1兆円の資本増強を検討していることが26日、明らかになった。年内にも実施する。米金融大手モルガン・スタンレーに総額90億ドル(約9000億円)出資したのに加え、保有株式の価格急落で含み損も発生しているため、大規模な資本増強が必要と判断した。みずほフィナンシャルグループと三井住友フィナンシャルグループも資本増強の検討に入った。日本のメガバンクがそろって財務基盤を強化する。 

三菱UFJはモルガン・スタンレーの株25.25ドルで買っているので、その分だけでも半分以下になってしまっていますから致し方ないかと。
ただ資金供給も不足している状況で資本増強もままならないでしょうし、そこにバーゼルⅡによる評価損という悪循環を加えるのって素人から見ると金融危機を自作自演しているようにも見えます。
バーゼルⅡを停止しろ、という声は出ないのでしょうか。


ところでこの増資を引き受けるひとは、モルスタと三菱UFJをまとめて買えることになります(もっともそれがお得な買い物かどうかはわかりませんが。)。
結局モルスタを買ったのは誰だろう、ということになりますね。


もし農林中金とか全共連が出資したとすると、三菱UFJは

「買ったのはあの百姓たちだ。わしたちではない。」

と『七人の侍』のラストシーンの志村喬のようにつぶやくのでしょうか。


(もっとも今回は農林中金はCDOなどでやられていて公的資金注入の対象になっているくらいですからネタにしている場合ではないのかもしれません。全共連はどうか知りませんが。)

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ゆかりたん

2008-10-26 | よしなしごと
駅を降りたら、「佐藤ゆかり」というノボリがいっぱい立っていました。

街頭演説は既に終わっていたようで、本人の姿は既になく、ボランティアが撤収作業をしていました。
その中に知り合いの姿が。

政治活動などに最も縁遠いところに入ると思っていたので意外に思い思わず声をかけました。

なにやら知り合いの友人が佐藤ゆかり氏のJPモルガン時代の友達だった関係で誘われたんだとか。

「ゆかりたん」については週刊誌の吊広告くらいの情報しかないのですが、同僚に友達が少なそうなイメージがあったんですがそんなこともないんだな、とちょっと意外な感あり。
また政治活動のボランティアもやってみようと思う人が多いことも意外。


まあ、外資系金融の人は今はすることがないのかも・・・



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原材料価格高騰対応等緊急保証制度

2008-10-24 | あきなひ

「緊急」という割には息継ぎが必要なくらい長い名称です。

きっかけは昨日のこのニュース。
不動産株の一角が底堅い、CSはセクターウエート引き上げ
(2008年 10月 23日 13:20 ロイター)

不動産株の一角が底堅い動きとなっている。クレディ・スイス証券が東急不動産と東京建物の投資判断を「アンダーパフォーム」から「アウトパフォーム」に引き上げるとともに、不動産のセクターウエートも「アンダーウエート」から「オーバーウエート」に引き上げたことなどを材料視した。  
同証券では、21日に発表された原材料価格高騰対応等緊急保証が上場企業の信用リスクを低下させる可能性があるとみている。98年10月から2001年3月まで実施された中小企業金融安定化特別保証制度は、不動産株を上昇させる効果があったと同証券は分析。緊急保証によって、倒産懸念から上昇した信用クレジットは一時的に沈静化する可能性があるとしている。

レポートの中身を見たわけではないのですが、「中小企業」の定義からいって上場不動産会社自身や工事を発注するゼネコン、投資用不動産の購入者などはこの政策の対象にはならなそうですし、下請業者が倒産してももともと直接には影響はないはずです。

ということで制度の中身を見てみると

原材料価格高騰対応等緊急保証制度が始まります。
(平成20年10月21日 経済産業省・中小企業庁)

「安心実現のための緊急総合対策(8月29日に政府与党決定)」において決定された新しい保証制度「原材料価格高騰対応等緊急保証」を10月31日に開始します。
本制度は、原油に加え原材料価格の高騰や仕入価格の高騰を転嫁できていない中小企業者の資金繰りを支援するため、現行制度の抜本的な拡充・見直しを行ったものです。

1.緊急保証制度では、原材料価格高騰の影響を受ける食品製造業、化学工業、プラスチック製品製造業など、仕入価格高騰の影響を受ける飲食店、卸売業、小売業などが新たに対象業種となりました。
2.対象業種の中小企業者は、金融機関から融資を受ける際に一般保証とは別枠で、無担保保証で8,000万円、普通保証で2億円まで信用保証協会の100%保証を受けることができます。

10月31日から1年半の期間実施されるようです。
また対象になる中小企業は以下のいずれかに該当するものです。(参照)  

① 指定業種に属する事業を行っており、最近3か月間の平均売上高等が前年同期比マイナス3%以上の中小企業者。 
② 指定業種に属する事業を行っており、製品等原価のうち20%以上を占める原油等の仕入価格が上昇しているにもかかわらず、製品等価格に転嫁できていていない中小企業者。 
③ 指定業種に属する事業を行っており、最近3か月間(算出困難な場合は直近決算期)の売上総利益率又は平均営業利益率が前年同期比マイナス3%以上の中小企業者。

現下の信用収縮と原材料価格の高騰に鑑みると、何らかの形の緊急対策が必要だということですね。
ただ、全く見当違いかもしれませんが、素人の素朴な疑問として、この対策で急場しのぎはできるが、中期的にはかえって中小企業の首を絞めることにならないか心配です。
すなわち、保証の要件に「価格転嫁ができないこと」があるために価格転嫁をしないインセンティブが働いたり、制度があることを理由に取引先に価格転嫁をしづらくなってしまうのではないか、ということです。
この制度を利用して当座の資金繰りのめどは立つとしても、融資である以上最低でも毎月利払いは必要で最終的には元本を返済するなり借りかえるなりする必要があります。
ところが肝心の価格転嫁ができないとなると結局じり貧になってしまい、1年半の間に景気が回復しないと利払いが滞ったり、制度終了後は融資が受けられなくなって二次遭難をしてしまいます。


上の記事に戻ると、結局この制度がどうして不動産セクターの信用クレジットの沈静化に通じるかがよくわかりませんでした。
また過去の同様の制度は「不動産株を上昇させる効果があった」ということですが、ひょっとして不動産会社がこの制度があることを利用して建築業者(ひいては下請業者)に価格転嫁を認めずに利益をあげていた、ということなのでしょうか(でもそういうレポートってあまりおおっぴらにしにくそうですが)。


この制度は「緊急」で1年半の期間限定のものですが、その意味では、政府も景気刺激策をとって1年半の間に景気を回復基調にのせるか少なくとも金融を安定化させるという覚悟の表明なのかもしれません。(単に延長でお茶を濁すかもしれないけど)

最後に、もっと斜に構えた見方をすると、最初から倒産前提の取り込み詐欺が起きたり、地方金融機関が貸倒リスクを軽減するためにリファイナンスに使って結局信用供与が増えないということも起るかもしれません。
でもそこは保証協会の審査や金融庁の監督がきちんと機能するのでしょう(多分)。


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こっちの水は甘い・・・かな?

2008-10-23 | M&A

大荒れの株式相場のなかでは、もはや後日談程度の話題性しかありませんが。

日本ハウズイング株式会社に対する買付説明書の提出のお知らせ
(平成20年10月20日 株式会社リロ・ホールディング)

当社は、平成20 年10 月20 日開催の取締役会において、株式会社原弘産、井上投資株式会社および株式会社カテリーナ・イノウエ(以下、本売主)との間で、日本ハウズイング株式会社(以下、日本ハウズイング)の「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下、本買収防衛策)に基づく対抗措置が発動されないことを条件として、本売主の保有する日本ハウズイング株式を譲り受ける株式譲渡契約(以下、本株式譲渡契約)を締結することを決議し、同日、日本ハウズイングに対し、本買収防衛策に基づき誓約書および買付説明書(以下、本買付説明書)を提出いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。

ヘロヘロの原弘産(+井上投資)から買うだけでなくカテリーナ・イノウエとも話がまとまったんですね。
これに対しては日本ハウズイングはいきなり尻尾を振っています。

株式会社リロ・ホールディングからの買付説明書の受領について
(平成20年10月20日 日本ハウズイング株式会社)

当社は、本買付説明書提出に先立ち、リロ・ホールディングから当社株式の取得及び業務提携に関する非公式な打診を受け、リロ・ホールディングとの間で、両社の業務提携に関する初期的な検討を行っております。このように、当社は、本買付説明書が提出されることを予期していたものですが、その内容について早期かつ前向きに鋭意検討してまいる所存です。

根回しも済んでいたようですね。
それで翌日早速
株式会社リロ・ホールディングとの間の業務提携に関する正式協議の開始及び買付説明書に基づく当社株式買付けに対する対抗措置の不発動の決定に関するお知らせ

当社は、本日開催の取締役会において、本買付説明書の内容に関し慎重な審議を行った結果、
①リロ・ホールディングとの間で業務提携に関する正式協議を開始することとし、・・・「業務提携に関する基本合意書」(以下「本基本合意書」といいます)を締結すること
②本買付説明書に記載された内容のリロ・ホールディングによる当社株式の取得・・・については、本プランに基づく対抗措置の発動を行わないこと
を決議いたしました

お家騒動の相方のカテリーナイノウエもいなくなって万々歳、ということでしょう。

1.本買付説明書の受領及び本決定に至る経緯について
リロ・ホールディングは、平成20年10月中旬ころから、株式会社原弘産、井上投資株式会社及び株式会社カテリーナ・イノウエ・・・との間で、本売主の保有する当社株式の全部(合計3,977,000株・当社の発行済株式数の約27.09%。・・・)の譲受けに関する協議・交渉を行っておりました。一方、リロ・ホールディングは、当社に対し、当社との業務提携に関する非公式な打診を行っておりました。そして、当社とリロ・ホールディングは、両社の業務提携が各社の企業価値及び株主共同の利益の最大化に資することとなるかを初期的に検討するため、協議を行ってまいりました。・・・その結果、当社は、リロ・ホールディングとの間の業務提携の実現のため正式な協議・検討を開始することは、当社の企業価値及び株主共同の利益の最大化に資する可能性が高いと考えるに至りました。

2番目のリリースでは業務提携の打診は株式取得より前ではなかったようなので業務提携の協議も「平成20年10月中旬ころ」からだったわけで、10日あまりで決断したわけです。
原弘産からの買収への対応と比べると電光石火の意思決定といえましょう。
取締役会での「慎重な審議」の内容に興味があります。

このリリースの別紙1として「リロ・ホールディングが当社の関係会社となること及び本業務提携に関する当社の考え方」というのがついてますが、原弘産の買収への反対意見の裏返し以上のものではありません。


結局最初から最後まで、なんだかなぁ、という感じがつきまとった案件ではありました。

カテリーナイノウエとしては出口が見つかってよかった、ということなんでしょうが、株価の動きを見るとほかの株主はあまり喜んでいないようです。(参照、またリロへの売却協議が始まったとされる10月中旬以降の株価が高値で張り付いていることについてはこちらをご参照。でも、買い続けていた合人舎はどうするんでしょうね。将来的には経営権争いが再発すると見てキャスティングボートを持っておこうということでしょうか。はたまた裏約束?)

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ニモ?

2008-10-22 | あきなひ

昨日の日経の一面の記事
金融機能強化法改正案、農林中金も注入対象
(2008年10月21日(火) 08:03 日本経済新聞)

地域金融機関への公的資金の予防注入を可能にするため、政府が今国会に提出する金融機能強化法改正案の全容が20日、明らかになった。信用金庫、信用組合、労働金庫の上部機関に加え、農林中央金庫を一括注入の対象として明記。その上で農協・漁協などの個別金融機関に資本を割り振れるようにする。申請期限は2012年3月末までとする。  
改正案は信用金庫など協同組織金融機関による貸し渋りを防ぐため、上部機関に国が予備的に資本注入できる枠組みを新設する。対象は信金中央金庫、全国信用協同組合連合会、労働金庫連合会、農林中金の4機関。これらの上部機関は傘下金融機関の資本支援だけでなく、本体の資本増強にも活用できる。

農協のしくみや実態については詳しくないので推測なのですが、以前のバブル崩壊のときに問題になったのは個別の農協の乱脈融資や不正運用であって、貸し渋りではなかったように思います。
また貸し渋りが起こったとしても、経営が悪化した個別農協に資本を注入することが貸し渋りの緩和につながるのでしょうか。
特に農協の理事は無限責任を負うのだったと思うのですが、そうすると「信用力が低くても貸せ」というのは無理があるようにも思います(今は仕組みが変わったのでしょうか)。

実は貸し渋りは大義名分で、農協もCDOなどに突っ込んでいるところがあって、そのへんの救済が本音なのかもしれません。
農林中金自身は相当突っ込んでいるという話を聞きますが。
実は上の記事は

傘下金融機関の資本支援だけでなく、本体の資本増強にも活用できる

というところがミソだったりして・・・


日経の記事にはありませんでしたがこんなことも
金融機能強化法改正案は2012年までの時限措置=与党筋
(2008年10月21日(火)13:44 ロイター)

現行の金融機能強化法では、金融機関に経営責任や経営再編を条件にするなど申請要件が厳しく、利用実績は2件にとどまった。このため、今回の改正案では、経営責任を問わないなど申請の要件を緩和する。

農協や信金などに対する政治的な配慮があるのかもしれません。
するっと書いていますが、もう少し議論したほうがいいのではないでしょうか。
 

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シッコウ違い

2008-10-21 | あきなひ

「野村(ネット証券)炎上」 という夕刊紙の大見出しに思わずつられて買いそうになちました。

野村ホールディングスの子会社のネット証券会社であるジョインベスト証券のこの話のようです。
「詐欺だ」…野村系ネット証券、顧客トラブルで大炎上--買い注文処理できず損させる

事の顛末は以下のとおり。 

日経平均株価が1171円高となり、過去最大の上昇率(14.15%)を記録した10月14日に、ジョインベスト証券の顧客がストップ高買い気配のまま取引を終了した銘柄の比例配分を狙って買い注文を入れたところ、端末の取引画面には、取引不成立を示す「失効」が表示された。 
これは、ジョインベスト証券が、普段であれば比例配分が行われる注文についてはその日のうちに約定(注文成立)の通知を出しているのだが、この日はストップ高になる銘柄が続出したため処理が遅延したため、とりあえず「失効」のメッセージを顧客に送ったあとで比例配分の処理を行い、株を割当てられた顧客には改めて注文が成立したことを通知することにした。 
しかし、この日は大量のストップ高のため比例配分の処理に人手が足りず、大幅な遅れが発生。やっと顧客に「比例配分の対象となっている銘柄がある」との通知が送られ14日終値で売買が成立したことの通知がされたのが翌日の立会い終了後の15日の夜だった。 
さらに悪いことに翌16日の東証はほぼ全面安の展開となり、日経平均株価は前日比1089円安と暴落したため、急騰場面で比例配分を受けた顧客の大半は15日に売却する機会を得られないまま含み損を抱えた。  

ジョインベストは今回の処理について、「金融庁や日本証券業協会にも報告しており、法に触れる処理ではない」として、14日の売買を取り消すなどの措置は取らない方針だ。  

とのことですが、法には触れないとしても約款上はどうなっているんでしょうか。
常識的には一取引日過ぎた後に「成約しました」と言われても困ると思います。
口座の残高管理とかはどうなっていたのでしょうか。

そこでジョインベスト証券の取引約款をみると

総合取引約款
第19 条(免責事項)当社は次に掲げる場合に生じた損害については、その責を負いません。

(8)天災地変、政変、同盟罷業、外貨事情の急変、外国為替市場の閉鎖等、不可抗力と認められる事由により、本約款に定める事項、求められた手続等が遅延し、または不能となったとき
(9)電信または郵便に係る誤謬、遅延または第三者による妨害、侵入もしくは情報改変等、当社の責に帰することのできない事由が生じたとき
(10) 注文を受付け、注文内容を確認した後、相当の時間内に当該注文を執行したとき
(11) 売買注文の取消等の申込を受付け、申込内容を確認した後、相当の時間内に当該申込に対応したとき
(12) インターネット取引約款第11 条各号のいずれかに該当し、当社が売買注文を執行しなかったとき
(13) お客様からの注文が、システム上の制限、エラー、内容の瑕疵等により発注されなかったとき(ただし、当社の重大な過失による場合を除く)
(14) インターネット取引約款第16 条または第17 条が適用されたとき 

インターネット取引約款
第11 条(執行)
当社が本サービスによって受付けた売買注文は、注文内容を確認した後、相当の時間内に金融商品取引所等で執行します。ただし、当社が受付けた注文について、次のいずれかの事由が生じた場合には、あらかじめお客様に連絡することなく当該注文の執行を取り止めることがあります。
(1)注文内容が第5 条(※取引の種類)、第6 条(※取扱銘柄)、第7 条(※取扱数量の範囲)または第9 条(※有効期間)の定めのいずれかに反することとなったとき
(2)指値が金融商品取引所等の値幅制限を超えるとき
(3)公正な価格形成に弊害をもたらすものと当社が判断したとき
(4)前各号に掲げる他、取引の健全性に照らして当社が不適当なものと判断したとき
第16 条(本サービス利用の禁止)
当社は、お客様に本サービスをご利用いただくことが不適当と判断した場合には、本サービスのご利用をお断りすることがあります。
第17 条(サービス内容の変更)
総合取引約款第20 条が適用される場合を除き、当社はお客様に通知することなく、本サービスの内容を変更することがあります。

ちょっと広めに引用しましたが、免責事項に明確に該当する感じではないですね。

また 最良執行方針はつぎのとおり。

(2)システム障害等により、やむを得ず、最良執行方針に基づいて選択する方法とは異なる方法で執行する場合がございます。その場合でも、その時点で最良の条件で執行するよう努めます。最良執行義務は、価格のみならず、例えば、コスト、スピード、執行の確実性等さまざまな要素を総合的に勘案して執行する義務となります。したがって、価格に着目すれば最良でなかった場合でも、それのみで最良執行義務違反となるものではありません。  

結局翌日の夜というのが「相当の時間内に執行」した「コスト、スピード、執行の確実性等さまざまな要素を総合的に勘案して」最良執行義務を果たしたといえるのかどうかの争いになりそうです。
また、「失効」という表示が注文が不成立だったと誤認させるものではなかったかもポイントになると思います(「失効」のはずが「執行」されていたというのは悪いダジャレのようです。)。 
もっとも責任が認められたとしても損害賠償の対象になる実損はどれだけなのか、というところも論点としてはありそうです。  

とはいえ、ジョインベスト証券としては、免責を主張するということは「相場の乱高下の時には注文の執行が翌日夜になるのが普通のネット証券だ」といわば開き直った主張することになるので、営業的な悪影響は大きいと思います。

少なくとも金融庁から指導はくらいそうです。
また、「法に触れる処理ではない」という初期対応のコメント(が実際にされたのだとすると)はもう少し工夫の余地があってもよかったように思います。

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映画4本

2008-10-20 | キネマ
近所のTSUTAYAが新装記念で旧作半額セールをやっていたので、先週の3連休と今週末は映画三昧。
今回は昔の作品を改めて観てみました。
いずれも有名な作品なのでひとことコメントだけ。


『博士の異常な愛情』
スタンリー・キューブリックの核戦争をテーマにしたブラックコメディ。
1964年のモノクロ作品。
プロットと脚本はその後の同様のテーマの作品を「二番煎じ」にしてしまう見事さがあります。




『時計じかけのオレンジ』
これもキューブリック(こちらは1971年なので当然カラー)。
こちらも脚本と演出の斬新さは今でも衰えていません。




『M★A★S★H』
1970年の戦争コメディ。戦争といっても朝鮮戦争が舞台なのが時代です。
医療部隊の話ですが、これも後から出てくるこの手の映画の基本となっています。
悪ふざけも真剣にやろう、というのが教訓。
主演のドナルド・サザーランドが予想外に格好よかったです。
どちらかというと中年以降の「異相のオヤジ」風の印象が強かった(最近歳をとってから味が出てきた)のですが、意外です。
息子よりは親父の方が役者としてはいいですね。




『カッコーの巣の上で』
これは中学のときにデートで観た映画です(懐かしい・・・。ただ、デートで観るには不向きな作品ではあります(笑))。
これ以来ジャックニコルソンのファンになりました。
この映画は相当印象に残っていたので細かいところまで覚えていたつもりだったのですが、もう一度見てみると、正確に覚えている部分と記憶の方が誇張されていた部分など自分の印象を検証するという面白い体験もできました。
中学のときにしか観ていなかったのに「好きな映画」の筆頭にあげていたのですが、改めてそう思いました。
舞台は1963年で今では聞かれないロボトミー手術などが行われていた時代の話です
(ワールドシリーズでNYヤンキース相手に投げているのが(名前しか聞いたことがない)LAドジャーズのサンディ・コーファックスだったり・・・)。

1975年のアカデミー賞では、作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、脚色賞と主要5部門を独占したのですが、もともと原作の小説の映画化権を父親から譲り受けた共同制作者のマイケル・ダグラスは「約束された成功」がトラウマになってその後のセックス依存症とかになったとか(前にどこかで読んだだけの話なので単なる与太話かも)




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受難つづきの岡田さん

2008-10-18 | よしなしごと
昨日の朝、通勤途中の駅頭で民主党の岡田元代表が街頭演説の応援に来ていました(始まる前だったので演説は聴けず)。

いきなり正面から写真を撮るのも気が引けたので遠くからパチリ。





写真の中央3人の男性のいちばん右(ズボンをズリあげている人の右隣です。)



でも最近、阪神の岡田監督の辞任のつぎはサッカー全日本の岡田監督の進退が取りざたされていて「岡田」さんは受難つづきです。
続投お墨付きも…岡田監督「本心かどうか」
(2008年10月18日(土)06:02 スポーツニッポン)


民主党の岡田さんは副代表なので大丈夫だと思いますが(そういうもんでもないか(笑))、ちょっと余計な心配をしてしまいました。

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スキャンダルも連鎖

2008-10-17 | まつりごと

株や為替や冷凍インゲンの話題の陰に隠れていましたが、解散が現実的になるにつれて政治の話題もクローズアップされてきそうです。
とはいっても相変わらず足の引っ張り合いというか自滅しあいという低レベルなところが残念。

民主、「生活第一」の看板に傷=小沢氏主導で幕引き図る-マルチ商法
(2008年10月16日(木)22:30 時事通信)

民主党は16日、マルチ商法業者から講演料や献金を受けていた前田雄吉衆院議員の離党届を受理した。小沢一郎代表ら執行部は、これで幕引きを図る考えだが、被害が絶えないマルチ商法と民主党議員との関係がクローズアップされたことで「国民生活第一」を前面に掲げる党のイメージが傷ついたのは間違いない。衆院選を控えて痛手となった。  
「一定のけじめにはなった」。菅直人代表代行は16日の記者会見でこう強調した。党内には、ほかにも山岡賢次国対委員長などマルチ商法業界から献金を受けた議員がいるが、執行部は、国会で業界擁護の質問を繰り返した前田氏との「違いは歴然」(小沢氏)として、不問に付す考えだ。 

政治家に主義主張があって、それに賛同する個人や企業がパーティー券を買ったり献金(企業が直接はできませんが)するというのが本来の形なのでしょうが、政治家も金が必要で背に腹は変えられないのかそもそも主義主張がない人が多いのか、実際は政策は金で買えるという構造になっているようです。
もっともこれは洋の東西を問わず、アメリカでは「ロビイスト」などとしゃれた言い方になっていたりと昔と違って上品にはなっているようですが。

ただ、有権者の投票だけが政治家に対する唯一の影響力行使の手段だとすると、一票の格差問題などがよりクローズアップされることになりますが・・・


これは民主党議員が自民党ほど資金が潤沢でないところにつけ込まれたという話かなと思っていたら、さっそくこんな話も

野田大臣もマルチ業者にパーティー券 国会で擁護質問も
(2008年10月17日(金)03:03 朝日新聞) 

野田氏はまた、16日の参院予算委員会で、12年前に業界を擁護する国会質問をしていたことを自ら明らかにしたうえで、「自分の勉強不足で、消費者の視点に立った質問ができなかった」と釈明した。  
野田氏は96年4月の衆院商工委員会で「マルチ商法は非常にうさん臭い、ネガティブな業界であるというようなものが蔓延(まん・えん)すると、一生懸命頑張っている人のやる気をなくし、かえって新たな産業をつぶしてしまう」などと発言していた。  
これについて野田氏は「私も商品を買ったことがあり、(マルチ商法を)全面的に禁止することは不可能だと思った」と説明。「12年前の思いとは裏腹にマルチの実態が深刻であることを担当大臣として受け止めたい」と語った。

マルチ商品を「買ったことがある」ということは、会員になって潜在的には売る側にもなったことがあるというこなので、この発言はかえってまずいんじゃないかな、とも思うのですが、「あなたも他人に商品を紹介したのか」などというつっこみはなかったようです。

それに12年前にはマルチ商法は盛んでなかったかといえば全然そんなことはないんじゃないでしょうか。
マルチ「まがい」などといわれていた日本アムウエイが(親会社が米国で非上場にもかかわらず)株式公開したのが1991年で(その後2000年に上場廃止)すし、当時の方があれやこれやと新しいものが出てきていたようにも思います。

また、視点を変えれば、今は消費者担当大臣だからといって12年前に消費者の立場に立った質問をしなければならない理由はないですよね。
このへんはマスコミの言葉狩り、魔女狩りに配慮したのでしょう。


付き合う相手を選ぶのも政治家の能力、という意味ではこちらも低レベル。

比女性ビザ、倉田副大臣口利き 慈善名目、実はパブ勤務
(2008年10月17日3時1分 朝日新聞)

・・・「チャリティーコンサートへの出演」を名目に短期滞在ビザでフィリピン人女性が来日するケースが相次いだ。この手法について脱法行為の可能性があると判断した警察・入管当局が全国的に内偵を始める中で、今年9月、静岡県警が五つのパブにフィリピン人女性を派遣していた団体「未来チャリティー実行委員会」とNPO法人「MIRAI」(いずれも静岡市)の強制捜査に着手。
 (中略)
一方、関係者の証言によると、倉田氏はこの案件について「チャリティーの件をよろしく」などと外務当局や入管当局に複数回にわたって働きかけをしていたという。

きょうび「NPO法人だからまともだと思った」などという言い訳は通じないと思います。


ついでに相変わらず話題になる中山前国交相

中山・前国交相が一転出馬に意欲、自民党は困惑
(2008年10月17日(金)03:01 読売新聞)

知事の衆院選出馬騒動といい、このへんは県民性なんでしょうか、それとも皆で協力して話題づくりに精を出しているのでしょうか。

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『悩む力』

2008-10-16 | 乱読日記

話題の本ではありますが、紙幅の2/3もある帯を見て、相当売れているんだなと認識を新たにしました。

誰にでも具わっている「悩む力」にこそ、生きる意味への意志が宿っている

ということを夏目漱石とマックス・ウェーバーを手がかりに語っている本です。

「語っている」と書きましたが、姜尚中先生のひとり語り風な文章で、たまに相づちやつっこみを入れて対話風に読み進めることができます。

本書でキーワードの一つにあげられているのが「アテンション(ねぎらいのまなざしを向けること)」。
家族等でなく社会における他者からの承認を与えられることで、社会の中での自分の存在を認められる、ということが、たとえば働くことの動機付けになります。
逆にそれは、他者との関係で悩みを生むことになるのですが、それこそが生きる力になる、といいます。

このあたりは押井守『凡人として生きるということ 』での主張とも通じる部分があります。

手っ取り早い解決を求める姿勢は結果だけを評価することにつながり、ところが人生にはうまく行かないことが多い以上、逆に悩みを増やしてしまうことにつながるということだと思います。
そして評価基準を変えずに結果を出そうするなら、かく乱要因としての他者を排除する方向に向かってしまうのかもしれません。


この本を読んでいて思い出したのがこれ suntory goldのCM(多分70年代)です。登場するのは野坂昭如(若い!)。





みんな悩んで大きくなった、というのは今も同じですが、世の中が複雑になったことで悩む種が増えたということもあるでしょうし。
また、このCMのような声を大にして言える「教養的な悩み」以外の悩みも立派な悩みなんだと力づけてもくれる本です。

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Cowbell Plus

2008-10-15 | よしなしごと
カラオケのある飲み屋に行ったら、iPhoneをカラオケセットにつないでパーカッションができる、という技をやってました。

Cowbell Plusというソフトウエア(別売・有料)で、いろんな打楽器の音をiPhoneで出すことができます。


実際はこんな感じ




カラオケにあわせるにはタイムラグを読まなければならないので最初は難しいのですが(真剣にやると酔いが覚める(笑))、コツをつかむとかなり楽しめます。
小さなパーティーなどではけっこう使えそうです。
そのうちリズムボックス機能もつくのではないかと。

拡張性とインターフェイスに優れているところはさすがアップルですね。
ただ、これが電話である必要はどこにあるんだろう、と考えてしまいました。

ますます携帯電話とPDAとゲーム機との境がなくなってくるようです。


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