システム担当ライブラリアンの日記

図書館システムやサービス系の話題を中心に。最近、歩き旅の話題も。

台湾の霧社事件に関する本、2点

2024-12-25 21:32:42 | 本の紹介
1930年、台湾で起きた霧社事件。先住民が日本人(民間人・子どもを含む)を襲って、100人以上を殺害。日本側は軍を動員して、制圧したという事件。
映画「セデックバレ」くらいの知識しかなかったが、年明けに現地見学も計画しており、少し勉強。

以下、読んだ順。

●『抗日霧社事件の歴史 : 日本人の大量殺害はなぜ、おこったか』(鄧相揚著 ; 下村作次郎, 魚住悦子共訳、2000)

こちらはざっと読んだ程度で、記憶が薄い。

●『台湾・霧社に生きる』(柳本通彦、1996)

何かを解説するという記述もあるが、著者が人を訪ねて、そこで知ったことを伝えるような側面も大きい本。

単に概略を知るだけでなく、個別・具体の人物を追いかけたり。

「抗日」事件と捉えられがちだが、それは台湾(国民党政府)からの立場であり、先住民には彼らの論理があったとか。
逆に、制圧する側に使われた先住民の部族は「抗日」に反した行動をしたと捉えられたり。

日本人慰霊碑が破壊されたという事実があるけれど、著者がインタビュー調査したところ、誰かが組織的に行ったのではなく、ある外省人(大陸から渡ってきた人)が個人的に行ったらしいことが分かったり。

台湾というと、食べ物が美味しいとか、親日的とか、日本統治時代の建物が残っているとか、そんなことを言われたり、僕も着目することもあるけれど、植民地として、差別的な統治とか、先住民同士で殺し合わせたりとか、そんなことも知っておきたい。

歩き旅で、ゆっくりとその土地を通る経験のせいか、物見遊山的ではなく、その土地の人なら普通に知ってること(話題にもしないだろうけど)、そんなことも共有できたらいいなと思うようになってきました。
歴史の話だけでなく、別に金利や年金、投資、教育…なんでもよいのだけど。
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