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【ハイブリッド開催】ECzine Day 2025 Winter

2025年2月4日(火)13:00~18:45

300Bridge代表 藤原義昭氏と探る 小売×デジタルの次なる転換点

アパレル=インスタの定説が覆るか 古着好きなジゲン氏が驚いたコミュニティ化するBASEのポテンシャル

 コメ兵、ユナイテッドアローズでDXを推進した後に、現在は株式会社300Bridge 代表取締役として経営、事業戦略、デジタルに関する各社のサポートや情報発信を行う藤原義昭氏。同氏が2018年から2019年にかけて連載していた「オムニチャネルの次の話をしよう」が、アップデートして帰ってきました。小売×デジタルの次なる転換点を探る本連載の第1回は、好評だったジゲン氏との対談を再度実施。6年間のデジタル環境の進化を振り返りつつ、前後編に分けて「SNSマーケの今とこれから」についてお届けします。生成AI時代のマーケターに求められる真の役割や思考力、売り場のコミュニティ化でシェアを広げる新たなチャネルについての言及など、後編も必見な内容です!

前編の記事はこちら

これからのマーケターが描くべき「アルゴリズムを超越したアプローチ」とは

藤原(300Bridge) 前編では施策ドリブンな発想から脱却するための提案や、ワールドの「DRESSTERIOR」、アダストリアの「FOUND GOOD」などといった掛け算でアセットを増やすブランドの取り組みについて意見を交わしてきました。

 前者は歴史がありリブランディングで成果を改善したブランド、後者は新たなアプローチで頭角を現していますが、現実はうまくいくブランドばかりではありません。個人的には、昔も今も単純接触効果が存在するのに変わりはないと思っていますが、膨大な量の情報と向き合う中で昨日見たものを忘れている自分がいるのも事実です。そういった中で消費者に覚えてもらい、言及したくなるほど印象づけるには、どうしたら良いのでしょうか?

株式会社300Bridge 代表取締役 藤原義昭氏
株式会社300Bridge 代表取締役 藤原義昭氏(Xアカウント:@yfujihara

ジゲン まずはやはり、アテンションの量を増やしていくことではないでしょうか。これはSNSやオンライン上に限ったことではありません。コロナ禍で商業施設から退店したブランドが再び出店する、といったことがありますよね? もちろん、「売上が回復してきたから」「人が店舗に戻ってきたから」といった理由もあると思いますが、人のいるところから退店する=認知が減るのと同義なんですよ。

 通勤時に毎日通りがかっていた店舗がなくなったら、そのブランドでものを買わなくなった、といった経験をしたことがある人もいるでしょう。店舗って売上を作るためだけでなく、マーケティングとの相関関係もあるとわかっているかは大きいなと思いますね。

 ソーシャルコマースへの対応も同様です。既にInstagramやFacebookからはものが買えるようになっていますが、世界ではTikTokも購買機能を実装していますし、Xもイーロン・マスク氏が決済機能の実装や購買につながる導線強化について言及しています。こうした人の集まる場への露出と購買導線がなければ、自ら売上創出の機会を逃しているようなものです。

藤原 今の話を聞いて、マーケターは単に施策を検討して実施するのではなく「集客する仕組み」を作れる人にならなければいけないなと改めて感じました。

 従来は「4P」や「4C」のフレームワークに当てはめて、何をどうするか検討すれば良かったかもしれませんが、SNSの台頭により「自社に合った仕組み作り」はより重要になっています。自分で手を動かすのも大事ですが、単なるSNS運用に留まってしまうとジゲンさんがおっしゃっている「UGCが増えるスパイラル」は生まれません。どこでどういったコミュニケーションを図っていけばUGCが増えるのか、それを維持して輪を広げていくにはどうしたら良いかを考えていく。そう思うと、マーケターが考えなければならない領域は非常に広いものになっていますよね。

ジゲン 「今のマーケターは、広告もSEOもSNSも使いこなせないといけないから“マーケティング総合職”のような職種が必要なのでは」といった意見もあるほどですからね。

 ただ、僕は増え続けるチャネルを全部「マーケター」という職種の人間が見るのは、もはや不可能だと思っています。プラットフォーム個々のアルゴリズムにどう対応するかといった手法の部分は、近い将来全部AIがやってくれるようになるはずです。

 人間はこうした個別最適よりも、UGCの重要性を理解して「どういったプライベートグラフ(交友関係)を有する人にどんなアプローチをしていくか」「エンゲージしてくれるユーザーやフォロワーの多い人をどう引き込むか」といった、アルゴリズムを超越する文脈のアプローチに目を向けるべきフェーズにこれから入っていくと見ています。

藤原 「施策をやってこれだけ売上が伸びました」以上に、「UGCがどれだけ出ました」を重要視したほうが良い時代だなと思いますね。

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300Bridge代表 藤原義昭氏と探る 小売×デジタルの次なる転換点連載記事一覧
この記事の著者

松岡 亜希(マツオカ アキ)

フリーランスのライター&エディター。出版社勤務を経て独立。雑誌、書籍、Webサイト、企業広報などさまざまな分野で活動中。● http://pubapart.com/

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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