衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座

Googleアナリティクスの導入から、運用、活用まで、正式なサポートがない初めての人でもゼロから学んでいけるように、丁寧に解説していく。

Googleアナリティクスとは/衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座

SEOには欠かせない「キーワード」解析のしくみ[第26回]

SEOに欠かすことのできないキーワード関連のレポートについて解説。

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SEOを行う上で、ユーザーがどのような検索キーワードで訪問してくるのかの分析は欠かせない。今回は、検索エンジンからの流入分析には欠かせない「キーワード」と「検索クエリ」について解説する。

検索キーワードを確認できるGoogleアナリティクスのレポート

検索エンジン経由でサイトを訪問してきたユーザーが、どういうキーワード(検索語)を検索してサイトにやって来たのか? それを知ることのできるレポートが、[トラフィック]>[参照元]>[検索]>[サマリー]レポートだ。プライマリディメンションの「キーワード」(図1赤枠部分)を選択すると、キーワードの一覧を確認することができる。

操作手順
  1. ページ上部のオレンジ色のメインメニューで[標準レポート]をクリックする
  2. 画面の左側にあるメニューで、[トラフィック]をクリックする
  3. メニューが開くので、[参照元]をクリックし、表示されるメニューから[検索][サマリー]を順にクリックする
  4. プライマリディメンションで「キーワード」をクリックする
図1:[トラフィック]>[参照元]>[検索]>[サマリー]レポート
図1:[トラフィック]>[参照元]>[検索]>[サマリー]レポートの「キーワード」一覧

なぜ検索キーワードが取得できるのか?

ユーザーが検索エンジンで検索したキーワードを、なぜGoogleアナリティクスで見ることができるのだろうか。それは、ユーザーがリンクをクリックするなどしてアクセスした際にリンク先ページへのアクセスに含まれる参照元URL情報の中に、検索キーワードの情報が含まれているからだ

たとえば、下記はGoogleで「アクセス解析」というキーワードを検索した際の検索結果表示ページのURLだ。この「q=」以降の部分に検索したキーワードが値として格納されている。

検索キーワードを含む参照元URLの例
http://www.google.co.jp/search?aq=f&sourceid=chrome&ie=UTF-8&q=%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%82%B9%E8%A7%A3%E6%9E%90

文字UTF-8の文字コード参照元URL内での記載
E382A2%E3%82%A2
E382AF%E3%82%AF
E382BB%E3%82%BB
E382B9%E3%82%B9
E8A7A3%E8%A7%A3
E69E90%E6%9E%90

「%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%82%B9%E8%A7%A3%E6%9E%90」の部分が、UTF-8という文字コードで「アクセス解析」という文字を表していて、2桁ずつに「%」で区切られている。もし検索キーワードが半角英数字の場合は、「q=」の値にはキーワードがそのまま表示される。

こういったパターンのURLの参照元が検出されれば、Google アナリティクスに検索エンジンとして登録されているドメイン名とクエリパラメータから判断し、「Google検索で『アクセス解析』という検索キーワードで検索した検索結果画面からの流入」であることがわかるというわけだ。

多くのアクセス解析ツールでは、主な検索エンジンからの流入に対しては、このような仕組みを使って検索キーワードを割り出してレポートしてくれるのだ。

「(not provided)」とはどういう意味なのか?

図1青枠部分のとおり、キーワード一覧の中に「(not provided)」という表記が見られる。そのようなキーワードで検索されたというわけではない。どういう意味かというと、「検索エンジン経由の訪問ではあるが、検索キーワードは不明」ということだ。

図1(再掲):[トラフィック]>[参照元]>[検索]>[サマリー]レポート
図1(再掲):[トラフィック]>[参照元]>[検索]>[サマリー]レポート

なぜ検索キーワードが不明なのか? 「もしかしたら自分の設定ミスが原因なのでは?」と不安に思っている人もいるかもしれないが、ご安心を。それは2011年10月頃からGoogleの検索結果ページがセキュア化したことが理由だ。セキュア化とは、WebサーバとWebブラウザの通信を暗号化することによって、その通信内容が第三者にわからないようにするということだ。

セキュア化された検索結果ページからのサイト訪問時には、検索エンジン経由の訪問であることはわかるのだが、どのキーワードでの検索結果画面からの流入だったかの情報を参照元情報に残さないように仕様変更されたのだ。

といっても、すべての検索結果ページがセキュア化されたわけではない。セキュア化されたのは、Googleアカウントにログインしたユーザーの検索結果ページである。

そのためGoogleのサービスにログインしたユーザーの検索キーワードは取得できなくなり、「(not provided)」という表示となる。ただ検索連動型広告によるサイト訪問と、ログインしていないユーザーのオーガニック検索ではこの対象外となる(くわしくは、アナリティクス日本版公式ブログ「検索をより安心してご利用いただくために : Google アナリティクスでの検索キーワードについて」を参照のこと)。

ログインしたユーザーが訪れる比率の高いサイトはこの影響が大きいだろう。図1のように非常に影響を受けるサイトもあれば、あまり影響を受けないサイトもあると見られる。

また、これはGoogle アナリティクスに特有の現象ということではなく、どのアクセス解析ツールでも生じる現象だ。Google アナリティクスでは「(not provided)」と表示するが、他のツールではそれぞれの表示方法が異なるようだ。

筆者の『ユニバーサルアナリティクス版Googleアナリティクス完全マニュアル(PDF)』が発行されました。

筆者が講義を行うGoogle アナリティクス徹底講座も、定期的に開催しています。 → Google アナリティクス ゼミナール

用語集
AdWords / Googleアナリティクス / SEO / Webブラウザ / アクセス解析 / オーガニック検索 / キャンペーン / ドメイン名 / リスティング広告 / リンク / 検索エンジン / 検索連動型広告 / 自然検索 / 訪問

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