仏教のいちばん大事なところは、人のこころにかかわることなのではな
いかと私は思う。こころが変わる。こころを変える。こころが変わるこ
とで、からだも変わる。こころとからだが変われば、生きかたや暮らし
かたも変わる。(五木寛之さん)
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ソ連の外務大臣として有名だったアンドレイ・グロムイコは1943~46年、駐米大使としてワシントンにいたことがある。彼が着任したばかりのこと。ある集まりでイギリス大使が、“イングリッシュ・イズ・インターナショナル・ランゲージ”と発言をはじめたとき、グロムイコはすかさず大きな声で“ノー”といったので、各国大使は固唾を飲んでつぎの発言を待った。
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ヒロは私たちをガーデンに招(しょう)じ入れ、もう少しだけ話していかないかと言う。特に急ぐ理由もないので、ガーデンのベンチで冷たいティーをふるまってもらった。その時だった。私と家内は顔を見合わせた。家の中から、なんとも懐かしい匂いが漂ってきた。いや、日本人なら十分に知っている匂いなのだが、異国の陽光の中だったので懐かしいと感じたのだろう。
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犯罪が少ない国に住みたいのも、世界人類共通の願いである。刑務所の厄介になっている人の数を数えると、アメリカは589万人で、日本はたった11万人である。589万人は、大阪市と名古屋市と北九州市を足した人口にほぼ匹敵するが、それだけの犯罪人の世話に一人当たり年間250万円ずつを要する国の政府は恥ずかしいと思うべきである。
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ソクラテスは、他人の間違いを指摘したことがなかった。それは質問を
する時、相手が賛成せざるをえない質問に限ったのである。彼は次々と
質問の矢を放ち賛成の答えを引き出す。そして、いつの間にかソクラテ
スが最初に考えていた結論と、まったく同じ結論に相手も到達している。
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どうしてこうなるのか。ノーベル賞作家の栄誉を守ろうとする気持ちが働いたのだろうか。沖縄の感情に対する配慮があったのかもしれない。しかし、裁判がこれでは困るのだ。裁判が武器にするのは法律と証拠だけ。その他の感情や配慮は一切排除しなければならない。そうでなければ、社会の正義は貫けるものではない。これは下級審、上級審を問わず、裁判の原則である。
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●1995年の阪神・淡路大震災の時のことです。地震発生時、Kさん
はまだ布団のなかにいました。突然の激震。あっと思う間もなく家は大
きく崩れ、同じ部屋に寝ていた奥さんとの間にドーンと何かが崩れ落ち
てきて夫婦は身動きが取れなくなりました。
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当センターは、前進である昭和史研究所およびNHK報道を考える会の事業精神を継承し、我国の近現代史に関する報道の公正性を調査研究し、その成果を内外に知らしめると共に、今後の情報技術革新に伴うメディア報道のあるべき姿について、幅広く多様な検討と政策提言とを行い、以て正しく国民の知る権利を守ることを目的とする。
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どのくらい時間がたったのでしょう。諦(あきら)めかけたKさんの耳に入ってきたものがありました。余震の地鳴りの音にかき消されてはっきりは聞き取れないものの、それは明らかに奥さんの声でした。かすかな声で何かを歌っているようです。耳を澄まして聞いているうちに、それが「故郷(ふるさと)」であることが分かってきました。
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そうは言っても、あなたの国では大躍進や文化大革命で1千万人単位で人が死んでいる。なぜ、それらについて君たちは何も言わないのか。南京で死んだという30万人の真偽を言うつもりもないし、その被害は極めて大きいと思うが、1千万人に比べたら微々たるものではないか。
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清瀬一郎弁護人は、はじめから裁判の管轄(かんかつ)権を問題にした。
この指摘にウェッブ裁判長は何も答えられなかった。アメリカのスミス
弁護人も同様に管轄権を問題にしたが、その時もウェッブ裁判長は答え
られなかったのである。
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情報が持つ力の恐さを日本人は十分に認識してこなかった歴史があります。日露戦争にしても、アメリカ側の仲介があって半ば勝利を収めたものの、ポーツマス交渉の段階で、ロシア側の巧みな情報操作によって、いつの間にか日本側は賠償金を欲しがる強欲な国家と見做されるようになってしまいました。
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