夢のなかで、私がハンガリーのコインをたくさん拾い、そのコインを見ると仙人の姿が描いてありました。ハンガリーについての連想のなかで、それは私にとって東洋と西洋の橋のような意味を持っていることが明らかになってきました。 . . . 本文を読む
仏教における人間は、華厳の考えに従いますと、あくまで関係のなかに存在しており、それのみを取りだすときは「自性」はないのです。「自性」がないのになぜそれが個別性(eachness)を持ち得るかは、「性起」や「縁起」の考えによって説明しました。この考えに従って、ある人が自分の個別性を大切にしようとするならば、その人は「自立」などということを考える前に、他との関係の方に気を配ることになるでしょう。 . . . 本文を読む
【한국어로 배우는 명언의 지혜】 自分の魂を他人の習慣にゆだねて何か立派なことがやれないものかと期待するのは、体を囚人の着る拘束服に包んで、その中ですんなり気持ちよく、てきぱきと体を動かせないものかと期待するようなものである。 . . . 本文を読む
「深沈厚重」の魅力で思い出す人物がもう一人いる。西郷隆盛である。西南の役に敗れた西郷は軍を解散することにきめ、まず他郷出身者から帰すことになった。その中に豊前中津(ぶぜんなかつ)の若い士族64人で結成されている中津隊がいた。もちろん、隊員たちは、それぞれ帰郷することになったが、隊長の増田宋太郎だけは「残る」といったのである。 . . . 本文を読む
いま、ビールを4℃で飲むような野蛮な国は日本とアメリカくらい。日本も昭和30年以前までは、冷や酒を飲むのはやくざと渡世人だけでした。日本中が冷たいもの中毒になって、上から下まで倫理観が与太者と同じになってしまいました。 . . . 本文を読む
精神的人間は直感の中に、見えないメッセージを読みとろうと努める。五感の世界の制約から自由な精神的人間にとっては、目に見えない思考は注目に値するものなのである。しかも、直感となれば思考以上だ。どんな行動をとるべきかを暗示していることもあるし、危険な可能性を回避する合図の場合もある。 . . . 本文を読む
近年の文科省による教科書行政は、「一発不合格」制度に象徴されるように、行政側に都合のいい変更が相次ぎ、官民の力関係のバランスを著しく欠くに至っている。今回の教科書検定制度への罰則規定の導入は、その仕上げの意味を持つことになるだろう。それは、行政改革の流れに逆行する規制の強化でもある。こうした規制の強化によって、左翼偏向の教科書検定のあり方が温存されるばかりか、さらに、批判を許さない盤石のものとなる道が開かれる。
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マルクスとエンゲルスは学者であるにとどまって、みずから政権の奪取をはかった革命家ではなく、また現実に政権を握った政治家ではありません。だから、レーニンやスターリンや毛沢東が、マルクスとエンゲルスが書き記した学説から一歩も踏みださないように、みずから固く戒めたという保証はまったくありません。事実、マルクスもエンゲルスも、共産主義の政府をどう運営したらよいかという心得や方法については、なにひとつ書き残してくれてはいません。 . . . 本文を読む
戦争というものは勝ったほうも負けたほうもそれぞれ根深い言い分があり、ある意味では、戦後も、心の中では戦争は続いているのです。ただそれを抑えて我慢しているだけのことですから、戦争に関してだけは謝罪してはいけない。それをすると寝た子を起こす。心の中に波風が起こってくる。そういうことが、どうして日本では分からないのでしょうか。日本人にだけ、日本の一定方向の政治家やマスコミにだけ、これが分からないのです。 . . . 本文を読む
明治維新以後、楠木正成は一般の日本人には最も尊敬されていたけれども、一方、批判的な人がいなかったわけではない。いなかったどころか史学界の主流は、『太平記』の史的価値を低く見る傾向があったところから、それととともに正成の行為に対する評価も、はなはだ低いものであった。 . . . 本文を読む
藤原氏は、もとより天児屋命(アメノコヤネノミコト)を先祖とする中臣(なかとみ)家の子孫で、その系図が神代にさかのぼる名家である。それに大化改新(たいかのかいしん)の第一の功臣は、その二十二代目の鎌足(かまたり)であった。しかし、藤原氏が宮中で本当に勢力を得たのは、その息子の藤原不比等(ふひと)からである。 . . . 本文を読む