処理水を放出して空にした後に解体する予定のタンク=福島県の東京電力福島第1原発で2024年8月9日午前10時22分(代表撮影) 東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出で生じた損害の賠償を巡り、東電との交渉が難航し、賠償金が受けられない水産加工業者が全国で続出している。7月までに支払いが決まったのは約180件にとどまり、請求件数の3割程度。東電は損害と放出の因果関係を証明するよう業者側に求めており、中小事業者にはハードルが高いことが一因になっているという。 賠償決定は3割 東電は2023年8月24日に処理水の放出を始め、今月24日で1年。海洋放出に反発する中国は、日本からの水産物の輸入停止を続けている。 東電は、風評被害を受けた漁業者や水産加工業者などへの賠償手続きを昨年10月に開始。損害が生じた期間などを事業者が記して請求すると、東電が統計データなどから被害の有無を判断し、金額に合意すれば
