主産国の不作やウクライナ危機などをきっかけに小麦やトウモロコシなど穀物の国際相場が高騰した。その多くを輸入に頼る日本は、小麦粉や飼料の値段が上がって大きな影響を受けた。ずっとコメが中心だった日本の穀物生産を今後どうすべきなのか。筑波学院大学教授の荒幡克己(あらはた・かつみ)さんにインタビューした。 コメには潜在的な需給ギャップがある 荒幡さんは1978年に農林省(現農林水産省)に入省し、稲作やコメ流通、農地などを担当した後、96年に岐阜大学の助教授に就任。同教授を経て、2022年度に筑波学院大学の教授に就いた。米国のトウモロコシ地帯「コーンベルト」にある米イリノイ大学の在外研究員も経験している。 一貫して稲作の実情やコメ政策を研究しており、「米生産調整の経済分析」(農林統計出版)、「減反40年と日本の水田農業」(同)、「減反廃止」(日本経済新聞出版本部)などの著書がある。内容は全国各地の調
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