新鮮な魚や、とれたての野菜。 それらを将来、「月面」で食べられないか、研究者たちが真剣に議論している。 鍵を握るのが、「月面養殖」を可能にするという注目の技術だ。しかも、最適な魚の候補まで見つかっているという。 私たちはいつか、宇宙で新鮮なお刺身を食べられるようになるのか? 魚食文化の国、日本の記者として、気になる疑問を取材した。 (科学・文化部記者 加川直央) 宇宙でどうやって魚を養殖するのか。 ヒントになる展示物が、2025年4月に開幕する大阪・関西万博の会場にあるというので、まずは取材に向かった。 到着したのは「大阪ヘルスケアパビリオン」。その一角にある、直径7メートルのガラス張りの球体がひときわ目を引く。 「アクアポニックス」と呼ばれる生産システムの展示だ。 取材時は準備中のため中身は空だったが、開幕後は球体内の上部にリーフレタスやトマトなどの野菜のプランターが置かれ、土台部分に設
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