イベント / EVENT
イベントのお知らせ
先端モバイル駆動研究センター 令和6年度成果発表会
ローカル5Gテストベッドを活用した実証実験結果、研究成果報告
開催趣旨
超高速・超低遅延・多数同時接続といった特長がある第5世代移動通信システム(モバイル5G)は、我が国の経済成長に不可欠な基幹インフラとして、様々な分野での活用が期待されており、公衆モバイルネットワークに加え、ローカル5Gと呼ばれるプライベートモバイルネットワークが制度化されています。ローカル5Gは、大学や企業、自治体等の様々な運用主体が自らの建物や敷地内でモバイル5Gの電波を占有できる環境を構築できるため、様々な分野における斬新な活用やデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進などが期待されています。
先端モバイル駆動研究センターでは、SINET6の高速性を最大限に活用しつつ、今後展開が期待されるローカル5Gによる電波の占有、アンテナの動的指向制御、上り方向通信帯域割合変更などを可能とする高性能で高機能なモバイル環境を活かした革新的サービス創成を目的として、産学連携体制で研究を実施しています。具体的には、当センターが実験用として保有する学術専用のローカル5Gシステムを活かして、様々なユースケース蓄積や高度なアプリの開発・活用を通じ、新たな価値を生み出す革新的な共用プラットフォームの創出を目指しています。
この度、当センターが全国規模で整備したローカル5Gテストベッドを活用する研究テーマ提案が採択された参加大学等による、実証実験結果、研究成果等を報告する令和6年度成果発表会を開催いたします。研究成果のみならず、ローカル5G活用に興味ある大学等研究機関、産業界企業の方々に対して、取り組む考え方やきっかけ、導入/運用に関する課題、留意点等々の情報も広く提供できる発表を行います。奮ってご参加のほど、よろしくお願いいたします。
開催日時
令和7年3月21日(金)14:00-16:00
プログラム
14:00-14:05 | 開会挨拶 黒橋 禎夫 センター長(NII所長) 来賓挨拶 鈴木 茂樹 副センター長(株式会社横須賀リサーチパーク代表取締役社長) |
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14:05-14:30 | 全体講演: 「ローカル5Gの普及と最先端モバイル技術の推進」 中尾 彰宏 副センター長、東京大学大学院工学系研究科 教授 詳細を見る 略歴:
1991年東京大学理学部 1994年同大学院修士課程修了。IBMテキサスオースチン研究所、東京基礎研究所などを経て、プリンストン大学大学院コンピュータサイエンス学科にて修士・博士学位取得。2005年、東京大学大学院情報学環 助教授に就任。2014年2月 同教授に就任。2016年学際情報学専攻長兼任。2019年より情報学環副学環長、東京大学総長補佐兼任。2020年より東京大学総長特任補佐兼任。 2021年4月より東京大学工学系研究科に異動(現職)、東京大学次世代サイバーインフラ連携研究機構 機構長を兼任。2023年4月より、システム創成学科長に就任。2024年度電子情報通信学会通信ソサイエティ会長に選出される(2024年6月就任)。専門は情報通信。5G/Beyond5G/IoTに関する複数の産学連携プロジェクトのリーダーを務める。 講演概要:ローカル5Gは、日本の産業や地域社会のデジタル変革を加速する重要な制度であり、そのインフラ技術の発展やユースケースの普及は着実に進んでいる。特に、機器の低廉化、制度の更改、ユースケースの拡大が相互に作用しながら、導入環境が整いつつある。本講演では、これらの観点からローカル5Gの現状と今後の展開について論じる。 また、一方で、ローカル5Gを含む最先端モバイル技術の進展にも注目し、エッジコンピューティング、NTN(非地上ネットワーク)・地上連接、AIを活用したネットワーク最適化、Beyond 5G/6Gの技術動向について議論する。学術界と産業界の両面から今後の技術革新の可能性と、我々が追求する価値創造を考察する。 さらに、今後の先端モバイル駆動研究センターが果たす役割について議論する。 |
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14:30-14:50 | 実証実験1: 「ローカル5Gを利用した遠隔ロボットアーム操作とその応用」 河口 信夫 名古屋大学工学部/工学研究科 教授 詳細を見る 略歴: 河口教授は、1990年に名古屋大学工学部電気学科を卒業し、1995年に同大学院博士課程を満了。その後、名古屋大学で助手、講師、准教授を経て、2009年より教授に就任しました。 研究分野は、ユビキタスシステム、位置情報システム、スマートシティ、時空間情報システムなど多岐にわたり、特に、実世界の時空間情報処理を活用した次世代サービスの開発に取り組んでいます。また、自動運転ベンチャーTIER IV の創業メンバーでもあり、自身も複数の大学発ベンチャーに関わり、位置情報サービス研究機構のNPO Lisra を設立しています。 講演概要: 産業の自動化におけるロボットアームの役割は大きいが、近年の多品種少量生産においては、個別の完全自動化の設定を行うための費用対効果に課題がある。一方、AIの進展により、人の指示を認識し、稼働するロボットアームの実現が近づいている。本研究では、ローカル5Gを通じて遠隔でロボットアーム制御を行い、その有効性を確認すると同時に、遠隔作業の実現と、AIのための学習データ収集を実施している。 |
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14:50-15:10 | 実証実験2: 「ローカル5Gを用いた高精細映像配信技術の検証」 丸山 充 神奈川工科大学情報学部 教授 詳細を見る 略歴: 1985年3月電気通信大学大学院 修士課程 応用電子工学専攻 修了。同年4月 日本電信電話株式会社(NTT)入社。主として、高精細画像情報提供システムの研究開発、ビデオ・オン・デマンドシステム、超高速プロトコル処理、IPベースの実時間HDTV映像伝送・蓄積システムの研究開発に従事。2012年4月 神奈川工科大学 情報学部 情報ネットワーク・コミュニケーション学科・教授に着任。現在、超高速ストリーム処理システムアーキテクチャおよび高精度ネットワーク解析の研究に従事。博士(工学)。 講演概要: 本学では、ローカル5Gの準同期を使って、様々な応用実験を行っている。2025年2月に行われた名護さくら祭り実験では、これまで帯域不足でできなかった8K映像カメラで撮影した素材映像をローカル5Gの準同期を使いアップロードする実験に成功した。また、この素材を神奈川工科大で進めているSINET6上のエッジ装置を用いた8K映像処理機能と連携させて,ライブ編集後の映像を大阪のパブリックビューイングの場で見ていただいた。本発表では、本学で進めているキャンパス内の自律型モビリティへの適用や映像を使用した遠隔故障診断業務などの実アプリケーションの取り組みについても併せて紹介する。 |
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15:10-15:30 | 実証実験3: 「広島大学におけるローカル5Gテストベッドと可搬型システムによるエリア拡大 -キャンパスネットワークとのシームレスな接続による教育研究への利活用-」 下地 寛武 広島大学情報メディア教育研究センター 特任助教 近堂 徹 広島大学情報メディア教育研究センター長・教授 詳細を見る 略歴: ・下地 寛武:2016年広島大学理学部物理科学科卒業。2022年同大学大学院理学研究科博士課程修了。現在、広島大学情報メディア教育研究センター特任助教。博士(理学)。経営改革促進事業(ローカル5G)主担当として、ローカル5Gに関する研究と利用促進に取り組んでいる。 ・近堂 徹:2001年広島大学工学部第二類(電気系)卒業。2006年同大学大学院工学研究科博士課程修了。現在、広島大学情報メディア教育研究センター教授。博士(工学)。コンピュータネットワーク、リアルタイムマルチメディア通信、クラウドコンピューティング技術に関する研究に従事。 講演概要: 広島大学では、2023年8月よりキャンパス内にローカル5G実験環境を整備し、多様なユースケースに対応できる最先端技術の実証環境としての活用を進めている。一方で広大なキャンパス内での利用に応えるためには、更なるエリア拡大が不可欠となっている。本発表では、これまでの取り組みに加え、本事業で導入した可搬型システムとキャンパスネットワークをシームレスに接続する環境を提供することで、実証実験フィールドとしてのより幅広い利活用促進に向けた取り組みと課題について紹介する。 |
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15:30-15:50 | 実証実験4: 「ローカル5Gテストベッドのシステム運用中におけるPDP特性の測定」 末松 憲治 電気通信研究所 教授 詳細を見る 略歴: 早稲田大学、学士、修士、博士。1987年から三菱電機にて、衛星通信、業務無線、携帯電話、ITSなどの高周波デバイス、送受信機、サブシステムの研究・開発に従事。2010年4月~東北大学教授。現在、地上系に対してはFR2、FR3の周波数帯用のフルディジタル方式m-MIMOや分散アンテナ、非地上系に対しては、Q/V帯衛星搭載用DBFアンテナミリ波帯送受信機を行っている。ダイレクトディジタルRF受信機に関しては、研究開発した900MHz~6GHz帯をカバーする無線IoT用マルチバンドリアルタイムスペクトラムモニター装置を製品化し、東北地区の工場等で実用に供している。 講演概要: ローカル5GシステムにおけるMIMIOの適用は、通信品質、容量の向上のために有効である。また、Power Delay Profile、PDP特性は、測定を行った環境でのMulti Input Multi Output, MIMO設計に必要である。特に上記システムではローカル環境での無線通信パラメータの最適化が求められて居り、各個別システムでの運用中のPDP測定は有用と考える。我々は、その目的のため、運用中システムでのPDP測定方法と、限られた帯域での時間分解能向上法に関して提案を行った。 また、ローカル5Gテストベッドを用い、上記方法にて運用中のPDP測定を行い、本手法の有効性を確認した。さらに、ドイツの企業体事業所(2箇所)にて、本手法によるPDP測定を行い、その有効性を確認した。 |
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15:50-16:00 | 全体質疑応答 | |
16:00 | 閉会 |
会場
本イベントはWebinar形式で開催いたします。
参加申込
参加費 無料
※申込登録の後、Web会議システム、質問用 Slidoへの接続先情報等を自動返信メールでお送りしております。万が一、camdr-rrp[at]nii.ac.jp からのメールが届かない場合は、下記先端モバイル駆動研究センター事務局までご連絡を頂けますようお願いいたします。
お問い合わせ先
国立情報学研究所 先端モバイル駆動研究センター 事務局
camdr-rrp[at]nii.ac.jp
※ [at]を@に置き換えてご送信ください。
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