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記事:筑摩書房 岸本佐知子さんのXでのご紹介で話題に! 書籍情報はこちら ダークな性格は外在化問題に結びつきやすい 心理学で行動面・心理面の問題を論じるとき、大きく二種類に分けることがあります。一つは内在化問題、もう一は外在化問題と呼ばれます。これは、幼児期から青年期くらいの若い世代に見られるさまざまな問題を整理して論じる際に用いられる枠組みです。 内在化問題というのは、落ちこんだり不安に思ったり、恐れを抱いたりするなど、自分自身の内部の問題を抱える状態のことを指します。一方で外在化問題というのは、自分自身の欲求や衝動をあまり抑制することができず、注意散漫になったり、攻撃的で反抗的な行動をとったりするなど、反社会的な行動につながりやすい状態のことを指します。 採用時や入試の面接で「嫌な予感がする」というときの内容は、内在化問題というよりも外在化問題に関係する不安だと言えます。外在化問題は、
人間関係の作り方をどう学べばよいか 人と関わる体験の場を設定し、その過程をともにふりかえりながら、人間関係を形作っていくことについて学ぶ方法を示す。 人との関わり、すなわち人間関係をどのように形作るかは、多くの人にとって身近で重要ですが、一人で学びを深めていくのは容易ではありません。 本書は、関わりの体験をもとに、その過程をともにふりかえりながら、人間関係を学んでいく「ラボラトリー方式の体験学習」の理論と実践について書かれています。この学び方には、人と人とが互いを理解し、高め合うための実践の智が凝縮されています。本書に触れることで、ご自身や周りの人々の今を見つめなおし、人間性豊かな関係と社会が育まれていく一助となることを願っています。 ●著者紹介 ◆編者 土屋 耕治(つちや こうじ) 南山大学人文学部心理人間学科准教授 修士(心理学) 専攻分野は、社会心理学、組織開発、体験学習 著書に、『
では、16Personaritiesにはどの程度の信憑性があるのだろうか。 「信憑性があるかないか、それすら不明というのが答えです。無料で受けられる診断は、広告収入や情報商材の販売によって回収できる範囲でのコストで制作されています。また16Personaritiesのサイトには、診断の信頼性や妥当性を担保する情報が少なく、どのような根拠や理論で作られているのかの詳細な中身はわかりません。 一方で、例えば遺伝子検査や出生前診断は有料ですよね。人生が左右されるような診断は、専門家の監修でコストをかけて行われます。心理学に基づく検査も同様で、本来は臨床心理士や公認心理士のもとで受けます。本人にとって非常につらい結果が出た場合や、社会的な支援を受ける必要が出てきた場合、専門家のもとで対応しなければならないからです」 実際、公式の日本MBTI協会では、有料セッションを提供している。MBTIのメソッド
私たちは日々、様々な場面で自分の力を試され、評価されています。そんな中で、失敗を恐れるあまり、わざと自分に不利な状況を作り出す「セルフ・ハンディキャッピング」という行動を取る人がいます。一見変わった行動に思えますが、これは実は自己肯定感を守るための方法の一つなのです。この方法は、長い目で見るとどんな影響を与えるのでしょうか。 この記事では、セルフ・ハンディキャッピングが人にもたらす影響について、研究知見をもとに見ていきます。一時的には自分を守るのに役立つように見えるこの行動が、実はいろいろな問題を引き起こし、人の成長や幸せを妨げる可能性があることがわかっています。 セルフ・ハンディキャッピングの仕組みとその影響を理解することで、もっと健康的に自分を評価し、成長する方法を考えるヒントが得られるでしょう。 セルフ・ハンディキャッピングは結局のところ逆効果 セルフ・ハンディキャッピングとは、失敗
現代では個人の価値観の多様化が進み、それに伴いマネジメント論、キャリア論、組織論、経営論も変化の最中にあります。例えば、かつては終身雇用があたり前で定年退職まで同じ会社で働き続け、家族を養うために個人が会社に適応し、貢献することが一般的でした。しかし、人生100年時代を迎え、多様な生き方や働き方が普及した現在では、どのように生きたいのか・何のために働くのか等、根本的な問いが重要視され、個人が自己実現を探究する必要性が高まっています。 自己実現とアイデンティティ自己実現とは、「自らの内なる動機」と「他者や社会に発揮している価値」が結びついている状態を指します。つまり、内発的モチベーション、自分のやりたいことや得意なことが生かされていて、なおかつ、同僚・仲間・社会やチームなど、他者の貢献にもつながっているということです。この状態の実現は簡単ではなく、自分のやりたいことや興味があることと他者にと
企業の人材獲得競争が激しくなる中、「予期的社会化」という考え方は注目に値します。予期的社会化とは、個人が組織に加入する前から、その組織や職業に関する情報を収集し、期待や理解を形成していくプロセスを指します。 本コラムでは、予期的社会化に関する研究知見を紹介しながら、その重要性と影響について考察します。特に、インターンシップや採用プロセス、面接官の役割など、予期的社会化を促進する様々な要因に焦点を当てます。また、予期的社会化が個人のキャリア選択や組織への適応にどのような影響を与えるのかについても探っていきます。 企業にとっても、求職者にとっても、予期的社会化の理解は重要です。適切な予期的社会化は、ミスマッチを減らし、新入社員の早期戦力化を促進します。一方で、不十分な予期的社会化は、期待と現実のギャップを生み、早期離職や職場不適応の原因となる可能性があります。 本コラムを通じて、予期的社会化の
人生の踊り場でしっかりと立ち止まってみること(東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース教授:高橋美保) #働く人のメンタルヘルス 今回は失業者や働く人への心理的援助、ライフキャリア支援などを中心に研究、臨床、教育を行っている高橋美保先生に、働いている人が今を少しだけ立ち止まりたくなったときをどうとらえるかについて、お書きいただきました。 働くストレス あなたは働いていますか? あるいは働いた経験がありますか?もしかしたら、働くことが好き! 楽しい! と心から思っている人もいるかもしれませんが、そんな人でもストレスが全くないということはないのではないでしょうか。もちろん、中には、ストレスが程よい刺激となって、ある種の充実感や達成感を味わう人もいるかもしれませんが、多くの場合、何らかのネガティブな意味のストレスを感じていると思われます。 例えば、希望する仕事をさせてもらえなかったり、当初思い
自分には何もないと思っている人の心の豊かな資源と、それに気づく方法について、平野真理先生にお書きいただきました。 日本に暮らす多くの人にとって、新しい年度がはじまる春は、“気持ちを切り替えて、前に進む”季節として認識されているのではないでしょうか。つらいことや、後悔、悲しい別れを嘆いて落ち込んでも、4月を迎えたら、もう後ろを振り返らずに前を向き、新しい日々へと進んでいくというのが、この社会では暗黙のルールとして存在するような気がします。 一方で、そのようにすっきりと気持ちを切り替えることができずに、落ち込む気持ちを引きずってしまったり、昔のことを考え続けてしまったりする人もいるでしょう。周囲からは、「もう過ぎたことなんだから、忘れよう!」「これからのことを考えなきゃ!」という声が聞こえてきます。そのように叱咤激励されても、なぜ私は皆のように前向きになれないのだろうか、と落ち込みに拍車がかか
高橋美保氏は、失業者や働く人への心理的援助、ライフキャリア支援を行う臨床心理士であり、失業者を対象とする研究、非正規就労やワークライフバランスに関する研究などを行う研究者でもある。思うように働くことができなくなった個人の心理的側面について伺った。 目次 思うように生きられない人が生き抜くために必要な力 現実受容にはネガティブ感情の存在を認めることが欠かせない 多面的生活と長期的展望で視点をずらすのが効果的 ライフキャリア・レジリエンスは誰にも備わっている力 たまに立ち止まって考える「人生の踊り場」が必要では 思うように生きられない人が生き抜くために必要な力 私は現役の臨床心理士としても研究者としても教育者としても、「思うように生きられないこと」に着目しています。多くの人が、思うように生きられない生きづらさを経験すると思います。そんな生きづらさがありながらも、個々人が主体性をもって自分らしい
ビジネスリサーチラボは、2024年10月にセミナー「ダメ出しは記憶に残らない:有効なネガティブ・フィードバックの作法」を開催しました。 上司や同僚からの指摘を、なぜか詳しく思い出せない。そんな経験はありませんか。 実は、私たちには「都合の悪い情報を記憶から追い出してしまう」クセがあります。これは自分を守るための自然な反応です。しかし、時として成長の機会を逃してしまうことにもなりかねません。 では、どうすれば相手の心に響く、建設的な指摘ができるのでしょうか。本セミナーでは、研究知見をもとに、記憶に残るフィードバックの秘訣をお伝えします。管理職の方、人事担当者の方におすすめの内容です。 ※本レポートはセミナーの内容を基に編集・再構成したものです。 人は悪いことを思い出しにくい? 職場において、フィードバックは重要な存在です。特に、改善点や課題を指摘するネガティブ・フィードバックをどうすれば良い
「ある目標を達成できるか」「遂行できるか」について、その人が抱く自信を「自己効力感」と呼びます。自己効力感を強く持てる人材は、ビジネスシーンで積極的に動けます。また、周囲にも良い影響を与えるので、経営者や人事担当者は社員教育に生かしたいところです。この記事では、自己効力感の定義や測り方、自己効力感を上げるために重要な4つの要因を説明します。自己効力感について学び、自信を持って仕事に取り組みましょう。 自己効力感とは 自己効力感とは、大まかには「自分が目標を叶えるために正確な行動を選び取り実現できるだけの能力を持っていることの認知」を指します。簡単に言えば、「自分ならできる」「自分ならきっとうまくいく」と思える認知状態です。イメージとしては、「自信」に近いものですが、自信は明確な根拠がなくても強く持てているケースが珍しくありません。自己効力感は明確な根拠に裏打ちされ、自分を肯定する力だといえ
特定の行動や与えられた役割を自分自身が実行できると考えている度合いは、「自己効力感」と呼ばれる概念です。実務の領域でも広く認知されている概念の1つですが、学術研究における注目度も高く、古くから研究が行われてきただけでなく、近年になっても新しい論文が次々と発表されています。 こうした注目度の高さは、個人の心理的な特徴でありながら、様々な行動や組織的な成果、あるいはその弊害もあることなど、影響が多岐にわたるからだといえるでしょう。 本コラムでは、自己効力感に関する学術研究を紹介することで、その理解を深めると共に、自他の自己効力感を高めるための支援策や、自己効力感の高い従業員を活かすマネジメント方法について解説します。 1章:学術研究における「自己効力感」 研究上の定義と注目するポイント 初めに、自己効力感の研究上の定義を確認します。日常生活や実務上の認識としては、自己効力感は、いわゆる「自信」
「自分に合った仕事とは?」「自分らしい働き方とは?」 多くの人が、自分の個性やアイデンティティと向き合いながら、キャリアを模索していることと思います。 学習論でも、「学習とは、アイデンティティの変容である」という学習観が支持されており、人の成長とアイデンティティは密接に結びついています。実際に、20代後半や30代前半くらいになると、知識や技術が増えたことよりも特定の仕事において「一人前になってきた」というアイデンティティの変化に成長を実感している方も多いことでしょう。 一方、40歳前後のいわゆる「中年期」に差し掛かると、その自信は揺らぎ、「自分が何者なのか」「何のために生きているのか」がわからなくなる「アイデンティティ・クライシス」が起きると言われています。そして、この中年期のアイデンティティ・クライシスに上手く対処できるかどうかは、その後のキャリア形成に大きく影響します。 そこで本記事で
『心理尺度構成の方法 基礎から実践まで』の第2章のタイトルは「心理尺度の形式」です。社会人大学院の心理統計に関する基礎的な授業で扱われる、教示文、尺度の種類、リッカート法、などが丁寧に説明されています。授業を受けるとその時はわかった気になるのですが、実際に尺度を作ろうとすると理解があやふやだったりします。本書は、授業の復習教材や副読本としても最適な一冊と言えそうです。以下では第2章のポイントをまとめます。 教示文アンケートに答える時、質問項目が始まる前に説明がきがありますよね?それが教示文です。 教示文とは、心理尺度に含まれる質問項目にどのように回答すべきかについて指示するものである p.15長すぎても回答者は飽きて真面目に回答しようとしなくなりますし、短すぎると回答方法がわからずに回答できなくなってしまいかねません。作成してみると明瞭簡潔に書くのがなかなか難しく、教示文ってけっこう大事な
働く個人を取り巻く環境は、めまぐるしく変化している。働くことについての価値観が多様化し、キャリア発達に対する何らかの支援の必要性が盛んに論じられている現代、仕事への取り組みがどのようにキャリア発達と関わっていくのか、根本的な問いに立ち返って考えてみることも大切だ。キャリア自律セミナーの最終回となる2024年2月8日の第6回セミナーでは、筑波大学の岡田 昌毅教授による解説を交えながら、「働くこと」そのものや「キャリア発達」に関する様々な理論が紹介された。 働くとは?なぜ働く?―― 根本的な問いから、働くことの価値を認識し、伝達し、実現する「3つの創造力」へ ライフ(生涯)を俯瞰し、トランジション(転換期)に向き合う。「キャリア発達」の2つの理論 キャリア理論を知り、活用することの意義 働くとは?なぜ働く?―― 根本的な問いから、働くことの価値を認識し、伝達し、実現する「3つの創造力」へ 「働
【はじめに】 認知科学が教える コミュニケーションの本質と解決策 伝えたいことがうまく伝わらなかった、という経験は、誰もが一度はしたことがあると思います。 何回説明しても、伝わらない。 依頼した通りのものができあがらなかった。 厳守と伝えた締め切りが守られなかった。 勘違いされて、物事がうまく進まなかった。 一生懸命説明しているのに、部下や子どもの理解度が上がらない。 大切な約束を忘れられて、トラブルやけんかになった。 仕事に限らず、家庭でも学校でも、こうした悩みは後を絶ちません。 本書では、私たちが抱えるコミュニケーションの困り事について、認知科学と心理学の視点から、その本質と解決策について考えていきます。 認知科学や心理学に興味をお持ちの方はもちろん、上司や部下・同僚、取引先ともっと円滑に仕事を進めたいビジネスパーソンの方、指導法を学び日々工夫して子どもたちと向き合ってこられている教員
悔しい気持 いわゆる異世界ものと呼ばれる物語(アニメやゲームやラノベ)には、わたしたちがしばしば痛感する「あのとき別な判断をしてさえいれば……」といった類の悔しさが反映されているのかもしれません。「別な判断さえしてい」たらどうだったのか。そのような発想に共感を覚える人が多く、だからたちまち世間に広がり、ひとつのジャンルになった。たしかに運命の分岐点を辿り直してみたくなる気持はよく分かります。 だがそれで心は救われるのか。現実に戻ってみれば余計に惨めにならないか。 もしかすると「別な判断」をしても、結局はめぐり巡って現在と同じ状況になってしまうのかもしれない。いや、もっと残念な状態になってしまっている可能性だってありましょう。そんなことは誰にでも見当がつく。でもやはり悔やんでしまう。 悔しい気持というのには、特有の不快感が伴います。心残り、地団駄を踏みたい気分、今さらどうにもならない腹立たし
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