ゲーミフィケーションの議論に足りない3つの観点 続いて登壇したのは、東京大学大学院 情報学環 特任助教を務める藤本徹氏だ。藤本氏は、同学においてゲームの教育利用や社会的応用の研究、いわゆる「シリアスゲーム」と呼ばれる分野の研究に携わっている。 こうした立場から、藤本氏は現在「ゲーミフィケーション」が語られる際に「抜け落ちている」と感じている3つの観点について指摘した。藤本氏が指摘した3つの観点とは「歴史的観点」「認知的観点」「デザイン的観点」である。 ■ 歴史的観点 藤本氏は、ゲームを社会的に利用しようという取り組みの変遷として、教育にゲームの要素を取り込む「エデュテイメント」の分野が生まれ、そこから教育以外の社会的領域への展開を図っていく流れの中で、ゲーミングやシミュレーションを活用した「シリアスゲーム」という分野への要請が生まれたとする。 そして現在、さらに広いマーケティングやビジネス