2021-10-30

負ける者は負けるべくして負ける

俺の専門分野以外のことはいっさい知らない。

 

俺が院生の頃は、中国よりも日本の方がはるかレベルが高かった。

北京大学にも清華大学にも訪問したけど、まったく相手じゃないと思った。

中国で優秀な院生アメリカに行くのだろうから、そこは割り引いて考えるべきだとは思ったけど、中国で会えた院生たちは日本なら学部でも二流レベルだと思った。

教員にはそこまでの差は無かったけど、院生同士でこれだけの差があって我々の世代で追いつかれるかもしれないとは思えなかった。

 

今となっては、そんな昔話は恥ずかしくてできない。

国内の同世代でなら屈指と言って良い俺の業績は、中国でだったら有象無象レベル

そして、その程度の俺が中国大学CVを送ったら、現職よりはるかに良い待遇オファーが来た。

給料は倍、研究費は数十倍日本より良い条件の保険年金住宅手当・他。今の俺の時間ほとんどを食い潰している、クソみたいな雑用は無し。

この研究費は間違いじゃないか確認をしたら、勘違いされて金額を更に増やしてきた。その増加分だけで今の研究費より多い。

これだけ金があったら、研究関連の仕事さえ些細なことはアシスタントに任せ、本質的なことだけに集中できる。

これだけ金と時間があったら、そりゃ、二流の学部生もあっと言う間に一流の院生を追い抜くだろう。

 

もちろん、俺が日本で金をもらえないのは、俺みたいな研究者が日本にいても日本経済に何の影響も無いからだ。

俺みたいな分野の研究は、日本ビジネスパーソン諸氏にはまったく興味を持たれていない。

少なくとも俺は、日本企業との仕事で、毎週、役員研究結果の報告を求められたことは無い。

どんな仮説が支持されて、どんな仮説が棄却されたか、それが現在ビジネスを支えるどんな理論に影響があるか、そんな説明日本企業に求められたことは無い。

着任前からそんな調整(と、おそらくはプロジェクト自体の開始も)する国だからこそ、それに応じた金も出るのだろう。

  • じゃあなんで研究者はみんな中国に行かないのだ。 そこまで厚遇されることも知らないくらいリテラシーが低いのか、すごく愛国心が強いのだろうか。

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