今、CIOの間で、全体最適の視点から自社のIT基盤の設計図を描き、必要な技術やソリューションを提言できる「ITアーキテクト」を望む声が高まっている。では、そのITアーキテクトには、どういったスキルや知識が求められるのであろうか。本稿では、ITアーキテクトの育成に力を入れる協和発酵工業にその答えを見いだすべく、同社で情報システム部長を務めるとともに、ITアーキテクトとしても活躍する中山嘉之氏に話を聞いた。 CIO Magazine編集部 ● text by CIO Magazine 今、ITアーキテクトが求められる理由 近年、企業のシステムが複雑化するに伴い、その全体像を把握することは、システムを統括する立場にあるCIOにとっても、かなり難しくなった。例えば、部署ごとに散在しているデータのうち一元化できるものがどれほどあるか、運用管理方法やサービス・レベルにばらつきのあるものがどのくらいある