2022-03-18

連邦安全保障会議議事録(偽)

大統領「よろしい、会議を始めよう。国防相」

国防相「本会議は来週の開戦…失敬、特別軍事行動の開始前に、改めて全員で作戦について再点検しようという主旨である。対外情報庁の方から新しい人間が来ているようだが『一人の知恵より二人の知恵』という格言の通り、実り多い物となることを期待している」

対外情報長官ことわざで受けるならばわが国には『自分のものでないそりに乗るな』という言葉がある通り、軍にまかせておくべきなのでしょうけれども、フランスのクレマンソーも『特別軍事行動というものは、軍人たちに任せておくには重要すぎる』と言っています

書記「つかみはもういいだろ。で、そいつは誰なんだ」

増田「申し遅れました。私はトールアノニマヴィッチ・マスダスキーです。所属は…」

書記組織図に載ってない部署人間所属を聞くとか時間無駄だ。本題に入れ」

増田「失礼しました。今回は原則に立ち返って孫子に基づいて今回の作戦行動を見直そうと」

参謀総長「なんでいまさらそんなことをするんだ」

増田孫子は2500年前に作られた古い書物ですが今でも通用する…」

国防相「そんなことは誰でも知ってる。すでに十分検討は行われている」

増田「えっ」

連邦保安局長官「まあいいじゃないか。『初めて焼いたブリンは塊になる』というだろう。それで君は何をするつもりだったんだい?」

増田「ええと、まず『計篇』に従って作戦の見込みを検討たかったのですが」

参謀総長「つまり『五事七計』か」

連邦保安局長官「ああ、あの『数が多い方が勝つ、少ない方が負ける』ってやつか」

参謀総長「そんなところだ。五事、つまりつの原則があり、それを七計、つまりつの基準を使って敵味方を比較して優劣を事前に把握しろと言っている。そうだな」

増田「は、はい。五事とは道・天・地・将・法です」

書記「道とは国民指導部の一致、天とは時期、地とは地理的条件、将とはリーダーシップ、法とは組織規律ということだ」

増田「…く、詳しいですね」

書記「今、Википедиюで読んだ。七つの基準というのは君主支配力、司令官能力、天と地の理解度法令の公正な執行、軍の兵力、軍の練度、信賞必罰。そういうことだな」

増田「…それもВикипедиюに書いてあるんですか?」

書記「…(頷く)」

連邦保安局長官最初問題ないな。大混乱から国と軍を建て直し、選挙で常に圧勝メディアも押さえ、経済界から国民からも広く支持を集めている我が大統領と、コメディアンあがりで選挙わずか3割(注・1回目投票)、支持率でも4割のあの大統領。どちらが優れているかは一目瞭然だよ」

大統領「世辞はいい。私だって国民すべてから敬愛されているわけではないことぐらいは承知している。が、あの男より国民から支持されていると認めるのは吝かではない」

参謀総長我が軍将軍達の能力については私が請け負おう。皆、『外国』や『外国でない場所』で戦ってきた、経験豊富で勇敢な祖国の誇りとすべき男たちだ。向こうの軍の能力はどうだ?」

対外情報長官「8年前と比べると改善されているのは既報通りです。ですが常に戦い続けていた我が軍比較すれば経験豊富とは言えないでしょう」

国防相「今は冬季作戦地域障害地形も少なく、機動化された我が軍は全力を発揮できる。作戦目標はいずれも国境から100km程度で軍事的には至近距離と言ってよい。気象予測も安定しており、作戦行動に支障ないと出ている。開始時期はもう少し早くてもよかったが、これは政治の絡むことであり、軍としてはその判断に従う」

大統領「友好国の面子を潰しても何もいいことはない。その点で軍に負担を掛けているならそれは私の責任だ。問題あるかね」

対外情報長官経済制裁の規模が予想できない以上、経済力のある友好国をつなぎ止める努力にはそれだけの価値はあると判断します」

国防相「軍規は…認めたくはないが、我が軍伝統的な弱点ではある。それでも、今回は最善を尽くしている。少なくとも、現時点で統率の疑わしい『友好国』の兵隊を使うつもりはない。正規軍だけでやる短期決戦にそんなもの無用だ」

参謀総長軍人にまともに給料が支払われなかった時代を覚えている将官連中はみな、大統領を支持しておる」

連邦保安局長官「ま、人手不足ネオナチ集団私兵まで使ってる相手より軍紀が悪いってことは流石にないでしょうな」

書記兵力…考えるまでもなく陸海空その他、すべて我が方が優勢だ。練度もそう考えていいな」

対外情報長官「一応、8年前よりは向こうの練度も上がっています予備役兵のプールを積み増ししているので、長期戦になると兵力が増える可能性はありますが…」

国防相「うむ。ただ、そうなっても積み増しできる兵力こちらの方が多い。あまり考えたくはないが、市街戦に慣れた友好国の兵隊を連れてくることもできる」

書記「いざという時に切れる札があるとないでは大違いだ。そうだな」

増田アッハイ

書記「それで、最後の信賞必罰ってのは法令の公正な執行ってのと同じだと思うんだがなぜ入ってる? Википедиюの編集者ボンクラなのか?」

増田「い、いえ、もともとそうなってます

大統領大事ことなので二回言いました、という事だろう」

国防相「それは聞いたことがない。レニングラード東ドイツ言い回しなのか?」

増田「いえ、日本ネットスラングです」

anond:20220318110315

記事への反応 -
  • 紀元前500年、今からおよそ2500年前の中国人にすら「負けるって」と断言されるであろうレベル 孫子は言う、五事を揃えなければ勝てない。揃えてないなら戦争なんてするんじゃないと。...

    • 大統領「よろしい、会議を始めよう。国防相」 国防相「本会議は来週の開戦…失敬、特別軍事行動の開始前に、改めて全員で作戦について再点検しようという主旨である。対外情報庁の...

      • ゼレンスキーの支持率今9割だけどな 茶化すにしても情報が古すぎる

        • 直前まで20%

          • ウクライナが初ドローン攻撃 親ロ派に大統領強気、欧米は苦言 2021年10月31日20時27分 トルコ製ドローン「バイラクタルTB2」=2019年12月、キプロス島(AFP時事) トルコ...

      • 「Википедиюで読んだ」物語の進め方として大事。

    • 完全に事後。

      • 後出しで偉そうな講釈たれるやつもっと増えるんやろなぁ

    • そ、孫子wwwwwwwww ■馬鹿が読む古典ランキング1位 https://anond.hatelabo.jp/20200702124040

    • 孫子は化学兵器や核兵器使うんか?

      • 孫子は、火の扱いについて 火攻編で言及している。 天候、風向きなどの条件や敵の兵站に火をつけることにも言及している。 核も、化学兵器も、風向きや自軍の安全に配慮して活用し...

    • 2021/11/01 anond:20211101052237 #枝野、降りろ 2021/11/01 anond:20211101092218 立憲が躍進する、と報道されたので自民に入れた 2021/11/01 anond:20211101094424 立憲民主党にリベラルが殺さ...

    • マクベ「これは駆け引きなのだよ。連邦側は我々の要求を無視したのだ。ミサイル発射!」

    • どうせ大義がないなら奇襲決めるなりするべきなんだけど、完全に準備されてるしな(その結果として苦戦 軍事力差と言えど、結構な部分が「核」に依ってるから、核が使えない時点で...

    • ロシア人って、こんなに頭が悪い連中だったのかな?   ロシアは中国の舎弟になる プーチンは戦争が長期化して不利になってきたら、中国に頭を下げて応援をお願いしている。 ロシア...

      • プーチンがウクライナに侵攻したのが、2022年2月24日(木)   ロシア VS ウクライナの戦争はどうなるのか? また世界にどのような影響を与えるのか? 日本はどうなっていくのか? ...

      • そもそもコロナという形で全世界に喧嘩を売ったのは中国であり、その後はコロナに勝つと言いながら ワクチン外交による浸透作戦かまして、ロシアがもろにやられて疲弊しているって...

      • 一方で秋に中国が台湾進攻する、なんて怪文書もあるわけで まぁさすがにこの惨状を見て習近平も簡単には動けなくなっただろうが

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