栃木県で、「治療」と称して1型糖尿病の患児(当時7歳)にインスリンを投与させずに死亡させたとして、殺人罪に問われた男性の上告審に関する報道がありました。 報道によれば、被告側の上告は退けられ、懲役14年6カ月が確定するようです。 「祈祷師」を自称した被告は、「インスリンは毒」「従わなければ助からない」と説明し、母親は「わらにもすがる思いで、難病治療を標榜する被告に治療を依頼した」とされています。 弁護側は、「インスリンを打たないと決めたのは両親で、治療費を受け取った被告が死をやむを得ないと考えるはずがない」と無罪を主張していました(1)。 しかし、我が子を救いたい、病気を完治させたい一心で被告に従った母親を責めることは、当然できません。 1型糖尿病の患者さんが生きていくためには、体外から定期的にインスリンを補充しなければなりません。 膵臓のインスリンを出す細胞(ベータ細胞)が壊れ、自分の体
