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2008年7月29日
全中国ドラムクリニックツアーその6、江蘇省「徐州」
靖江から徐州までは車で5時間。
だいたい東京から名古屋ぐらいの距離ではないかと思う。
缶ビールを買って4本空けて酔いつぶれて寝てるうちに着いた。
ここの名物は羊肉串。
まさにワシの大好物である。
地ビールは青島ビールが地元で作っている山水ビール。
青島ビールも好きなビールなのでご満悦で酔いつぶれさせて頂いた。
朝になってホテルの外を見てみたらそこは美しい湖だった。
中国で一番大きな人工湖、「雲龍湖」である。
しかし誰が何のためにこんな大きな湖を作ったのかは謎である。
会場に着いた。
ここはまたテレビ局のスタジオである。
いかしたキッズ達を発見!
彼らがドラムを叩くのか?
これは楽しみである。
会場に入ってみたら驚いた。
これはもうドラムクリニックではない。
番組の公開収録である。
司会者が出て来て前説をする。
拍手の映像を撮ったり、手拍子の映像を撮ったり、
応援団の垂れ幕の映像を撮ったりする。
あのー・・・これってもう・・・ドラムクリニックじゃありませんよねぇ・・・
その通り!
これは実はもう既にドラムクリニックではなかった。
地元で一番の発行部数を誇る新聞の一面である。
「アジアドラムキングが徐州にやって来て祝賀コンサートを行う」
という内容である。
何を祝賀するかと言うと、
ここのパール倶楽部の10周年を祝賀するのである。
つまりこれはもう「クリニック」ではなく「コンサート」なのである。
そのコンサートの主役はこのワシと共に彼ら。
心なしかモヒカンが多い。
これは毎年毎年イベントをやっているうちにお互いに対抗意識が芽生え、
相手がどう来るなら俺はこう来る、という風にエスカレートしていったものであると言う。
演奏プログラムを見てびっくり!!
オープニング曲に「METALICA」とある。
METALICAってまさか・・・
物凄いものを見てしまった・・・
24人の子供が一斉にメタリカの曲を叩くのである。
しかもみんながみんな頭を振りながら叩く。
誰が教えたのか(もちろん先生じゃろうが)
ドラムとはヘッドバッキングしながら叩くものであると子供達は信じているのである。
長髪を振り乱しながらドラムを叩く少女
と思ったら、後でお話しした時に
「さて問題です。僕は女の子でしょうか男の子でしょうか」
・・・って・・・君・・・男の子?・・・
こいつ・・・将来はヨシキになれる・・・
当年とって10歳。
しかしドラム歴は既に7年。
おそろしやおそろしや・・・
江蘇省徐州・・・おそるべしRockシティーであった。
ファンキー末吉ひとりドラムツアーの軌跡(こちら)
Posted by ファンキー末吉 at:00:08 | 固定リンク
2008年7月28日
全中国ドラムクリニックツアーその5、江蘇省「靖江」
二井原実ソロライブのリハも終わり、
そのまま朝一番の中央線に乗って成田まで行き、
北京に着いて4時間のトランジットの後、
靖江の最寄りの空港である無錫に降り立った。
4時間も待ち時間があるのだから、
最初は院子に帰って一休みしようと思っていたが、
「ファンキーさん、北京空港の税関大変ですよ。荷物全部調べられますよ」
と言われていたので空港から出なかった。
別にヤバい物を持ち込んでいるわけではないが、
あの税関の職員の態度を思い出しただけで胸が悪くなる。
国内線へのトランジットでのチェックは比較的簡単であったが、
スティックケースを必ず調べられる。
「オリンピックなのにこいつはたくさん木の棒を持ち込んで何をやるつもりだ」
とでも言いたげである。
サービスにドラムを叩くマネをしてやったが全然受けなかった。
無錫から車で1時間、靖江とは無錫の隣町だったのだ。
さっそくこの町の偉い人と一緒に食事。
オリンピック間際に全国でイベントが中止にされているのに、
このクリニックが中止にされなかったのはこれら偉い人のおかげである。
我らが沙泳江先生、イスラム教でありながらここでも飲む飲む。
ドラムクリニックより全国の地ビールを飲むというのが大きな目的であったが、
この町には残念ながら地ビールがないと言う。
仕方がないので白酒。
でも5分で空いてしまった・・・
ここの料理は上の写真のようなとうもろこしを中心とした田舎料理や、
ニラまんじゅう、
イモの煮っ転がし、
そして長江の魚、
などのさっぱりした料理であった。
飲んで食って、前の日寝てないので爆睡・・・
翌日の会場はテレビ局のスタジオであった。
どうも今回のクリニックは
市のイベントとしてテレビの収録も兼ねて行われるということで許可を取ったらしく、
テレビのインタビューも行われ、これが後に地元のテレビで放送されるらしい。
今回のツアーではワシはXYZのWings~Fire Birdの中国版を用意した。
10分を超えるロックメドレーである。
何故かと言うと、ワシはもっと子供たちに「ロック」というものをわかって欲しい、
今はわからなくてもその心の中に少しでも印象を刻んでおきたい、
大人になって何か困難なことにぶつかった時に思い出して欲しい。
各地方でたくさん天才子供たちを見て来た。
どの子もテクニックだけはある。
しかし魂というか歌心が全然ない。
当たり前だ、この子達にはまだ「歌うべき人生」がないのである。
Wings~Fire Birdの中国語歌詞にはこのような一節がある。
この子たちがまだ「世界は思い描いていた天国ではない」などと思えるわけがない。
でもこの子たちが大きくなっていつかそんなことを思った時、
この子たちは今日ワシが叩いたドラムを思い出すに違いない。
「あのオジサンが言いたかったことはきっとこのことなんだな」
と思ってくれるかも知れない。
ワシは毎回クリニックで使ったドラムマイナスの音源を置いていく。
それらの曲を今後教室で使ってもらえるように。
そして今回からその中にこのWings~Fire Birdの中国版が加わった。
子供たちよ、頑張ってコピーするのじゃ。
ドラムの叩き方だけではない、
「ロックとは何か」をこの音源からコピーするのじゃぞ!!
クリニック終って速攻で車に乗り、次の町、徐州へと向かった。
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