
2008年10月19日
全中国ドラムクリニックツアーその12、山東省「青島」
また朝から列車に乗って青島に着いた。
青島に来るのは十数年ぶりである。
前の嫁と知り合ったばかりの頃、
その他の友達と一緒に泳ぎに来た。
そう、海沿いの街、青島は夏は海水浴客で賑わう。
ちなみにこの写真は知らない人のブログから拾って来ました。
(中国だからええじゃろ・・・)
今は秋なので水着Galはいません。
それにしても気候がいい。
ドイツの疎開地だったので、建物も異国情緒があり、
避暑地、別荘地としても有名である。
会場に着いた。
地元の歌舞団の劇場である。
いつも思うのじゃが、
ドラムクリニックにこんな大きな会場を用意するのは何か違うと思う。
これではクリニックではなく、コンサートである。
毎回そうじゃが、
「亜州鼓王が我が街に来たる!」
みたいな告知からして、もうクリニックではなくコンサートである。
コンサートで言うとオープニングアクトは、
子供のバンドと共に地元のアマチュアバンド。
ひょんなことからこのバンドのドラマーが弟子入りすることになり、
この日は青島生ビールを飲みながら夜通し説教をすることになる。
それは置いといて、
この日のステージではワシは青島生ビールしか頭になかった。
何せ着いて昼飯の時に出て来たのにワシは飲めない。
若い頃はべろべろに酔っ払ってでもドラムを叩いていたが、
最近は体力が落ちて叩けないという理由と共に、
飲めば神様が降りて来ないというジンクスもあり、
ドラムを叩く前は酒は飲まない。
どれだけ辛いことよ・・・
ワシは我慢したよ。
隣で相棒の沙泳江がイスラム教のくせにグビグビ飲んでるのを見ながら我慢したよ。
だからステージではもう頭の中は青島生ビールのことばっか!!
十数年前の記憶じゃが、これがとてつもなく旨かったのじゃ!!
ステージが終わって沙泳江が言った。
「ファンキー、今日のドラムは何か神がかってたなあ」
お前のせいじゃ!!
というわけで食事に向かう。
街かどではどんな小さなレストランの外にも生ビールの樽が置かれてある。
つまり青島ではどこに行っても青島ビールが生で飲めるのじゃ!!
ワシは出番前にも我慢したし、
ステージ上でも水も飲まんかったよ。
ひたすらこの青島生ビールにかけていたのよ。
最初の一杯。
もちろんイッキである。
ウェイトレスさんがいちいちピッチャーで注いでくれるが、
もうめんどくさいのでピッチャーを右手、グラスを左手で数杯イッキ!!
旨い!!!!!!!
瓶や缶の青島と違って水のように淡泊で、
喉越しは冷たいお茶のようにぐいぐい入る。
いくらでも飲めるので当然酔っぱらう。
至極の瞬間である。
また料理が旨い!!
海鮮料理は日本人にとっては馴染みが深いだけに、
ついつい味に対してはシビアになってしまいがちだが、
ここの料理はもういちいち旨い!!
魚料理も他の土地と違って河魚や沼魚でなく新鮮な海の魚だし、
貝料理に至ってはもう言うことなし!
その上スープと来たら海鮮のダシが染みててもう芸術品!!
もうこのツアーも終盤戦を迎え、
「どこの地ビールが旨かったかなあ・・・どこの料理が旨かったかなあ・・・」
と言い出す時期なのじゃが、
もう文句なく青島が一番!!
金賞を与えて二日酔いで青島を後にする。
ファンキー末吉ひとりドラムツアーの軌跡(こちら)
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全中国ドラムクリニックツアーその11、山東省「淄博」
「淄博」なんて街があることすら知らなかったどころか、
どう読むのかすら知らない。
どうやら「Zi(1)Bo(2)ズーボー」と読むらしい。
聞けば北京と青島との間に位置する山東省第三の街。
「田舎だよ」と言うけど、日本で言うと名古屋クラスである。
中国のひとつの省が日本ぐらいだと考えると、
「田舎だよ」と言われる名古屋クラスの都市が中国にはうじゃうじゃあるということである。
夜行で行くには近すぎるためか、
今回は朝の列車に乗って行くこととなった。
十数年前に青島に行った時は、
日本のローカル線のようなボックス席の列車にすし詰めだったが、
時代は変わるもので新幹線のような特急列車が出来ていた。
(とにかく朝が早いので眠いのじゃ・・・)
迎えに来たのがサングラスをかけたチンピラのような人だったので一瞬びびってしまったが、
紹介されてみると彼がここのパール倶楽部の校長先生。
非常に熱心に子供たちを指導していて、
人を見かけで判断してはいかんと反省した。
生徒も多い!!
クリニック終了後、
この人数が並ばすに一斉にサインを求めに来るんだからたまらない。
田舎の子は元気がいいと言うが、元気ありすぎ!!
サインをもらうポスターはもみくちゃで敗れてしまい、
その切れ端にサインをする始末。
思えばワシはこれまでどれだけの数のサインをしたことだろう・・・
各パール倶楽部には100枚ほどポスターを送りつけているらしいが、
サインをするのはポスターだけではないので、
各地でゆうに数百枚はサインをしている。
1000人を超えるホールでやった時って、
ワシ・・・一体何人にサインしたのだろう・・・
既に忘却の彼方である。
10本以上廻っているとよく
「どこが一番印象に残ってますか」
と聞かれるが、
やっぱ印象に残っている街と全然残ってない街がある。
ちょっとしか滞在してないと特にそうなのだが、
この街はどちらかと言うとそれに近い。
青島に近いということで食卓には青島ビールが出て来る。
違うのじゃ!
このツアーの目的は、全国の子供にロックを教えることでもなく、
パールとSABIANの製品を宣伝することでもなく、
「全国各地の地ビールを飲む」ということなのである!!
音楽よりも大事なことなんだから仕方がない。
無理を言って探してもらったら見つかった。
それにしても本当に各地に地ビールがあるんだから中国は凄い。
地ビールで舌鼓を打ちながら気持はもう既に次の青島である。
何せ他ではまず飲めない「青島生ビール」があるのじゃ!!
この日はそこそこで退散させて頂いた。
ファンキー末吉ひとりドラムツアーの軌跡(こちら)
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2008年10月 9日
マレーシアドタキャン
伊達弦というパーカッショニストがいる。
彼が友人のミュージシャンに電話をかけた時の話。
「伊達弦ですが・・・」
奥さんが出たので丁重に自分の名を名乗る。
ところが電話口では奥さんが凍って固まってしまってる様子・・・
「もしもし・・・伊達弦ですが・・・ダ、テ、ゲ、ン!」
丁寧に自分の名前を連呼する伊達弦。
やっと我に帰った奥さん、旦那を呼びに行く。
「あんた!あんた!・・・大変やでぇ!!ドタキャンやて!!」
旦那が慌てて飛び出してくる。
「そりゃ大変や!・・・んで?・・・どのイベントがドタキャンになったんや?」
「さあ・・・」
「そいで一体誰からの電話なんや?」
「さあ・・・」
というわけで、伊達弦の話は置いといて、
ワシの今の心境はまさにこの奥さんの心境である。
出発予定日が近づいているのに
マレーシア側からフライトのインフォメーションが来んので、
香港側にメールで問い合わせたらこんな返事が来た。
「マレーシアツアーは延期あるよ。
私たちも行きませんのでファンキーさんも行かないよろし」
今日び、中国社会でもちゃんと契約を取り交わしてからスケジュールを押えるので、
数日前にドタキャンなんて・・・
まあ出発予定日である今日、
ワシが日本でのんびりブログなんぞを更新しているんだから、
やはりこれは伊達弦ではなくドタキャンなのであろう・・・
せっかくこの「日本代表Tシャツ」でドラムを叩こうと思ってたのに・・・
Posted by ファンキー末吉 at:09:50 | 固定リンク
2008年10月 7日
10月5日サンプラザ中野くんライブ
芸名を「サンプラザ中野」から「サンプラザ中野くん」に変えたと言うからややこしい。
イベントの司会者なんかワシを紹介するのに
「ファンキー末吉さん」
和佐田を紹介するのに
「バーべQ和佐田さん」
なのに中野が登場する時には
「それではお待ちかね!サンプラザ中野くんの登場です!」
これって変なんちゃうん!!
中野はメールする時に必ず「末吉さま」と冒頭に書いてくるので、
ワシもちゃんと「サンプラザ中野くん様」と書いて返信する。
司会者も敬語を使うなら
「それではお待ちかね!サンプラザ中野くんさんの登場です!」
と言うべきではないのか!!
まあそんなことはどうでもいい。
ライブは非常に楽しく終わった。
面白かったことが、
ステージはトラックの荷台を全面開放し、
客は後ろからも見ることが出来ることである。
嫁いわく、「末吉ファンは全員後ろから見てた」そうである。
そりゃそうだ。
ドラムと言うのは後ろから見るのが一番どう叩いているのかがわかりやすいのである。
「ああ、ここで足を踏み変えているのか」
とか
「ああ、ここで手がこのように動いているのか」
とか、
ワシも自分のアイドルドラマーがここで演奏するなら絶対後ろから見たい!!
ところが演奏終わってふと素朴な疑問が浮かんだ。
これがX-Japanだったらヨシキのファンは後ろから見るか?・・・
微妙なところである。
ワシだったらヨシキの華麗なドラムはやはり前から見たい。
つまり・・・
末吉ファンはワシの「顔」などどうでもええのである。
まあいい。
ドラムはしょせんは「顔」である。
Wingのバックでドラムを叩く。
1時間半とか一生懸命叩かせて頂いて、
後半の盛り上がりの起爆剤としてWing自身によるドラムソロ。
ワシはそこにピークを持っていくべくドラムを叩く。
ワシのソロが終わって大盛り上がりの中、
ステージ後方からせり上がり台に乗ってドラムを叩きながらWingが登場。
キャー!!
ドラムソロと言うよりはサウンドチェック(失礼)ぐらいのソロなのに、
観客はこれ以上ないほど狂喜乱舞する。
ワシ・・・今まで何を頑張ってたんやろ・・・
ちょっと虚しさが心をよぎるが、まあいい!
こういうのを「スタードラマー」と言う。
BeyondファンにとってWingはいつまでたっても「ドラマー」なのである。
まあドラマーの背中しか見れないのに
わざわざ後ろからステージを見ようという末吉ファンは逆に言えばありがたい。
ワシは来週マレーシアでWingに会ったらこう胸を張って言おう。
「ふ、ふ、ふ・・・名役者は背中で演技するのさ」
ちょっと負け惜しみである。