
2016年6月 9日
頑張れアイドル!!
年末にファーストコンサートで故郷に錦を飾った邵雨涵(Shao YuHan)......
もうね、可愛いの・・・(笑)
いや別にルックスが好みでもないのにワシが心を奪われてしまった理由、
それは実はこのブログに書いてたと思ったら書いてなかったんだけど、
彼女がこの打ち上げの時にワシにこんなことを言ったのよね・・・
「私はこの辺の農民の家から出て来た歌手なんです。田舎者ですがよろしくお願いします」
実はこの言葉で心を鷲掴み・・・
中国で「農民」というと実は最大の侮辱の言葉で、
カースト制度のように金持ちは永遠に貧乏人を搾取し続けて大きくなって来たこの国で、
永遠に抜け出せないはずのカーストの最下級から、
この娘が大スターになろうとしている・・・
それがワシの心をくすぐるのよね・・・
怒涛のスケジュールでこなした2回のリハの時も、
彼女は本当によくワシと接してくれた。
アイドルのバックもやるチャンスは多いが、
「なんか偉いドラムの人が来た」
と緊張するだけの歌手やら
「どうでもいい」
とばかり全く普通の歌手やらいろいろいる。
彼女は「超級女声」という社会現象にもなったコンテスト番組で、
それこそ社会現象になるほど大成功したZと同期だったと言うが、
実は「プロデュースしてくれ」と言って紹介されて会った時のZの印象は最悪だった。
スタッフがワシをプロデューサーとして押して、
本人にも紹介しようということで会議室で会うことになったのだが、
「何よこのおっさん」
という態度で取り付く島もなかった。
「Zの方が先にブレイクしちゃってねぇ・・・」
そうやって笑うこの農民の娘は、
いきなりとんとん拍子に大ブレイクしたZと比べたら、
「何とか私に力を貸して下さい」
でなければここまで来れなかったのだろう。
アイドルなんだから周りのいろんな才能を自分のために集めて、
それで初めて大きな「商品」となる。
だからなのか何なのか、この農民の娘には
「彼女のためなら何でもやってやりたい」
と思わせるような何かがあるのだ・・・
年末の初コンサートから半年あまりで、
湖南大劇場という大きなところでソロコンサート、
そしてこれを皮切りに全国をツアーで廻るという・・・
なんかそんな「大きな渦」を感じるのよね・・・
コンサートは大成功!!
特筆すべきは毎回メニューにドラムソロがあるのな。
前回はオープニングがドラムソロで、
ドラムソロ終わりからロック調のオープニング曲に入るという構成だったからいいものの、
今回は・・・
全く何も関係のないところにぽこんと鼓Solo !(◎_◎;)
しかも「着替えがあるから5分ドラムソロやってね」って5分って長いよ・・・
やるけど(笑)
有名人のコメントVが流れて、
その後ダンサーだけで1曲踊って、
「じゃあ始めてください」
っていきなり何の脈略もなくドラムソロ!(◎_◎;)
着替えが終わったらキューマイクでそれを知らされ、
適当に締めてドラムソロを終える。
メタルバンドみたいに終わったらバンドのみんなでかき回し入れて・・・
などない!!(キッパリ)
勝手に始まって勝手に終わる(笑)
終わったら歌手が出て来て何事もなかったかのようにMCを喋り始める(爆)
まあ世界広しと言えどもこんなドラムソロを叩く(叩かされる)ドラマーはワシぐらいしかおらんわのう・・・
でも彼女が喜ぶのだ。
着替え終わってステージに戻って来たら何か金髪獅子王みたいなのがもの凄い形相で何かもの凄いかも知れないことをやっとる・・・
好きなんだと・・・(照)
「ずっと私のバンドでこのもの凄いドラム叩いて下さいな」
ってあーた!!(赤面)
でも彼女のスタイルはと言うとこんな感じのB級ディスコで、
基本「ドチタチ」しかやってないんやからワシでなくても誰でも、
いや機械でも立派にこのステージはこなせるぞ!!(涙)
でも客には相当ウケているようだ。
会場を出たらワシの事が誰とも知らない客に捕まって写真攻めにあうし、
打ち上げでも歌手の次に写真攻めにあう・・・
金髪獅子王、モテ期か?(笑)
(オリジナルはこんなキャラらしい)
さてそんな中、打ち上げ会場でサイン攻めにあいながら、彼女が何やらふっと鬱陶しそうな表情をしたのを見逃さなかった。
B級ディスコが売りのB級アイドル(失礼)である。
打ち上げに集まる湖南省の田舎者(失礼)も所詮はB級(失礼)のファンかも知れない。
それこそ「農民(むっちゃ失礼)」と陰口を言われる人たちかも知れない。
でもその人たちがお前を支えてくれている。
お前はその人たちと一緒に大きくなるんじゃないのか?
ワシが出会った香港のアイドル達は人前では絶対に笑顔以外は見せない。
WINGだって人生で一番辛い時にもマスコミには笑顔で接していた。
アイドルであるお前がそれが出来なくてどうする!!
「よし、今度会ったら説教でもしてやるか!!」
と思ったらいきなり「ザリガニを食いに行こう」ということになった。
昨夜バンドのメンバーと「老長沙(LaoChangSha)」という有名な店でザリガニ食った写真をWeChatにUPしてたら、
「何よ〜みんなで美味しいもの食べて〜明日本番だから私だけ食べられないじゃない」
と拗ねてた(可愛いのだ)ので、
今日は地元の人との打ち上げもそこそこにどうしてもザリガニを食いたかったのだろう・・・
(それもアイドルとしては問題なのじゃが・・・)
スポンサーなどと一緒のテーブルからバンドのテーブルに逃げて来て、
「今日は絶対ザリガニ行くからね」
とみんなに耳打ちしていた。
そして打ち上げを早めに切り上げてバンドのみんなとザリガニ!!
いや〜これだけの量のザリガニを食ったのも初めてやなぁ・・・(笑)
彼女はと言えば綺麗な衣装をジャージに着替え、
でもそのジャージやシャツ自体がかなりのブランド物なんやろな、
ワシなんかが着ているどうでもいいようなジャージとは全然違う・・・
その真っ白な高級シャツにザリガニの染みが・・・
ステージのメイクのまま、それとアンバランスなジャージ姿、
そしてその白いシャツもザリガニの汁で汚れている・・・
なんかこのアンバランスな艶めかしさが彼女なのかも知れんなと思う。
全員とイッキしてしこたま飲んだ彼女は、
また傍の事務所に社長(おっさん)のほっぺにChuってしてた。
まあキス魔と言って酔うとキスする女性はいるが、
彼女もそうなのかも知れないし、それがセクシー派で売ってる彼女ののし上がってゆく方法論なのかも知れない。
でも田舎生まれのさっぱりとした性格の彼女がやるとまるで嫌味がない。
頑張れ、農民の娘!!出来る手段は何でも使ってお前はお前のやり方でのし上がってゆくのだ。
そしていつか同期のZを見返してやれ!!
ps...
「君の曲は中毒性が高くてメロディーが頭にこびりついて数日仕事にならないのよ〜」
そう言うと彼女は面白い言葉を使った。
「そうなのよ〜私の音楽は"洗脳音楽"って言われてるの〜」
そうか「洗脳音楽(XiNaoYinYue)」かぁ・・・面白い中国語だなぁ・・・
などと考えながらしこたま酔っ払ってホテルに帰る。
朝起きて鏡を見てびっくりした。
何故ワシはこんなTシャツを着ておる!(◎_◎;)
スタッフが着てたのを「ワシもこれが欲しい」と言って奪い取って着てるのぢゃな・・・
これでは最前列で野太い声で応援している気持ち悪いアイドルお宅と全く変わらんではないか!!(>_<)
完璧に「洗脳」されとる・・・
まあTシャツの着心地もなかなかいいので、
彼女の曲がまた頭の中をリフレインしている日にはこのシャツ着て街を歩いてやるか・・・
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2016年6月 3日
怒涛のスケジュールが始まる・・・
まあ音楽業界も「水商売」なんだから、
仕事はある時にしかなくて、ない時には全然ない。
だからある時に無理してでもやっとかなければならないのだが、
何せここ中国ではブッキングが全て突然過ぎる(>_<)
このふたつの仕事が来たのも先月、同じくベーシストの王偉(Wang Wei)という人間からのブッキングである。
そもそも彼は布衣のライブでトラに呼ばれてワシと一緒にやってから、何かっつうとワシと一緒にやりたがる。
「Funkyさん、とある歌手のバックバンドを僕らバンド組んでバンド形式で一緒にやりませんか?」
そう誘いが来たのは半年前、数回リハーサルをやって、
結局本番はスケジュールが合わず、一度も本番には行っていない(笑)
もともとはこの6月5日はアメリカのツアーが入ってたので
「行けないよ〜」
と言ってトラを入れてもらってたのだが、
「キャンセルになったので行ける〜」
と急いで連絡入れて初めての参加となる。
これが許飛(Xu Fei)という歌手。
アメリカツアーのために空けてたこのスケジュールにこれが埋まっただけで十分だったのだが、
「5月30日〜6月2日と6月8日は空いてますか?」
と連絡が来る。
もう芸術的である!!
3日はレコーディングで5日に許飛が西安なら、
ちょうどそこにすっぽり入るスケジューリングではないか!!
というわけで邵雨涵(Shao YuHan)の長沙が8日に入る。
(それにしても先日初のコンサートを開いてもう湖南大劇場でワンマンやるのか・・・凄いなぁ・・・ワシが関わり合うとブレイクするという都市伝説は本当かも・・・笑)
まあこれで万々歳なのである!!
5月29日まではちょうど張嶺(Zhang Ling)のツアーなので、
そこからまあ恐らく長沙からの戻り日になるであろう6月9日まで綺麗に埋まった!!
・・・なんてことが中国であり得るわけがない(>_<)
まあワシも悪いのだが、
5日に西安で8日に長沙なら途中一度日本に帰れるな・・・
と弾丸帰国スケジュールを入れている。
LuanShuが日本に会社を興すと言うので
(何やるんやろ・・・本格的に日本で音楽業務でもやるんかなぁ・・・)
「株やるからお前も役員になってくれ」
(それでワシ何やるんやろ・・・まあくれるもんは貰っとくけど・・・笑)
と言うのでどうしてもこのスケジュールで帰国して会社設立せねばいかんらしい・・・
まあこれがアダとなったな・・・
「じゃあ長沙入りは7日で、着いたらゲネプロね〜」
ワシ・・・6日に西安から帰国して7日にそのミーティング入れとるんですけど・・・
フライトを調べて、ミーティング後に上海経由で夜中に長沙に入れることがわかってそれを伝えると、
「ゲネプロどうすんのよ〜」
と泣きが入る・・・
ゲネプロって前回も夜中から始まったでしょ!!(涙)
だいたい中国でそんなに時間通り進むことの方が稀なので十分だろうと思っていたのだが、
しゃーないのでミーティングを6日の夜に動かしてもらって、
その夜中の便に飛び乗れば朝の3時過ぎに上海に着いて、
そこから朝いちの便で長沙に飛べる・・・
ちなみに6日に成田に着くのは午後1時35分、
そこから役所が開いてる時間に八王子まで帰ってとんぼ返りでミーティングしてそのまま羽田・・・
しゃーない(>_<)
まああとはスケジュールを押さえている6月2日までで邵雨涵(Shao YuHan)と許飛(Xu Fei)のリハを組めばそれで何とかなる・・・
というわけでリハーサル組みが始まる・・・
中国ではWeChatというLineのようなアプリでメッセージを交換するのだが、
まず邵雨涵(Shao YuHan)の方でコーラスの女の子だと思うひとつの発言からまた状況が一変した。
「私6月2日までは仕事入っててダメ〜」
おい!!
そもそもリハは5月30日〜6月2日の予定でしょ!!
それだから仕事受けたんでしょ!!
当然ながら
「じゃあリハは3日からやるしかないな、皆さんスケジュールは?」
3日はレコーディングで4日は許飛(Xu Fei)の西安が入ってるんだから無理でしょ・・・(困)
しゃーないから無理言ってレコーディングを2日にしてもらう。
もともと5日だったのを許飛入れたいから3日に動かしてもらったのだが・・・(>_<)
じゃあ3日と4日にリハしましょう!!
ワシ「4日は許飛で西安に行くから午前中じゃないとダメ!!」
スタッフ「じゃあ4日は朝8時から12時までリハです〜」
コーラスのお姉ちゃん「何で朝なの〜朝8時なんて声出ないじゃん!!」
おい!!
元はと言えばこのお姉ちゃんのせいでぐちゃぐちゃになってるんでしょ!!
などと言っても仕方がないので
「すみませんねぇ・・・ワシのせいで・・・」
と謝っておく・・・(涙)
そこで疑問・・・許飛(Xu Fei)のリハってどこでやんの?・・
バンマスの王偉(Wang Wei)に連絡する。
ちなみにこのふたつの仕事はどちらも彼がバンマスで、
しかも長沙の方は自分は来れないのでトラを入れてバンマスだけをやっている(驚)
「じゃあ3日の昼にしましょう」
おい!!・・・お前が入れた邵雨涵(Shao YuHan)のリハが入っとるじゃろ!!
「皆さん、リハ時間変更です。夜の20時からになります」
みんな「え〜なんで夜なの〜」
ワシ「すんませんねぇ〜ワシが昼間リハーサル入ってて・・・」
って何でワシが謝らないかんの!!!(怒)
というわけでマトメ・・・
ワシは今日3日は13時から19時まで邵雨涵(Shao YuHan)のリハやって〜
20時から恐らく夜中まで許飛(Xu Fei)のリハやって〜
夜中に帰って来て明日4日は朝6時に荷造りして出発して〜
8時から邵雨涵(Shao YuHan)のリハやって〜
12時きっかりに飛び出して空港行って西安行って〜
着いたら許飛(Xu Fei)のゲネプロやって〜
5日にコンサートやって〜
6日に西安ー成田に飛び乗って〜
八王子とんぼ返りして会社設立して羽田行って〜
上海行きに飛び乗って7日の朝3時に着いて〜
朝一番の便に乗って長沙行って邵雨涵(Shao YuHan)のゲネプロやって〜
8日は邵雨涵(Shao YuHan)のコンサート〜
さてと・・・出発するか・・・
まあ年末年始も似たようなスケジュールやってたから出来んことはないやろ・・・(笑)
Posted by ファンキー末吉 at:07:31 | 固定リンク
2016年6月 2日
中国で列車の切符を失くしたらこうなる・・・
Big John張嶺(Zhang Ling)の週末プチツアー、
北京を出発して湖南省長沙と浙江省杭州と回って北京に帰る行程なのだが、
近頃のバンドのツアーは列車移動が多い。
世界一音楽フェスティバルが多い(とワシは思っている)中国では、
最近のバンドメンバーやミュージシャン達はいろんなフェスを掛け持ちして、
ワシもそうだが当日入りや本番直前入りも珍しくない。
そんな中、北京空港は霧などの環境に影響されやすく、
飛行機が飛ばなかったり遅れたりすると終わってしまうので、
必然的に5時間かかろうが6時間かかろうが列車で移動することが多くなってしまうのだ。
朝の渋滞を考慮して3時間前に院子を出発して、
(ちなみに張張は2時間前で見事に乗り遅れ)
更に5時間かけて長沙に辿り着く。
まあ今では新幹線網が発達しててどこにでも(ウィグルとかチベット無理かも)その日のうちに着くのだから便利になったものだ・・・
チケット購入や支払いがネットで日本より数段便利に出来る中国では、
バンドのマネージャーがネットでチケットを購入して、
その情報をWeChatで送って来る。
まあ発券までやってチケットそのものを渡される時もあるけど、
そのためにはマネージャーが駅かどこか発券出来るところまで行ってその後に各メンバーと会うスケジュールが不可欠で、
仮に誰かひとりがみんなの分のチケットを持って駅集合にしたとしても、
まあどの国にもいるのだが張張(Zhang Zhang)みたいな遅刻する奴がいるとまためんどくさくなるので、
まあ今では大体このように情報だけが送られて来る場合が多い・・・
鉄道駅に着いたら駅に入るためにふたつの検問がある。
ひとつは爆発物検査、ひとつは「票,证,人,一致」つまりチケットに紐付けされた身分証明書と本人とが全て一致しなければ駅に入れないというわけである。
まあ飛行機と同じでパスポートを忘れたらもう駅にも入れないというわけである。
チケット忘れても同じ。
これから乗るチケットを持ってない人は駅にも入れない。
ワシの場合はまずチケットを発券するために並ぶことから始まる。
中国の第2世代身分証を持っている人は自動発券機で並ばずに発券出来るが、
外国人は身分証がパスポートなので必然的に長蛇の列を並ぶことになるのだ(>_<)
並んで順番が来たらパスポートと一緒にWeChatで送られたこの情報を見せる。
特に大切なのは上の方にある予約ナンバー。
端末でこの予約ナンバーを紹介して、
そこに打ち込まれている身分証番号(ワシの場合はパスポート番号)とを照合してチケットを発券する・・・
ということで3枚の切符がここでもらえるわけだが、
今から乗るチケットはポケットに、
そして残りの切符はパスポートと一緒に大事にしまっておく・・・
行きはそのままスムーズに長沙まで移動!!
ライブが終わり、杭州に移動の祭に問題が起きた。
残る切符は2枚、今から乗るチケットはポケットに入れ、
残り一枚のチケットはポシェットの中のパスポートと一緒に入れておいた・・・
はすなのだがいざ列車に乗ったら見つからない(>_<)
だいたいにして高々列車に乗るのにパスポートを見せる機会が多すぎるのだ!!
多い時には列車の待合室に入る時にも取り出して、
ホームに入る改札のところでも取り出さねばならん・・・・
というわけでどこかでパスポート出した時にくっついてぽろんとこぼれ出してしまったのだろう・・・
ないもんはしゃーない!!
帰りはもう飛行機で帰ろうとばかり安い便を探す!!
列車だと北京に着いてからまた2時間ぐらいかかるが、
うちの院子は空港の近くなので飛行機だと着いて1時間かからない。
しかし張嶺がこう言う・・・
「簡単じゃね?杭州着いたら窓口で"失くしたからまた印字してくれ"で済むんじゃね?」
うーむ・・・
確かに中国のチケットにはパスポートナンバーも名前も印字されていて、
他の人が拾ったところで使うことも出来ないのだから、システムとしたらそのまま印字し直してもらえばそれで済むような気もする・・・
杭州に着いて迎えに来たライブハウスの人もみんなも待たせたままひとりで窓口に行って並ぶ・・・
最初に行った窓口ではつっけんどんに「1番窓口に行け」と突っ返されたが、
1番窓口では丁寧に説明されてこんな説明書までもらった。
まあ要するに同じ便の同じチケットをまた新しく買って、
列車に乗って列車長とやらに何やら証明書を発行してもらい、
それを持って24時間以内に払い戻し窓口に行けば払い戻してくれるらしい・・・
ワシ・・・もう飛行機で帰りたいし、
失くしたチケットそのままキャンセルしてくれたらそれでいいんですけど・・・
「その手続きはチケットを発券した窓口でしか出来ません」
・・・ということは、
飛行機で帰って家に着いても、
その払い戻しのためにまたわざわざ北京西駅まで往復せねばならんのか・・・
「列車で帰ります(涙)」
というわけで、ライブ終わって3時まで打ち上げして、5時に起きて何とか杭州駅まで遅れずに辿り着いた。
念のために会う職員会う職員、安全検査の職員や、改札の職員や、列車に乗る時の車掌さんやら全員にその説明書を見せてどうしたらいいのか聞く。
やはり取り敢えずは乗って座って、列車長とやらに会って・・・
・・・ってどうやって会うんじゃい!!どこにおるんじゃい!!(怒)
まあ列車が発車してドアが閉まったら列車じゅう探し回れば会えるじゃろう、
問題は睡眠不足で二日酔い(まだ酔ってる)状態で、
気が付いたら爆睡しててこのまま6時間列車長とやらに会えずに北京に着いて放り出されてしまうことである・・・
寝たらいかん・・・寝たらいかん・・・
眠気まなこを擦っていたら車掌さんがスマホを持って回って来た。
若くてむっちゃ可愛い女の子である。
スマホの画面にはワシのチケット情報が表示されていて、
そのワシの座席目指して来たようだ。
「あのう・・・この方ですか?」
SUEYOSHI SATORUなどの日本名が表示されても中国人にはなかなかすっと読めるものではない。
恐る恐るそのスマホの画面をワシに見せて聞いて来る。
「そうです。証明書発行の件ですよね」
ワシがそう答えると彼女は可愛い顔をもっと可愛くくしゃっとさせて
「わー、よかった〜中国語が喋れるのね、外国人だからどうしようかと思って・・・」
もうね、か・わ・い・い・のだ〜(涙)
「列車長は9号車にいますので北京に着く直前、
そうですねぇ・・・13時着だから12時50分に9号車に行って列車長を訪ねて下さい」
ところがねぇ、隣のおっさんがワシが外国人だとわかるとワシの全ての行動を珍しそうに覗き込んで来るので鬱陶しい(>_<)
パソコンを取り出せば「おう、日本語だ!!どうやって打つんだ?」
車内販売を頼めば「お、外国人なのに中国語喋ってるぜ」
あのね、や・か・ま・し!!!!
そんなこんなで6時間、爆睡も交えて時が過ぎてゆくと、
またさっきの可愛い子ちゃんがやって来てこう言う。
「9号者には来なくていいです。列車長がここに来ますのでこの席で待っていて下さい」
また爆睡・・・もうすぐ北京に着くぞという頃に、
列車長ではなくまたこの可愛い子ちゃんがやって来た。
「私が貴方を連れて行きますのでこのまま降りたら私に着いて来て下さい」
もうね、全中国じゅうの職員という職員にこんなに優しくしてもらったことはこの26年間
の中国生活で一度もなかったので(いやこれホンマ)、
もうヘタしたらこの子に惚れてしまいそうである(涙)
駅に着いたら彼女はホームに突っ立ってるおっさんとこにワシを連れて行った。
言われた通りパスポートと切符を見せて、彼女が書いたのであろう手書きの書類にこのおっさんのサインをもらってハイおしまい・・・
これだけ?手書き?・・・
このまま可愛い子ちゃんはほっとしてまた飛びっきりの笑顔で帰って行ってしまい、ワシはおっさんとふたりで取り残されてしまう。
「出站口(ChuZhanKou):出口の意味」
と言って犬を追い払うような手振りをする。
中国やなぁ・・・(涙)
「出站口行ってワシはそれからどうしたらいいの?」
そうワシはおっさんに聞くのだが、
「出站口行ってそこにいる人に聞け!!」
しっしっしっ
もうね、これが中国、This is Chinaよ(涙)
出口から何からまた会う職員会う職員に聞いて回る羽目になる・・・
しかし出口に着いて初めて気付いたのだが、
これはワシが乗った北京西駅ではない。
着いたのは北京南駅ではないか!!!
まあ日本で例えて言うと、新幹線上野駅がまだ開通してなかった頃に、
大宮駅から出発してツアーして、着いたら東京駅だったみたいな話である。
例えばこれがまた窓口で
「発券した駅じゃないと払い戻し出来ん!!しっしっしっ」
などと言われてしまったら、
まあ例えて言うと、東京駅にやっと着いたのに大宮駅まで行って払戻せと言われて羽田近くの家に帰るみたいなもんである。
確か窓口には「払い戻しは発券した駅で支払った方法への払い戻しとなります」と書いてあったような・・・
このチケットを買ったのは張嶺のマネージャーで、
きっとネットで支払ってるからそこに払い戻しとなるのかも知れないが、
まあそれでも北京西駅まで行くよりは全然マシである。
払い戻し窓口で待つ!!・・・
順番が来る・・・
書類とパスポートと切符を出す・・・
緊張・・・
「手数料がかかりますがいいですか?」
おっ!!出来るのか!!手数料などなんぼでも払ってやる!!
って「じゃあ払い戻ししません」などという客がいるのか?!!(笑)
払戻し金は現金で来た・・・
ということはきっと失くしたチケットを払い戻したのではなく、
新しく買ったチケットを払い戻したのであって、
「その失くしたチケットの列車にちゃんと乗ってましたよ」
という証明書で、乗って着いた北京南駅で払戻せたのだ・・・
よかったよかった・・・もうね、モノは失くしません!!
いやホント、もう今度からチケット入れる場所考えます!!
まあパスポート失くすよりはマシやけど・・・
(関連記事:中国でパスポートを亡くすとこうなる・・・)
その1
その2
その3
その4
その5