
2022年2月27日
Roland電子ドラム使用レポート3(最新機器VAD706 )
コロナの為に延期になってた北京公演の為に先に北京入りした・・・
「北京にいらっしゃるならVAD706という新製品を叩きに来ませんか」
とRolandから連絡が来た・・・
「ヒマやしええですよ〜」
というわけでお邪魔しに行って来た〜・・・
感想はと言うと「何コレ?生ドラムやん(笑)」というルックス!!
音色は自分の音源モジュール T D 50XからS Dカードにバックアップして持って来てるので全く同じ!!
でも叩き心地はちょっと違う気がする・・・
同じようなメッシュパッドなのだが、その締め具合が違うのか、はたまたセンサーがちょっと違うのか・・・
どちらにしろ生ドラムだと全く違うのでそれと比べると「同じ」と言える程度である。
カメラマンがちゃんとした写真を撮ってくれたので、お礼に何か叩いて映像でも撮ってプレゼントしますよと言うと大喜び!!
ドラム叩いて喜んでもらえるならこんな嬉しいこともないので、さて何を叩こうかなと思ったのだが、世にある電子ドラムのDEMO演奏は大体最初から最後までひとつの音色で叩くのが多いので、こりゃやっぱり途中で音色をぽんぽん変えるのが良かろうということで、やっぱ「Vision Rocks」!!
ところがこれ一度やってるので、やっぱ別バージョンを叩かなきゃなぁ・・・
ということで時間を頂いてまた全部の音色を聞いてセットリストを組み直す・・・
オープニングの音色が一番イメージを印象付けるので、今回はティンパニの音を選んだのだが、「さてどんな風に闘うかなぁ・・・」と思って叩いていると、時々ティンパニの音程が変わる!(◎_◎;)
「これさっきは音が低かったのに今なんでこんなに高い音なんですか?」
と素直な疑問をぶつけてみると・・・
「ハイハットの開け具合で音程が変わるんです」
!(◎_◎;)・・・そりゃ凄い!!・・・ということでしばらく遊んでみる(笑)
録音はやっぱパラで録った方がよかろうということで、USBケーブルで音源モジュールとパソコンを繋いでProtoolsを回して録音する・・・
ところが前回と全く同じセッティングなはずが、何故かProtoolsがフリーズしてしまう!(◎_◎;)
出力がこのように32chのうちに無駄なものが多いので、チャンネルを半分以上減らして回してもやっぱりフリーズする!(◎_◎;)
仕方がないのでLogicを回してみたが、それはちゃんと最後まで止まらずに回った(ほっ)
ところが後でファイルを開いてみるといくつかのチャンネルで時々デジタルノイズが乗るのよねぇ・・・(>_<)
原因は不明!!
パソコンや設定は同じなので、USBケーブルが悪かったのか(前回はTypeCタイプで直接パソコンに繋いだが、今回はアダプターでTypeCに変換した)、もしくは音源モジュールの TD50Xのバージョン(ファームウェア?)が古いのか・・・
どちらにしろ、ちゃんと(でもないけど)叩き終えて持ち帰ってMixDownしようと思ってたが、
「じゃあ今の動画もうアップしていいですか?」
とスタッフの人・・・!(◎_◎;)
あかんがな!!そんなアンプからの生音を携帯で録ったようなん・・・
「ちゃんとミックスしたいい音のを送りますから!!」
と言うのだが・・・
「まだ音頂けませんか?もうあれアップしていいでしょ!!」
・・・と嬉しくて嬉しくてたまらんのかい!!(笑)
しゃーないのでむっちゃ焦ってミックスしましたがな〜(笑)
自分から「何か叩きましょうか」と言い出したのが悪かったのだが、そこそこ練習もせずにこんな難しい曲叩いたらあかんやろ〜(笑)
特にプログラムの切り替えは間に合わんかったのが多い〜(>_<)
まあでもRolandの皆様には喜んでもらえたしよかったよかった・・・
さて本番が近づいて来たある日、Rolandさんからこんなお願いが・・・
『Funkyさん、このVAD706単体もステージに並べて叩いてもらうということは可能ですかねぇ・・・」
ちょうど北京のステージは2段重ねの雛壇みたいになっていて、ドラムセット2台だろうが3台だろうが並べるスペースはある!!
そもそも最初の電子ドラムを使ったライブでは一曲を最初から最後まで電子ドラムで叩いた曲もあったので(その後変更して前半は電子ドラム後半は生ドラムに変更)、電子ドラムだけで叩く曲を作ってその曲だけ隣に並べたVAD706を叩けば良い・・・
「いいですよ!!」と安請け合いしたものの、当日のセッティングや配線が大変(>_<)
毎回のマルチトラックのセッティングに加えて、この新しい電子ドラムの入力を加えたわけなのだが、見事にアサインを間違えてて録音されてなかった(>_<)
DVDになると言うのでこれでは発売出来ない(涙)
・・・というわけで映像を見ながらアフレコ!!
これを見ながら
全く同じように叩くってこれどうよ!!・・・
・・・ところが録音し始めてみると最後にリットが〜かき回しが〜(号泣)
どうにかアフレコが終わってこんな感じ・・・
ドラムソロはしゃーないのでこのVAD706の部分のみオーディエンスマイクのみ(涙)
でも乱れ叩きでプログラムチェンジパッドを叩きながら次々に音色を変えてゆくのん面白い(笑):
(3:30辺りから)
というわけで面白いオモチャ(笑)で遊ぶのも終わってこのVAD706で一番印象に残ったのは・・・
電子ドラムやろ?どうせハリボテやろうと思ったらバスドラなんかむっちゃずっしりと重い!(◎_◎;)
「何が入ってるんですか?まさか重さまで本物のドラムに似せる為に?」
などと質問してみたら・・・
「開発のこだわりで、この中には色んな回路がいっぱい入ってるんです・・・」
って!(◎_◎;)!!!
一度中を開けて見てみたいのう・・・(笑)
というわけでこのこの新製品も貸してくれるわけでもなく(笑)北京の倉庫に眠ってたロートタムやらキャノンタムやらを銀川に送って複合セット最終形をセットアップ〜!!
布衣の新曲ではこのセットを使って、一応4種類の太鼓、
1、生ドラム
2、電子ドラム
3、ロートタム
4、キャノンタム
の全てを叩くという暴挙に出ました〜(笑)
次のレポートはそのレコーディングのレポートを!!!
続く
Posted by ファンキー末吉 at:22:12 | 固定リンク
2022年2月 3日
Roland電子ドラム使用レポート2(複合セット)
(前回の続き・・・)
コロナのためお借りしている電子ドラムを引き取りに来れないということでずーっとお借りしている(笑)
私が詰めているドラムスクールには、現在私しか叩いていない校長の生ドラムと、ステージにどどんと置かれた電子ドラムセット・・・
私の使い方と言えば、ドラムの練習は生ドラムでやって、基礎練習は電子ドラム!!
100万円以上する高級機種が練習台に(笑)
いやこのメッシュパッド(?)っつうのの叩き心地が普通のドラム練習台より気持ちいいのよねぇ〜
まあ生ドラムから比べたら全く同じではないけど、生ドラムではリズムは叩いても、基礎練習する気にはならんなぁ〜・・・ウルサイし(笑)
しかし、私とてこのような高級機種をただの練習台として埋もれさせておくつもりはない(キッパリ)!!
考えるに、電子ドラムはこれほど高性能になったとしても、やはり生ドラムではない!!
言うならば、アコースティックギタリストが、まあエレキも弾くけどやっぱアコギやな〜というのと同じである。
いや、でも世界では今では逆の現象も見られている・・・
例えばRoland社が世界に誇る電子ピアノ!!
調律は要らないしマイキングも要らない、シンセと違ってタッチも限りなくアコースティックピアノに近い!!
今ではもうステージにアコピがあるという状況の方が珍しく、クラシックや一部のアコースティックJazzを除いては、もう完璧にアコピに取って変わっているのが現状である。
ドラムの世界もいつかそうなるんやろか〜・・・
現状では多くのピアニスト達も、調律の問題やマイキング、ステージでのモニターはPAでの最終的な音作りの難しさを考えると、やはり電子ピアノの方が結果よいということでそちらを選ぶ傾向にある。
しかし、そういうピアニスト達も、家に生ピアノがあったら電子ピアノ弾かんでそっち弾くやろ〜(笑)
ただし、音楽が多様化している昨今、生ピアノだけで表現出来ない音楽もある。
ロックやポップスやJazzでもフュージョンチックな音楽には、今ではシンセサイザーのサウンドが不可欠であったりする・・・
そうすると、生ピアノの上や横にちょこんとシンセを置いたり、私にとってのエレドラはそんな感じの使い方かな・・・と思い立ち・・・組んでみた・・・
リハで使ってみる・・・
・・・ってこれが大変!!まず音色を選ばないかん(>_<)
これがこのTD50Xの音色ってむっちゃ多いのよね〜(涙)
ライブの録音を聞きながら、「この曲ならこの音色かなぁ〜」とか考えながら割り当ててゆく・・・
不累:68 Ana Hybrid
等不急:49 Back Street
啤酒:48 Sharp Popper
1,羊肉面:同
2,怎么办:43 Euro Studio
出发:41 Rock Maple
在你身旁:13 Loud Rock
5,莲花:不用
6,好风:04 Modern Jazz
7,荒野:12 Jazz Gig
8,就在那:17 Organic DnB
9,绿韭菜:同
我爱你:24 Jazz Machine
酒:68 Ana Hybrid
秋天:53 Forged Wood
罗马表:20 COmpreSS
丢:62 Space Disco
三峰:66 Plugs&Layers
ちなみに左側にあるのはプログラムの番号、これもRoland社のSPD-ONEという、叩いたらステレオでプログラムが出て、更にクリックがステレオで出るというスグレモノ!!
ツアー中にPAエンジニアとミーティングを重ね、最終的には彼がいじりやすいように、クリックチャンネルの右側もソロ楽器等を入れて、私はクリックの左側だけを聞くようにしている・・・
・・・てか、曲終わって電子ドラムのプログラムも変えて、同期のプログラムも変えてからカウント出してって大変やなぁ〜・・・・と思ってたら、予想通り初日にはプログラム番号を間違えたりしとるし〜(涙)
(混合セット初日のレポートはこちら〜)
いやね、複合セットはとにかく見栄えが壮観なのよ〜(笑)
左足がいつも迷う(笑)
布衣のようなアンダーグラウンドバンド(それでも食っていけるのだから中国は凄い!!)では、毎回自分のドラムセットを持って行くというわけにもいかず(っつうかこの広い中国では無理(>_<))、生ドラム部分は毎回その小屋のドラムを使わせてもらうので、当然ながら左右の色が違うようになるわけだが、なんか高校生の頃寄せ集めでツーバスセットを組んでた時(当時はツインペダルというものはまだ発明されてなかった)を思い出して懐かし〜(笑)
中国では(って日本でもそうか?)いわゆる多点セットってのは流行ってないらしく、見に来た人はこのルックスだけで度肝を抜かれる〜・・・
ワシらの時代はツインペダルもなかったからバスドラふたつ並べるだけで「スゲー!!」ってなもんで、タムなんかたくさん並べた日にゃ「なんて凄いドラマーなんだ!!」ってなもんやったけどなぁ・・・・(笑)
まあ初日なので色々問題は噴出するだろうなとは思ってたが・・・
一番大きなのは「モニター」の問題!!
表の音はPAエンジニアに任せるとしても、演奏してる人間が、電子ドラムと生ドラムを行き来する時に音量が同じじゃないとキモチワルイ(>_<)
またモニターというのは演者の前にあり、ドラムセットは後にある。
ある時は後ろから聞こえて、ある時は前から聞こえるというのもちとキモチワルイ(>_<)
また、私の生ドラムの音はデカいらしく、この数百人ぐらいの小屋なら、モニターからなんか返さなくてもステージ上どこにいても生音で聞こえて来るが、エレドラはモニターの前から離れると聞こえて来なくなる・・・
そこで解決策として、次からエレドラ用のアンプも用意してもらって、それをドラムんとこから爆音で発音させればどうかということになる。
結論から言うと、ひとつではやっぱ足りんかった!(◎_◎;)
どんだけ大きいねんワシの生音(>_<)
・・・というわけで2つ持って来てもらおうともなったのだが、それより先にメンバーの方がこの状況に慣れてしまった(笑)
問題は他にも色々と噴出した・・・
まず基本的な使い方として、メタル系のヘビーな音色は、生ドラムよりエレドラの方が迫力あるかなと思っていたのだが、実はそれが逆で、盛り上がる時に生ドラからエレドラになると逆に盛り下がるという・・・
原因には大きく分けて二つあるのだが、まず生ドラムの迫力がエレドラより凄いということ(ワシだけか?笑)。
ボリュームを上げれば誰が弾いても大きな音になるのとは違って、力の限り叩いて相手に届かせようとする(ワシだけか?笑)生ドラムの音の方がはるかに「説得力」があるのだ。
「表現力」という点でもそうである。
MIDIで言うと、ベロシティー(強さ)というのはたかだか127段階しかないのだ。
しかもその全てにそれぞれ127種類の音色を割り当てているわけではない。
それに反して生ドラムは無限にあるのだ・・・
このブログでも書いたが、私はスネアの音色だけでも大きく分けて4種類、それを大きく振り下ろすのと小さく振り下ろして力を入れるのも加えると8種類、そしてそのベロシティーは無限に細分化されていることを考えると、「表現力」という点においてはエレドラが生ドラムに勝るわけはない。
要は「使い方を誤った」のである。
誰がアコギや生ピアノの泣かせる独奏をエレキやシンセでやりますか?
「楽器」にはそれぞれの「持ち味」があるのだから、そこを「奏者」が上手く「持ち替え」なければならんということであった(>_<)
この教訓から、「派手な曲は基本生ドラ!!」ということで方針は決まり、その代わり、ちょいと何もせずに遊んでいる左足でサビとかにエレドラのバスドラも一緒に踏んでやるとか・・・(これなかなか良い)
手は足りないのでスネアとかを足すのはこの曲では出来んが、他の曲ならこのような考え方で全く別の「アディショナルな使い方」は出来そうだ・・・
それより何より、逆にレコーディングではループやループっぽい叩き方をしている部分をエレドラで叩くと、これがなかなか良い!!
ループでもないし、かと言って生ドラムでもないといった「エレドラ独特の良さ」を表現出来る・・・
こうなると「音色選び」が何よりも重要になって来るのだが、ちなみに私はクリックを聞くイヤホンと一緒にエレドラもイヤホンで聞いているのだが、実際にPAスピーカーから出てる音が楽曲に対してよかったのかどうかは、唯一下で聞いているPAエンジニアにしかわからない。
「あ、あの曲のエレドラがとても良かったよ」
と終わった後の打ち上げ(この年になっても年間100本のツアーで必ず打ち上げをする笑)でエンジニアが言ってたので、
「どの曲?どの曲?」
と聞いたが・・・・「忘れた」と(>_<)
まあ最終的に音色を決めるのにはまだまだ長い長い時間が必要です。
それに70音色もあるのだ、まだ全部理解出来てない(涙)
さてそれより他に、ライブで使うならではの問題が噴出して来た・・・
エンジニアがこう言う・・・
「エレドラの音をもっと出そうと思ってもねぇ〜そしたら他の音がマスキングされちゃったりさぁ〜生ドラだと全部それぞれをEQして上手く調整してんだけどねぇ・・・」
これはタムのチューニングのやり方とかを聞かれた時にいつも言うことなんだけれども、
「レコードで聞いてるタムの音は生のタムの音ではない」
ということである。
中音域にはギターやボーカルなどのメイン楽器が密集していて、それにマスキング、もしくはそれを際立たせる為にタムのその辺の周波数をカットする。
結果聞こえて来るのはアタックとボーンという「鳴り」の部分だけで、生のタムでそんな音を作ろうとするからヘッドをベコベコに緩めて全く鳴らないチューニングにしてしまう・・・
みたいな現象がPA席では逆のこととして起こってるわけである。
生ドラムの音はもうサウンドチェックでそれなりのEQをかけて作り上げているのだが、どの曲でどんな音色が出て来るやらわからんエレドラを目一杯上げることは出来んということだ・・・
解決策としては、全音色それぞれをPAの意見を聞いて内部で全部EQするのはあまりにも現実的ではない。
というわけで、とりあえずとしては「パラで出す!!」ということである。
現状の2ミックスだけでは、ざっくり中音域をカットするとスネアの音色にも影響するし、パラで出しとけば、まあ音色は曲によって変わるにしろ、全体的にミックスするための必要な周波数帯域をあらかじめ空けておくことが出来る・・・
というわけでそうなると今度は結線が大変!!
これから更に「バスドラ」「スネア」「ハイハット」の単独回線が増えるということである(笑)
出力先を変えるのはここ〜
ここでDirect1をバスドラ、Direct2をスネア、Direct3をハイハットにして、残りは全部マスターアウトにしとく。
まあエフェクトとかもマスターに行くけど、それはまあ致し方あるまい・・・
布衣は全てのライブをマルチで録音しているので少々バランスが悪くても後で調整出来る・・・
というわけで色々あったけど、Roland海外支社の人が「こんな使い方してる人いない」と言うからには世界初の複合セットでのドラムソロ!!
いや、これRolandさんが運んでくれてセッティングまでしてくれるから出来るんであって、毎回コンサートでこれは無理!(>_<)
はい、そして次はRoland中国のお膝元、上海!!
実はこの日は車のトラブルで電子ドラムが時間通りに着かなかったのよね〜(>_<)
(詳しいレポートはこちら)
せっかく用意してもらった「叩いたらプログラムチェンジ」パッドも結局使えんかった〜(>_<)
でも複合ドラムソロはいつもと同じ〜!!
さて次の蘇州では、ついにオープニングに「ひとりドラム」!!Vision Rocksの複合ドラムセット版です!!
今回の目玉は叩いたらプログラムをチェンジしてくれる便利なパッド!!
(スネアの向こうの小さな三日月型のやつ)
複合セットでは音源モジュールがちょっと手元から遠くになるのでこれあると助かる〜
ドラムソロは同じような感じ〜(笑)
(この日の詳しいライブレポートはこちら)
終演後に電子ドラム嫌いな私をここに引きずり込んだ張本人のインタビュー!!
ここにはRolandの製作の方も来て下さって一緒に飲んだんだけど、興味深い色んな話を聞かせてもらった・・・
やっぱ一番苦労したのはハイハットなんですと!(◎_◎;)
そう言えばあれは複雑極まりないコントロールやろうなぁ・・・
じゃあ次に複合セット置けるステージは北京公演か?
その時にはじっくり彼の苦労を感じ取って叩かせて頂こう・・・・と思ってたらコロナで北京公演延期?!(◎_◎;)
・・・続く
Posted by ファンキー末吉 at:12:22 | 固定リンク
2022年2月 2日
Roland電子ドラム使用レポート1
ことの始めはキーボードの張張(ZhangZhang)がRolandのモニター(もちろん鍵盤の)になり、
「電子ドラム担当の人がFunkyさんのファンで、是非紹介して欲しいって言ってるんです〜」
ということで飲んだことが始まり・・・
まあ開口一番「電子ドラムって嫌いなんですよねぇ〜」とか言ってるんだから、先方もさぞかし戸惑われたことであろう(笑)
「じゃあ一度使ってみて下さい」ということで私が詰めている寧夏回族自治区銀川のドラムスクールに電子ドラムが届いた!(◎_◎;)
本社がある上海から、わざわざ担当社員である中国人スタッフ(彼もドラマー)も来てくれてセッティングをしてくれた!(◎_◎;)
結線とか設定とか、ややこしそうで自分では絶対にやれんし〜(>_<)
色んな音色を叩いてみる・・・
ちなみにそれ専用のアンプも送ってもらった。
何故なら、エレキギターはギターとエフェクターとアンプでひとつの楽器やろ〜
ならエレドラもそうであるべきやと思ったのよ〜
酒場とかでエレドラしかなくて叩くこともあるけど、パタパタいうPadの音の方がデカい場合も多く、せめて生ドラムのように(私が叩く場合は特に)爆音で聞かないと全く叩く気がしないと思ったのよ〜
しかし音色が多い!!70種類を全部叩いて見たけど、多すぎて覚えられん(>_<)
でも個人的には生ドラムをシミュレーションした音色よりも、生ドラムでは絶対に出ない音色の方が好きなようである・・・
リムショットもちゃんとそんな音が鳴る!(◎_◎;)
ちなみにJazzでのブラシ奏法にも対応しているらしいが、それは色々と設定が難しくまだ実現していない(>_<)
軽く100万円を超えるこんな高級機をぽんと貸してくれてるお礼に、ラテン系の音色を使って「炎の靴」を叩いて、ビデオを撮ってみた・・・
ちなみに録音はステレオアウトからのライン録音なのであるが、どうも叩いている時に聞いている音と違うのよね〜
だんだん使ってゆくうちにわかって来るのだが、この専用アンプでも正確に音を再生し切れてない!(◎_◎;)
特に私の場合、自分が叩く生ドラムの音って相当デカいので、必然的にアンプの音量をむっちゃ上げることになる。
そうすると特にバスドラとかの低音は既にスピーカーが悲鳴を上げとる(>_<)
理想はと言えば、どデカいPAセットで余裕を持って再生しないと、ドラムとかの打撃音って正しく再生されないのではないかと思う・・・
まあ音色的には実は音質のいいヘッドホン(私の場合はライブでも使っているイヤホン)で聞くのが一番なのよね〜音圧はないけど・・・
というわけでその後ずーっとイヤホンでエレドラを聞くこととなる・・・ちなみに職業病の難聴なので音量いつも最大(笑)
さて、Rolandの私担当(と勝手に思っている)スタッフの王くんも上海に帰ってしまい、その後ひとりでこの高度な機械と格闘することになる・・・
ありがとう王くん〜
ちなみに私は機械は得意である!!
自慢になるが、今ではアマチュアバンドでも「同期」と言ってプログラムに合わせてライブをやったりするが、当時プロのバンドでも誰もやってなかった頃、爆風スランプでは私が全部音源を打ち込んで、ステージでイヤホンでクリックを聞きながらプログラムを出していた(ドヤ顔)・・
というわけで、パール楽器のVisionシリーズの為に作ったこの曲を、Rolandの電子ドラムで叩いてみようと思いつく〜!!(笑)
この曲は組曲になっていて、パート毎に音色を切り替えて叩いたら面白かろう〜というわけで、まずは「Set List」というものを作って、気に入った音色を順番に呼び出セルようにしてやる・・・
これで「叩く」ということに関して準備完了なのだが、問題は「オケをどのように聞いて叩くか」ということである。
私は「ひとりドラム」の演奏とかでは、左にクリック右に伴奏データを入れたMP3を再生して、その出力を二股で分けて、片方の両チャンネルを自分のイヤホンで聞き、もうひとつの右側だけをPAに送る。
その方式でイヤホンを使うと、エレドラの音を聞くイヤホンはどうするんだ?ということになる・・・
どうせエレドラはライン録音で、外の音は全く録音されないのだからどちらかをスピーカーで出してもよいのだが、この音源モジュールには『Mix in」という端子があって、音源をそこに繋ぐと、エレドラのイヤホンからその音源も聞こえる、しかもそのボリュームも本体で調節出来るという便利な機能がある・・・
ところがもっと便利なのは、ステレオのオーディオデータとクリックデータを用意しておけば、そのオーディオとクリックと同時に再生してくれるという機能もあるのだ!(◎_◎;)
これだと今までのようにオケがモノラルで我慢することもない・・・
とりあえずこの方式でオケを聞くことにする!!
準備としてはステレオのオケデータと、その同じファイル名に「_Click」を付けた二つのデータを用意して、それをSDカードに入れて、Songでそれを再生すればよい。
オケは本体のSongのボリュームで、クリックはClickのボリュームで調整出来るので便利である・・・
いや〜この曲久しぶりにステレオで聞いたわ〜(笑)
さて次はどうやって録音するかということなのであるが、どうやらこの音源モジュールTD-50X本体(SDカード)に叩いた音データと共にMIDIデータも録音出来るようである!(◎_◎;)
MIDIで録音出来たら、最終的に音色も変えることが出来るし言うことない!!・・・と思ったら、この録音形式は曲の途中で音色を変えられないことが判明(>_<)
そしてまたこの分厚い(言うてもPDFですが笑)説明書を隅から隅まで読んでいると、何とこのエレドラの音源モジュールTD-50Xをパソコンに繋いでマルチトラックでレコーディング出来ることを発見!!
さっそく繋いでProtoolsを立ち上げてみるのだが・・・
いやね、この32chの出力ってむっちゃ無駄が多いし〜(>_<)
まずCh11以上はひとつの音色が二つのチャンネルにアサインされている・・・つまりステレオチャンネル使ってモノラル(>_<)
そしてデフォルトではDIRECT出力、つまりCh3〜10にもKickやSnareなど同じ音色がアサインされてても更に無駄やろ〜(>_<)
ところが一度試しに録音してみたら新たな問題が〜!!!
Ch11以上に録音されている各ドラムの音がペラッペラ!(◎_◎;)
よく調べてみると、この音源モジュールには、太鼓単体の音と共に、オーバーヘッドマイクの音や、部屋の残響の音(Room)、そして電気的なエフェクトの音など色んな要素の音があってこの音色になっているのであって、それがデフォルトでは全てCha1-2のMasterにアサインされている・・・
そして一番困ったことに、叩きながら聞いている伴奏データやクリックもここにアサインされているので、このチャンネルの音は結果的に使えないということになるのだ(>_<)
というわけで、このページでそのアサインを変えてやる・・・
そうするとこんな理想なアサインとなるわけである・・・
(オーバーヘッドやRoom、エフェクトとかをDIRECTアウトにアサインし、Clickの音はイヤホンからだけ聞けるようにし、プログラムの音もDIRECTアウトにアサインしている)
実際に録音してみると、Tom2のPadは接続されておらず、AUXにも接続されていないのでこのチャンネルは無音・・・つまり無駄である・・・
あとCh11より上の、2chとも同じ信号が来てるんなら、ひとつを殺してモノチャンネルにしてしまえばトラック数も容量も節約になるのだが、後で何が起こるやら分からんので一応このままにしておいてテンプレート作成〜!!
いざ録音!!
とりあえず、録音してみて思ったことは、音色によってやっぱ音量がかなり違う・・・(>_<)
ミックスダウンで何とか整理してみたけど、これってライブで使うにはやっぱ各キットのそれぞれの音色をエディットせないかん?!(◎_◎;)・・・大変やん!!(涙)
一応シンセとかでも、なるだけデフォルトのまま使いたいのよね〜キリないし(笑)
あと、これらの音色作った人(特に生ドラムの音色)凄い!!・・・ドラムがわかってるっつうか、ちゃんとしたドラマーが製作に参加してるな・・・
サンプリングの音を録音した人も凄い!!自分もドラムのレコーディングしてるからわかるけど、スネアやタムのチューニングもちゃんと出来てるし、Roomとかオーバーヘッドとかちゃんと録音されてるし、そのレコーディングエンジニアも凄い!!
もっと凄いのは、そのサンプリング音源から胴の厚さとかをエディット出来たり、太鼓とマイクの距離とか、バスドラのビーターの種類まで変えられるん?!(◎_◎;)
やらんけど(笑)・・・でもこのデジタルエンジニアも凄いと思うわ〜・・・(感心)
とりあえず今回のレポートはここまで!!
いや〜わからないことがあったら王くんにメッセで聞きまくってたけど、
「国内でここまで使いこなしてるドラマー初めてです」
とか言われてちょっぴり嬉しかったけど、どんな質問にも答えられる王くんも凄いし、これ・・・まだまだ機能のほんの一部分なのよね〜(>_<)
ってか実はもっと大きな問題なのは、私はエレドラを単体で使うチャンスはまずないのよね〜・・・
使うなら、生ドラムの中にエレドラを組み込んでくるっと回ってどちらも叩きたい・・・
この人みたいに・・・
この人は左側にキャラの違うドラムセットを組んでくるりと回って叩き分けてるけど、それをエレドラでやりたいのよね〜
・・・というのも、最初から言ってるようにエレドラは生ドラムの代用ではない!!(と私は思っている)
全く別の楽器なのだから、エレドラでしか出来ないようなものを演奏する別楽器としてセットしたい〜
例えば流行歌でよくある、LOOPの部分とかをエレドラで生で叩くとか・・・そんな使い方をしたいな・・・
というわけで次のレポートは、最終形のこの形に至るまでのレポート!!
実はその生ドラとエレドラの複合セットをライブで使ったのよね〜
録音のやり方はまた全く違ったものになるし、ライブのPAエンジニア、そして一緒にプレイしているメンバー達の反応はどうだったのか!!
お楽しみに!!