IT領域の製品やサービスを提供する際、避けては通れない障害対応。簡単な修正対応で解決するものから大規模なサイバー攻撃まで、どのプロダクトにも障害のリスクは常に存在する。臨機応変な対応が求められると思われがちな障害対応だが、大手SIerにて過去12年間システム面のトラブルシューティングに対応している野村浩司氏は、「事前に行う小さな決定が、被害が拡大するかの分水嶺だ」と説く。野村氏が語る、障害対応時に意識すべきポイントや具体的な事例を見てみよう。 増え続けるシステムエラー、障害対応の苦しさと課題 これまで1,000件を超える障害に対応するなかで、「悲しい思いがたくさんあった」と振り返る野村氏。講演は、システム障害についての統計を示すことから始まった。 野村氏によると、日本国内におけるシステム障害の年間損失額は5兆円にのぼるという。障害が起こりにくいと思われがちな金融庁への障害報告件数も1日当た
