最初は何か具体的な目的(本業の宣伝とか)があったわけではなく、ただ、自分が2秒で適当に考えた話で大勢の人間が右往左往してるのが面白かっただけだ。
それが変わったのは数年前。
DMでこんな奇妙な依頼が届いた。
××(とあるテーマ)に関する“体験談”を持っていたら表で語ってもらえないだろうか。受けてもらえるなら報酬はお支払いする。
体験談とは書いていたものの、向こうもこっちが普段書いてるものが嘘松だと、察していることは明らかだった。
どう見ても怪しいし釣りか何かかとは思ったものの、当時ちょっと自暴自棄になっていた自分は結局この依頼を受け、指定されたテーマの嘘松を翌日投稿した。
驚いたことに、報酬は約束通り支払われた。具体的な金額は言えないものの、嘘松ひとつには見合わない大金だったのは間違いない。
いよいよキナくさくはなってきたものの、このカネの力の前には理性など簡単に消し飛んだ。味を占めた自分は、以後も引き続き送られてくるようになった同様の依頼を、粛々とこなす生活に入っていった。嘘松のビジネス化である。
依頼者の素性や目的はいまだに明かされてはいない。が、一つ想像していることはある。
過去に受けた以来のテーマ(業種やコンテンツ)についてのニュースを、その後しばしば見かけるようになった。それもただのニュースではない。事件に近い形のものばかりだ。最初は偶然かとも思ったが、それでは説明がつかないほどの頻度でそういったニュースを毎日のように目にしている。
恐らくだが。自分の嘘松は、一種の観測気球として使われているのではないだろうか。
嘘松に反応(RT等)するアカウント。それは、(自分で言うのもなんだが)この程度の稚拙な嘘であってもこのカテゴリの話題でなら簡単に信じてしまう人間である、と全世界に向けて宣言しているようなものだ。
依頼者は、そういった騙されやすい人々をリスト化することによって、何らかの「商機」としているのではないか。
依頼と振り込まれる報酬以外は、すべて自分の想像に過ぎない。だから、タイトルは現時点では少々大げさ過ぎる表現ではあるだろう。
AI構文は嘘松と相性がいい。
いいね非公開になったけど
リポストは見えるよ
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