プロボクシングWBA世界フライ級王者ユーリ阿久井政悟（29＝倉敷守安）が27日、スパーリング合宿を積む東京・新宿区の帝拳ジムで練習を公開した。3月13日、東京・両国国技館でWBC世界同級王者寺地拳四朗（33＝BMB）との王座統一戦を控え、シャドーボクシングとサンドバッグ打ちを披露し「すごく順調にきている。拳四朗選手の嫌なリズム、間合いに惑わされないように。そういう練習してきました」と手応えを示した。

今年2月2日から地元・岡山から上京し、今週末まで東京で実戦中心メニューに取り組む。3月3日以降は岡山で体重調整を続け、同13日の大一番に向けて再び上京する見通しだ。WBO世界ライトフライ級王者岩田翔吉、21年の世界選手権で日本人初の金メダル（バンタム級）を獲得した坪井智也、日本ライトフライ級1位の世界ランカー高見亨介（すべて帝拳）らとスパーリングを実施。ユーリ阿久井は「いろいろな選手と1カ月という短い期間で集中してスパーリングできたことは収穫だと思う」と自信の表情を浮かべた。

今年6月末に妻夢夫人との間に第3子（男児）が誕生する予定。長女千聖ちゃん、次女琴乃ちゃんとともに勝たなくてはいけない理由が新たに増えた。ユーリ阿久井は「世界王者のまま（第3子が）生まれてくるのを迎えたいと思う」と気持ちを高揚させた。

昨年10月のタナンチャイ・チャルンパック（タイ）戦で2－1の僅差判定勝利後、母校の環太平洋大に通ってフィジカルトレーニングを徹底したという。ユーリ阿久井は「（大学での）メニューをほぼ毎日やって。体重の影響はない。筋肉量を増やすとかではなく、体幹とか基本的なところなので」と意図を明かした。

2週間後に控える世界2階級制覇王者・寺地との王座統一戦に向け「決まった時は統一戦かと思ったが、普通に時が流れていくので普通の試合かなと。どんな試合でも勝ちにいくことに変わりはないので。そこはあまり気にしていない」と最後まで自然体を貫いていた。