大相撲春場所(3月9日初日、エディオンアリーナ大阪)で、新三役の関脇昇進が決まった王鵬(25=大嶽)が25日、大阪市内の部屋で会見した。父の元関脇貴闘力との親子三役は史上7組目。祖父で「昭和の大横綱」大鵬との3代にわたる昇進で、東京都出身の新関脇は元大関栃東(現玉ノ井親方)以来、9人目となった。
会見では開口一番「よかったなと思っています。まだ(番付を)見ただけなので、実感という実感はわいていないですけど、ずっと目指していたので」と、喜びをかみしめながら話した。
これまでにも何度も、三役昇進のチャンスはあったが、番付運に見放されたこともあり、なかなかつかめずにいた。それでも1月の初場所では、西前頭3枚目で12勝3敗の優勝同点。当時大関の豊昇龍、前頭の金峰山との優勝決定ともえ戦にまで進んだが、わずかに初優勝には届かなかった。それでも、同場所で初の三賞となる技能賞を受賞し、次の本場所で新三役にも昇進。「(入門当時は)そこで取りたいなと思っていた。自分がやってきた結果。コツコツやってきたことが、ちょっとずつ身に着いて、ちょっとずつ、ちょっとずつ力をつけてきたのかなが一番」と、昇進に至った理由を自己分析した。
初場所で2度目の優勝を果たした豊昇龍が、場所後に横綱に昇進した。同学年で入門同期。「すごいなと思っています。あまり人と比べたりとかして、生きてこなかったので自分のできることを。多少は(意識)しますけど、皆さんが思っているほど、そんなに意識はしていないです」と、自分の道を進むことを誓っていた。春場所に向けては「ここからは勝つのが仕事になっていくと思うので、しっかり、安定して勝てるようにしていきたい」と、力を込めた。