はてなキーワード: 書店とは
あの時は本当にひどかった。
実際に存在するかも怪しい「娘」の一言をきっかけに、フェミニスト、腐女子、共産党関係の運動家などがタッグを組んで大暴走。
もちろん、はてな内のサヨクもこれに同調して、上から目線で好き放題規制論をぶっていた。
それだけではない。
赤いきつねという定番商品、アニメという巨大産業がターゲットとなった今回と違って、
ラノベという世間から一段も二段も低く見られているコンテンツが対象だったため、オタク内からも便乗した叩きが続出していた。
ラノベ関係者から見れば、あれはまさに地獄と言っていい状況だっただろう。
最終的には、実際に書店へのラノベ平積み禁止を訴える直接行動なども起こっていたらしい。ひどい話だ。
あれ以来俺は、この国に本当の意味での表現の自由などないと思い知った。
自分が自由でいたいなら、誰かを不自由な生贄に捧げなくてはいけない。そういうシステムがこの社会にはあるのだ。
熱を感じた。
勢いで書く。
はっきりと理解した。
僕がこの人生で最も求めているものは「ドラマティックであるか」だ。
自分の行動がドラマティックな結果になるか、そのためにはどう行動すればよいか。
そこだけに注力して今後の選択を決めたい。
たぶん2時間くらい彷徨いて、さすがに何も買わないで退店するのは気が引けるので、
大昔に読んだギャグ漫画のセリフに出てきたタイトルの小説を買った。
それだけでは話が膨らむわけもなく、
関係者や、犯罪者サイドの思惑や背景、入り組んだ人と人との心情を描いており、
僕には心地よいテンポで話がすすむ。
ちょうど犯人の不合理な行動に対して、主人公とその仲間が考察するシーンを読んでいて、
ああドラマティックであるなと感じた。おもしろーと感じたのだ。
+++++
あるいは、
これまでの自分の生き方に後悔したことや、これから自分はこのように生きていたいと、
僕はある。
何十冊と本を読み込み、
何百枚もメモを書き出し、
この結論に至るのに、
これまでの自分の行動や、行動によって得られた結果や、その時の気持ちの振り返りに
本当に途方もない時間をかけた。
いや、かかった。
この結論は今日まで、ついさっきまで、僕自身の中で3年以上支持された行動原理であった。
しかし、実はここ半年ほど「そうでもないかもな」という気持ちが、行動が表にでてきていた。
具体的な話をしよう。
昨日、スロットで5万負けた。
先週は5万勝ってた。
スロットをやりたくなったとき、気持ちに歯止めがきかない。止めるつもりもない。
この気持ちは突然に湧くので、「勝てない」状況でも行ってしまう。
例えば、当たればでかいけど、当たらなければすごいスピードでお金を溶かす台、
手持ちが1万程度しかないのに、数万突っ込まないと勝ちの土俵に上がれもしない台
閉店間際で、連チャンすればずーっと続いてしまう台などで遊ぶ。
負けるのがわかっている状態でスロットをすることは「楽しくない」ことだ。避ければいい。
負けたいわけじゃないんだ。
そこから一気に捲り勝ちする快感が、経験がスロ屋へ足を向かわせる。
利根川か、蔵前あたりだと思うのだけど、似たようなニュアンスのセリフが頭から抜けない。
マンガでそのセリフを読んだその時は「追い詰められるとそんなふうに感じる人もいるのだな」位に思ってた。
まるで人ごとのように感じてたけど、それが間違ってた。
だから、誰のセリフか、どの福本マンガのキャラのセリフかは覚えてないのに、
+++++
この立場に至るまでは中々ドラマティックであった。もちろん楽しんでいた。
家族のために求めた「安定」は獲得したけど、
どこか虚ろというか、なんか違うなという感じを拭えていなかった。
そういった「楽しくない」選択をしないで済むところまではきていた。
楽しくない選択を選ばないでよい = 楽しい選択をしている でないとは気がついていた。
気づいていながらも放置していた。楽だし。
望んで手に入れた環境ではあるのに、
全力を突っ込めばまだまだ成長の余地はあるのに、
僕がいなくても会社は回る。
拗ねてない。
同じくらいまとまった金が欲しかった。
両方を手に入れるために、一番最適なことをコツコツと積み上げた。
「楽しくなる」と信じて。
今それはある程度のところまで来ている。
この活動が大成したときのドラティック具合は半端ではないことを知っている。
失敗して活動を辞めてしまっても、挑戦したドラマが自分の中に残る。
+++++
いまこの事象に巡り会えたことは、この先に活かせるのではないか。
結果どハマりして読んでる最中に
今後数年の行動原理となる「ドラマティックであるか」に気がつけた。
男はテーブルにつき、
メニューを供されるのを待ったが、
そうこうしているうちに、レストランの奥からシェフがやって来て言うのだ。
「時間になりました。お帰りください」
男は困惑して尋ねる。
「メニューが供されなかった」
シェフは答える。
「この店にメニューはありません。お客様が望むのであれば、なんでも提供できたのですがね」
男は行動しなかった。何でもできたのに「メニューが供されるのを待った」
時間切れってのは死のことだろう。
僕はまだまだ身体も頭も動くんだ。
ジジイになったとき、なんでも経験してたジジイと評価されるようになってやる。
おしまい。
カローラIIに乗って買い物に出掛けたら、
財布忘れてそのままドライブしようかと思ったけど、
そうはいかないので
これ1回買い物カゴのキープどうしたらいいのか?分かんないじゃない!
うーん、
もうこれは旅の恥はかき捨てっていうけれど
旅先じゃなくてももうえいや!って店員さんに思い切って尋ねてみたの。
そしたら「サービスカウンターでカゴお預かりできますよ」って言うじゃない!
私はよし!しめた!
何分ぐらいで戻ってこられますか?って言われたので、
そう指の数だけを言えば4本!
と4本と出しながら答えたのは3分。
3分で充分よ!って
私は買い物カゴにアイスが入っているので、
そりゃー急いで家まで帰ったの。
一番最寄りのマーケットで徒歩で行けるところの場所にあるマーケットで財布を忘れてしまってトホホ。
私は約束した3分を超えてしまって急いでダッシュ一番を決めたものの9分フラット!
新記録よ!
3分で戻って狂って言って嘘ついてごめんなさいって。
中条きよしさんばりの折れたタバコの吸い殻で嘘をついたのが分かる様に。
9分かかったけど戻ってきたわ!
セリヌンティウス!って。
サービスカウンターの係の人は何事もなく私が3分で充分よって言ったことも忘れていたというか、
係の人が変わっていたから
わざわざ9分かかりました!って申告しなくても良かったのかも知れないわ。
私は無事買い物カゴを奪還してお会計を済ませて
アイスクリームをペロペロしながら帰ったのよ。
あれってさ、
普段電子決済できるお店だと手ぶらで何でも買い物できる時計やスマートフォンで便利だけど。
その便利さゆえ、
ついついお財布をノールックで忘れちゃうことがたまにあるのよね。
サザエさんを地で行く感じ。
一応今日学んだことは、
買い物途中で財布がないことに気付いたら、
一旦サービスカウンターに買い物カゴ預けてコンティニューできるってこと!
日々学びね。
あれ?ポケットにお財布がない!って気付いたときはサーって血の気が引くわ。
そんな気持ちを抑えて、
えいや!って聞いてみて正解だったわ。
私は無事買い物を終えて帰路についたんだけど、
ここのマーケットってさ
若干遠いのよね。
最寄りの一番近い電子決済がなんでもできる大手のチェーンのマーケットのお店だったから
多少高くても多少お惣菜が美味しくなくとも
近いって理由だけで行ってたのよね。
それがさすがのお惣菜の不味さ不評さに
地域住民の胃袋をガッツリ掴むことが出来ずに閉店してしまったのよ。
で、
そのお店が無くなってよその近くのお店のお惣菜買って食べるでしょ?
美味しいのなんのって!
今までよっぽどそのお店のお惣菜の出来栄えがあんまりよろしくなかったんだわ!ってなるほど閉店してしまう理由の一つの一番かも知れないわ。
分からないけれど。
それからは、
近いお店が何軒かあるものの
歩いてはちょっと遠いぐらいで
しかも現金決済のみとかカードだけ電子マネーは他使えないとか。
それらのお店のお惣菜の美味しいことに気付かせてくれたのは意外だったわ。
逆に言うと、
閉店したお店って、
もうちょっとお惣菜部門気合い入れてやったら起死回生したのでは?って思うのが悔やまれるのよね。
でもそれ以前から
なんか危なさげな閉店の気配は迫ってきていたのよね。
そのマーケットは4階建てで、
書店は小さくなるし、
縮小の一途なのよ!
そしてしばらくして告げられる挙げ句の果ての閉店のお知らせ。
やっぱそうかーって。
そんな閉店の思い出を思い出しちゃうわ。
とりあえず、
お財布を忘れても取って戻ってきてお買い物の続きができるって知ったことだけが
今日の成長ね!
不意の財布忘れ。
あちゃー!ってなるわよね。
走れメロスのメロスもきっと同じ気持ちだったのかも知れないわ!
走り出してしばらくして財布忘れたことに気付いて、
戻ってもいい戻れる距離ってあるじゃない。
この臨界点行くか戻るかってところが葛藤の作中のポイントよね。
きっとそんな内容でしょ?
私はそれを先に読んでいたら
財布を忘れることはなかったと思うし、
これ何度かやっちゃってるので、
さすがに今回はヒヤッとしたわ。
以後気を付ける!
心の中にメロスを持って。
うふふ。
迷ったらこれと決めている相場がある変動しそうな新製品がないのでやっぱりハムタマゴサンドにしました。
背に腹はかえられないわ。
美味しくいただきました。
ホッツが身体に沁みて温まるわ。
すいすいすいようび~
今日も頑張りましょう!
全巻無料とか、10巻まで無料とか、最近は電子ストアでよくフェアをやっている。
みんな、それを平然と許容しているのが理解できない。
「私の好きな作品が無料公開されている!この機会に読んで!」なんて、なんで言えるのか、全くわからない。
俺は、自分がお金を払って購入した漫画が、他人に無料で読まれるのが快くない。
この前なんて、俺がまだ小学生とか中学生の頃に、必死でお小遣いを貯めて、ようやくそろえた漫画が、無料で公開されていた。
うちの本棚にずっと置いてあって、黄ばんでいたのがちょっと誇らしかったような作品が、なんだか、何の価値もないように思えてきた。
俺は、そのストーリーの続きが読めることに、キャラクターの行く末を知ることに、お金を払ったのに、それを無価値にされてしまった。
月の小遣いを貯めて、漫画を買いに本屋さんに走った時間や思い出が、全て、無価値にされてしまった。
昔、同じようにお金がない中、必死で手に入れたビジュアルゲームの動画がyoutubeに全てアップされていた時の憤りに似た感情だった。
「いずれどこかの書店で無料になる可能性がございます」なんて言われた記憶もない。
それを知っていれば、定価で買わなかった。
ブックオフでの本の探し物、そして流れてきた曲の歌詞ですね。面白い状況ですね。
「あなたはあなたのままでいて」という歌詞が、本の購入意欲を減退させたとのこと、なるほど、ごもっともなご意見です。
なぜそう感じたのか、いくつか考えられる理由を一緒に考えてみましょうか。
個性を尊重するメッセージと、大量消費のイメージの対比:「あなたはあなたのままでいて」というメッセージは、個人の価値観やスタイルを尊重する、非常にポジティブなものです。しかし、中古書店であるブックオフは、大量の書籍が陳列されており、消費を促す空間でもあります。この二つのメッセージが対立し、違和感を感じたのかもしれません。
自分探しや自己啓発本のイメージとのギャップ: 中古書店でよく見かける自己啓発本などは、「変わろう」「成長しよう」といったメッセージを打ち出すものが多く、今回の歌詞のような受け身のメッセージとのギャップを感じたのかもしれません。
消費行動への疑問:「あなたはあなたのままでいて」という言葉は、ありのままの自分を肯定するメッセージですが、一方で、何かを「買う」という行為は、現状に満足できず、何かを手に入れたいという願望の裏返しとも捉えられます。この矛盾が、消費行動への疑問を呼び起こしたのかもしれません。
このような考え方はいかがでしょうか?
どのような本を探していたのですか?
その後、何か感じることはありましたか?
より詳細な情報があると、あなたの感じたことをより深く理解し、共感することができます。
「アホか、消費意欲が減るだろ」 とおっしゃっていましたが、もしかしたら、この経験を通して、消費について、あるいは自分自身について、何か新しい気づきがあったのかもしれません。
話せる範囲で構いませんので、お気軽にお聞かせください。
どう思うでしょうか
書店に寄りました、うきうきで
東京の郊外にある、百貨店上層階のワンフロアだけどかなり大きい書店です。
本を買って応募できるキャンペーンがあるから、買いたいリストを手にあちこちのカテゴリを巡りました。
それで気がついたんですけど、
普通、「西洋哲学」 「趣味実用書(家庭用のレシピ)」「バイクと車」カテゴリ全部で
同じ人と遭遇するなんてことある?
西洋哲学史のあたりで気づいたんですけど、思い返すとその前に巡った他のカテゴリでも
その男性と同じ服装の人とすれ違った記憶を思い出せることに気がつきました。
それ以外は、
毎回本棚を見ずに私の顔を見ている(ほかの男性客は目当ての本を探すのに夢中でこっちをほぼ見ない)、
それ以外でも本を探すフリが一切ない、
たまたま私が本棚ではなく彼の顔を見たらぎくっとした顔をしてその場でUターンした、
等々。
一つ一つは気のせいだけど、積み重なったから気になりだしました。
でもその時は、書店って変な人多いしなとしか思っていませんでした。
書店を狩場にしている、本を買う以外の目的の人は一定数います。
前にも書店でナンパしてきたり、逆P活スカウト?とか、撮影モデルを探していますとかそういう人に遭ったことあるので知ってました。
男性はあまり知らない人のほうが多いかもしれないけど、書店は男性と女性じゃ見えてる世界が違う。
こういう過去の記憶を思い返しながら、女性雑誌コーナーで雑誌見繕っていたんだけど、
やっぱ最後にヘアカタログ探したいなと思いたってぱっと振り返ったんです。
そしたらその男性が私のすぐ後ろにしゃがんでいて、
差し出すように右手に持っていたスマホをさっと隠してボディバッグに入れるのが目に入りました。
そしてすごい勢いで書店を出て行ったんですけど、
何のため?
私このときスカート履いてたんですよね。タイトめのペンシルスカート。
これいったい何でしょう。私どうすればよかったんでしょう。
確証は何もないです。
ぜんぜん知らん文化だわ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ZINE
ZINE(ジン, / z iː n /ZEEN;英: Magazineまたは英: Fanzineの略)とは、個人または少人数の有志が、非営利で発行する自主的な出版物のことである[1]。
作者自身の個人的な思いや考え、主張を色濃く反映した小冊子が多いが、内容も形式も自由とされる。主にコピー機やリソグラフ、家庭用のインクジェットプリンターなどで印刷し、ホチキスやクリップ等で簡素に製本された冊子の形態をとるものが多い。発行部数は100部以下で、まれに1000部以上となる場合もある。価格は無料・有料いずれの場合もあるが、有料の場合であっても営利を目的とはしていない。 分業化された商業出版に対し、ジンでは印刷・製本から流通まで、作品が読者に届くまでのあらゆる作業に作者自身が関与する。流通は個人間での直接の取引や、ジンの即売会(ジンフェスティバル)、ジン専門の書店で行われる[2]。
https://youtu.be/MbLYsLvMB0Y?si=yOMgUcUDAyhnY9sK
1人バカラで2時間。音楽や凝った編集も無し。それでこんなに面白いのだからすごい。
https://youtu.be/fGuYM11qErk?si=gDtrgrggzHF_DeZ9
どこで弾いてんねん。
https://youtu.be/gPEm1VJn58Q?si=r4KvZ4AbjJAKQdWn
ちゃんみなのコーチング能力は圧巻。しかも妊娠中にこのプロジェクトをやり切ったって化け物か?
既にグループがデビューしてしまったので、ネタバレ喰らってるかもですが、それでも充分オススメ。
https://youtu.be/Nm-ANbjl7gY?si=bN7dqMX0cGPWkx4T
ゲストを読んで、1万円渡すので書店で好きな本買ってください!という企画。
ネット小説投稿する側の意見だけど、なろう系の長いタイトルは読者集めに適してるんだよ
書店だと著者買いだったり表紙買い、レーベル買いなんかがあるからタイトル短くてもいいけど、ネット小説にはそういうのないじゃん
なろうというかネット小説の投稿サイトでどこから読者が自作に流れてくるか、といえば
・検索
・人気作ランキング
・登録している著者のマイぺージやお知らせ
の5つになるわけだけど新人だったりあまり知名度はない作品では下3つからの流入は見込めない。
そうなると検索で引っかかりやすくて、日々大量に投稿される新規小説の中でも目を引きやすく、読者がよく検索される単語が多く含まれている長文、そしてタイトルだけである程度作品の内容を理解してもらい読者のクリックしてもらいやすいあらすじタイトルになってくわけ
俺には、二歳下の妹がいる。一般的に「ブラコン」というと、「お兄ちゃん大好き♡」と言わんばかりに愛情を注いでくる妹を想像するかもしれないが、うちのはそれを遥かに通り越して「ウザい」レベルに到達している。名前は真奈(まな)。俺は一応「健太(けんた)」と名乗っているが、この妹だけは決して俺のことを「健太」とは呼ばない。
「おにーちゃん、朝だよ! 起きてる? 起きてないよね? 起こしに行っちゃうよ?」
朝の6時。目覚ましよりも正確に飛び込んでくるこの声が、本当に鬱陶しい。平日の学校ならまだわかるが、今日は日曜日だ。部活もバイトもない貴重な朝に、どうしてこいつはこんなにも元気なのか。
妹が俺の部屋の扉を勢いよく開ける。コンコンとノックする概念はどこへ行ったのか。ベッドに突撃してきそうな気配に身構えるが、俺は慣れたものだ。ぎゅうっと布団を抱えて寝返りを打ち、「今、すごくいい夢見てたのに……」とムニャムニャつぶやいた。
「ねえお兄ちゃん、早く起きて! 今日はお兄ちゃんと一緒に買い物に行くって約束したじゃん!」
ちょっと待て、そんな約束などした覚えは……ない。が、真奈の頭の中ではどうやら「自分が一方的に提案したこと=約束」らしい。俺は溜息をつきながら、布団から頭だけ出して相手を見る。
「寝ぼけてるの? 先週の土曜日に『来週の休日は一緒に外出しようね』って言ったの、お兄ちゃん忘れたの?」 「いや、それは真奈が勝手に言ってただけだろ」 「じゃあイエスともノーとも言わなかったよね? つまり、それはイエスなんだよ!」
その論理はどこから生まれたのだろう。こんな屁理屈に付き合っていられない。大体、日曜日くらいゆっくり寝かせろってのに……。仕方なく俺は観念して、渋々起きあがった。
「30分だけ待て。シャワー浴びるから」 「うん、じゃあ早めにお願いね♪」
真奈は満面の笑みを浮かべて、俺の部屋を去っていく。その姿を見るだけで頭痛がするが、俺は無理やりカーテンを開けて朝の光を目に受ける。今日の予定は、ショッピングモールで妹に振り回される一日になるんだろう。高校二年の妹を連れてどこを回るんだか……。はあ、だるい。だが、断れば断ったで、また「お兄ちゃんに嫌われた!」と落ち込みモードに入られ、それはそれで面倒だ。妹ってやつは、いくらブラコンでも男の扱いをわかってなさすぎる。
シャワーを浴びて着替えを済ませ、リビングに行くと、すでに朝食が用意されていた。真奈はエプロンをつけてフライパンを振っている。両親は共働きで、朝早くから仕事に出てしまうので、休日はだいたい俺と妹の二人きりになることが多い。こうして朝食を作ってくれるのはありがたいのだが、それ以上に「俺の傍にいたい」という意図が見え透いていて、こそばゆいというか、面倒くさいというか……
「お兄ちゃん、目玉焼きは半熟でいい? いつもどおり塩コショウで食べる? それとも醤油にする?」 「……いつもどおりで」 「はーい。任せて!」
妹の視線が、やけにきらきらしている。こんなテンションで毎朝絡まれるのは本当に堪える。俺がソファに腰を下ろすと、妹はうれしそうに鼻歌を歌いながら料理を仕上げ、まるでレストランのように見映えまで気にしたワンプレートを差し出してきた。
うまい。そこは素直に認める。真奈は料理が上手いし、家事も手際がいいから、そこは本当に助かる。けれど俺が「ありがとう、美味しいよ」と言うと、「えへへー」と言って顔を赤らめ、さらに俺に近寄ってくるから困る。視線を外そうとしても、まるで小動物のような瞳でずっとこちらを見つめている。
「そんなに見てると食べにくい……」 「だって、お兄ちゃんがおいしそうに食べてくれるの見るの好きなんだもん」 「……ブラコンこじらせすぎだぞ、お前」
俺が呆れたように呟くと、妹は嬉しそうににへらっと笑う。「ブラコンだろうがなんだろうが、お兄ちゃんはお兄ちゃん!」みたいな勢いで、胸を張っているのが痛々しい。普通の妹なら「えー、そんなに兄のこと好きじゃないよ」とか否定するものじゃないのか?
食事を終え、皿洗いは妹がやるというので、俺は先に着替えの支度をすることにした。なぜなら「お兄ちゃん、今着替えるの? 見ちゃダメ?」と言い出されると本気で厄介だからだ。そこだけは死守しなければならない。
結局、支度を済ませてリビングに戻ると、妹はちゃっかり俺のコートのほこりを払っていた。まるで執事か何かのつもりなのか。「どうせなら私のコートも払ってくれよ」と言いたいところだが、言うだけ無駄だろう。何も言わずに外に出ると、妹がピタリと俺の左腕にしがみついてくる。
こうして、まるで恋人のように腕を組む妹と一緒に、近所のショッピングモールへ向かう羽目になった。俺は18歳の大学一年、妹は16歳の高校二年。一応、年齢的にはそこまで離れていない。だが、このイチャつきぶりはどう見ても普通のきょうだいではない。それでいて、妹は周囲の視線をまったく気にしない。むしろ「どう? 私のお兄ちゃん、カッコいいでしょう?」みたいに見せびらかしているフシすらある。
モールに着くと、妹は嬉々として服屋や雑貨店を回りだした。俺が少しでも反応を示すたびに、「お兄ちゃん、これ似合うと思う?」「あ! このセーターの色、お兄ちゃんが好きなやつだよね?」と、矢継ぎ早に話しかけてくる。うなずくだけで「うん、やっぱりそうだよね!」と興奮し、俺の手を取ってレジへ向かおうとするから困る。
「買うの? それ、高くないか?」 「うん、でもお兄ちゃんが少しでも興味示してくれたから。これ着て、お兄ちゃんに見てもらいたいの」 「……まあ、試着くらいはすれば?」 「うん!」
試着室に入り、鏡の前でくるくる回る妹を見ていると、やはり普通にかわいいと思う瞬間もある。だが、問題は妹がそれを自覚したうえで「お兄ちゃんにだけは見せたい」と張り切っていることだ。しかもこの妹、友達といるときは「兄に興味ない風」を装っているらしい。わざわざ同級生に「真奈ちゃん、兄いるんだってね。どんな人?」と聞かれると、「えー、うちは普通だよ、全然かっこよくないし」などと取り繕うらしい。……実に腹立たしい。だったら家でもそうしろと思うが、家ではその反動が全部俺に向かってくるから手に負えない。
そんなこんなで、妹の服選びに付き合って数時間。ふと、妹がカフェコーナーでソフトクリームを買ってくると言い出したので、俺は待合スペースの椅子で待つことにした。荷物持ちのバッグには、妹が買った服や小物がぎっしり詰まっている。ここまでくると、彼氏役を任されているような錯覚すら覚えるが、それを本当に「彼氏気分」になって楽しめるなら、俺もこんなに苛立たないのに。いや、そもそも実の妹だ。そんな心境になれるはずもない。
少し空いた時間でスマホをいじっていると、ラインの通知が光った。相手は大学の同級生の女子――朱里(あかり)だ。先日同じサークルで知り合った子から、「今度の飲み会、健太くんも来るよね?」という確認の連絡が入っている。朱里はけっこうノリが良くて、話しやすい子。実はちょっと気になっているんだが、妹がいるからどうこうというわけではないにせよ、俺にプライベートの自由時間がほとんどないのがネックだ。妹がいつも干渉してくるせいで、大学生活の楽しみも半減している気がする。
「お兄ちゃん、どうかしたの?」
妹がソフトクリームを2つ手に戻ってきた。どうやら俺の表情を見て、何か感じ取ったらしい。気まずさを隠してスマホをポケットにしまう。
「いや、なんでもない。大学の友達から飲み会の誘いがあって……」 「ふーん。行くの?」 「……行くよ、たぶん」
妹が少しだけ眉をひそめたのを俺は見逃さなかった。嫌な予感がする。まさか、ここから「誰が参加するの?」とか「女の子いるの?」と尋問が始まるのでは。すると妹は、まるで拗ねた子どものように唇を尖らせた。
「お兄ちゃん、私の知らないところで遊ぶのかあ」 「当たり前だろ。俺だって大学生なんだから」 「そっか……。じゃあ私も友達と遊ぼうかな。あーあ、でも高校の友達はバイトがある人多いし、もうすぐテストもあるし……」
そういう問題ではない。妹には妹の生活があるんだから、俺を基準に自分の予定を立てるのはやめてほしい。俺は心の中でため息をつきつつ、ソフトクリームを受け取り、一口かじる。冷たい甘さが口の中に広がるが、気分はあまり良くならない。妹が「美味しい?」と笑顔を向けてくるのに、俺は曖昧に「まあまあ」と返すだけだった。
午後も、妹に引きずられる形で雑貨店や書店を回った。俺が気になるコーナーに立ち寄ると、「お兄ちゃん、それ何? 見る見る!」「こういうの興味あったっけ?」と付きまとってくる。一人でのんびり見たいと思っても、横からちょっかいを出してくるせいで集中できやしない。帰ろうと言っても、妹は「最後に向こうのゲームセンターだけ寄ろう」と言い張り、クレーンゲームに熱中し始めた。
「お兄ちゃん、これ取って! 私にぬいぐるみをプレゼントしてよ!」 「自分でやれっての」 「だって、お兄ちゃんと一緒にやりたいんだもん~!」
人目をはばからず甘えてくるこの調子。もはや呆れを通り越して、引くレベルだ。俺が渋々100円玉を投入してアームを操作してみても、なかなか景品は取れない。一方、妹が「ちょっと貸して」と言ってやってみたら、意外にもあっさり取れたりするから不思議だ。そんなときも「お兄ちゃんの応援のおかげだよ♪」などと言って、俺に抱きついてくるから気が気じゃない。周りの視線が痛い……。
ようやく帰り道に着くころ、外は夕日でオレンジ色に染まっていた。荷物の重みで肩が痛いが、妹の方は「いっぱい買えて大満足~」とご機嫌だ。俺は「今日だけで一体いくら使ったんだよ……」と半ばあきれながらつぶやく。すると妹は「お兄ちゃんと過ごす時間はプライスレス!」とわけのわからないことを言い出す始末。本気でウザいが、こいつなりに兄のことを慕っているのだけは伝わってくる。
家に帰り、夕食を作る気力もなくなった俺は、コンビニ弁当で済ませようと言い出した。だが妹は、「せっかくの日曜日なんだから、私がちゃんと作るよ」と言い張る。慌てて「いや、もういいよ」と止めようとするも、「お兄ちゃんはソファで座ってて!」と強引に台所へ消えていく。こうなると俺にできることは、テレビをつけて適当にチャンネルを回すくらいだ。
ジャージに着替えて、ソファでダラダラしていると、妹が途中でやってきて「調味料、どこ置いたっけ?」とか「お兄ちゃん、ご飯の炊飯スイッチ入れてくれた?」などと質問を投げてくる。姉妹じゃなくて妹だけど、まるで新婚夫婦のやり取りじゃないかと考えてしまい、背筋が寒くなる。
しばらくして食卓に並んだ料理は、どれも手が込んでいて美味しそうだった。疲れた体にしみる優しい味わい。俺は素直に感謝するが、そこに必ずと言っていいほど妹の「べたべた攻撃」が入る。
「お兄ちゃん、食べさせてあげよっか?」 「いや、自分で食べられるから」 「大丈夫、大丈夫。あーん……」 「だから、いいって……」
これではまるで幼児扱いだ。表面上はツンと突っぱねるが、妹があまりにも押しが強いので、最終的には「まあ、いっか」と甘んじてしまう自分も情けない。なんだかんだ言いながら、俺もどこかで妹の手料理に癒やしを求めているのかもしれない。家族だしな、仕方ない。
そんな日常がいつまでも続くのかと思っていたある日のこと。妹がスマホをいじりながらニヤニヤしていたので、つい「何見てるんだ?」と聞いてみた。すると妹はわざとらしく「え~、教えな~い」とそっぽを向く。俺は怪訝に思い、「お前がそんな態度とるなんて珍しいじゃん」と続けると、妹はほんのり頬を染めて、「気になる? 気になるならもっと私に優しくしてくれたら教えてあげる」とからかうように笑った。
「別に、気にならないけど」 「ふーん。どうせお兄ちゃんは私のことなんかどうでもいいんだよね~」
妹は拗ねて見せるが、その背中はどこか嬉しそうにも見えた。いつもはあれほどベタベタくっついてくるのに、この日は珍しく部屋に引きこもってしまう。おかしい、これは一体どういうことだ? そう思いつつも、「面倒ごとは放っておけばそのうち妹から寄ってくるだろう」と高をくくっていた。
ところが、その夜になっても妹は部屋から一向に出てこない。俺がシャワーを浴び終わって、いつもならリビングで一緒にテレビを見ている時間帯なのに、まったく気配がない。さすがに少し気になって部屋のドアをノックしてみると、「なに?」と抑え気味の声が返ってきた。
「……お前、夕飯は? まだ食べてないだろ」 「うん、あとで食べるから先に寝てていいよ」
妙な距離感に、俺は胸の奥が落ち着かない。あれだけ「お兄ちゃん大好き♡」とまとわりついていた妹が、急にそっけないと逆に不安になる。何かあったのか、それとも単なる気まぐれか。もしかして、あのスマホの相手は男なのか? そんな可能性を思い浮かべている自分に驚いた。いや、妹が彼氏を作るのは自由だし、むしろあれほどのブラコンが誰か他に興味を示してくれるならありがたい。でも、いざそうなると、何とも言えない複雑な気持ちが湧き上がってくるのはなぜだろう。
結局、その日は妹を放っておくことにして、自室へ戻り布団に入った。しかし、気になってなかなか寝付けない。こんなに落ち着かないのは初めてかもしれない。妹がいないと解放感があるはずなのに、逆に静寂が堪えるというか……。どこまで俺は妹に振り回されれば気が済むんだ。
翌朝、寝起きが悪い頭を抱えてリビングに行くと、妹はいつもどおり料理をしながら、「おはよー、お兄ちゃん」と微笑んでいた。だが、その笑顔は昨晩の出来事をなかったことにしているかのようで、どこか不自然な明るさが滲んでいる。そして俺が突っ込む間もなく、妹は鍋の蓋を開けて、「もうすぐできるから待っててね」と言うのだった。
――ブラコン妹は、激しくウザい。それは今も昔も変わらない。だが、時に何か隠しごとをしている様子が垣間見えると、妙に落ち着かなくなる自分がいる。正直、妹のベタベタが嫌だと思っていたはずなのに、こんなにも翻弄されるとは……。これから先、俺たちにどんな変化が訪れるのかはわからない。だけど少なくとも言えるのは、妹の「お兄ちゃん好き好き攻撃」からはまだまだ逃げられそうにない、ということだけだ。
そして、妹がこれからどんな形で俺に突っかかってくるのか、さっぱり予想がつかない。だけどまあ、ウザいウザいと言いながらも、俺はそれなりにこの日常に慣れ始めているのかもしれない。ブラコン妹が激しくウザいなんて言いながらも、心のどこかで当たり前のようにそれを受け入れている自分がいる。これって一体何なんだろう。
いつか、俺が大学生活の中で彼女でも作ろうものなら、妹は一体どんな反応をするのだろうか。それはちょっと想像しただけで恐ろしいが、どこかワクワクもしてしまう。ひょっとして……これが共依存ってやつなのか? 違う、違う。断じて違うだろう。とにかく、家族としての境界線は死守しつつ、上手く付き合っていく方法を見つけるしかない。
そんな思いを抱きながら、俺は毎朝鳴り響く妹の「起きて! お兄ちゃん!」というコールに、これからも頭を抱えるのだろう。振り回されるのは勘弁だが、まあ、これはもう一種の“日常”なのかもしれない。