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はてなキーワード: 苦笑いとは

2025-02-19

anond:20250219082122

いやいや、お前が悪いだろ。

田中さん最初社交辞令で笑ってたけど、内心ずっと「こいつうるせぇな…」って思ってたんじゃね?

しかも毎回「同じ弁当っすねw」とか言われたら、そりゃ嫌になるわ。

お前、毎日同じ顔して生きてるのに「また同じ顔っすねw」って言われたらどんな気持ちよ?

あと「元気ないっすね」「疲れてます?」とか、言われるたびにしんどくなるやつな。

こっちは何もなくても、言われ続けたら「あれ…俺ってそんなにやばい顔してる?」って不安になるんだよ。

お前の気遣い、ただのストレスだって気づけよ。

田中さん、50代で会社の後輩に気を遣って「いや、別に…」って苦笑いしてくれてたのに、

うそれすら面倒になって「静かに食べたい」って言わせた時点で、相当我慢してたんだよ。

てか、何より「避けられてる気がする」って自覚してる時点で気づけよw

お前が毎日しつこく絡んでくるから田中さんが静かな昼休みを取り戻すために全力でフェードアウトしてんの。

これで「俺は気を遣ってたのに」って拗ねてるの、マジでおもろいわ。

お前が田中さんのためにできる唯一の気遣い、それは 黙ること だよ。

これって俺が悪いのか?田中さんの憂鬱

会社田中さん(50代、無口)がなんか最近元気ない。

前はもっと普通に話してたのに、最近は俺と目が合うとすぐ視線をそらすし、なんか避けられてる気がする。

思い当たることがないわけじゃない。

田中さん、昼休みによく一人で静かに弁当を食べてるんだけど、俺がちょくちょく話しかけるからかもしれない。

「お、今日健康的っすね」とか、「それ手作りっすか? いいっすね」とか言ってたんだけど、ある日「それ毎日同じっすよね? 飽きません?」って言ったら、微妙笑顔を浮かべてた。

あと、田中さん、毎朝コーヒー淹れてるんだけど、俺が「そのマグカップ、渋いっすね。実家に似たのありましたわ」とか言ったり、机の上の小さな観葉植物を見て「意外とかわいいの好きなんですね」と言ったりしてた。

最近はそれに加えて、「田中さん、なんか疲れてません?」とか「元気ないっすね、嫌なことありました?」とか、気遣いのつもりで言ってた。でも、言うたびに「いや、別に…」と苦笑いされることが増えた。

で、今日田中さんが一人で弁当食べてたから、「また同じ弁当っすね」と声かけたら、ついに「あの、ちょっとかに食べたいんで」と言われた。

いやいや、こっちは気を遣って話しかけてたのに、それはないだろ?これって俺が悪いのか?

2025-02-15

溶けていく (ややR18気味、そういうのが嫌いな人は読まないで)

50代独身男性、手を繋ぐのがやっとという高校時代を経て、人並みの恋愛を覚えた大学時代を送る。

転勤、転居、転職、慌ただしい日々の中で婚期を逃しこの年に至る。

40代最終盤あたりから徐々に性欲は衰え、孔子はそんなつもりで言ったんじゃないと思うが、女性に対して惑うことない立派な紳士にようやくなれたと思っていた。

昨年の秋に仕事打ち上げで行ったキャバクラで知り合ったA子、スレンダー身体コロコロと笑う姿が印象的だった彼女とは、三度目に会った日にアフターに誘われ、そのまま身体を重ねた。

そんなA子とバレンタイン(には少し早いが)ということで先週温泉地に行ってみた。

地物の魚介類に舌鼓をうち温泉を堪能し夜も更けていく。

お酒の勢いもあった前回とは異なりコップ一杯程度のお酒しか入ってないし歌舞伎町の夜に比べて絶対的に時刻が早い。

二度果てた後の私にしな垂れかかり更なる奮起を促すA子。

その巧みさに引き起こされ再度夜の闇に堕ちていく。

翌日は普通に観光し、帰りの高速道路を降りた後、目の前のラブホテルに車を滑り込ませた。

「昨日、あんなにしたのに まだするの」

コロコロとした笑い顔が印象的だったはずなのに、その笑みが蠱惑的に思えた。

「相性いいかもね」と笑うA子に苦笑いしか返せない。

相性なんていう互恵関係ではなく、一方的に欲を掻き立てられ、導かれ、溶けていく。

ここまで女性身体に溺れた記憶などありはしない。

A子の横に座って華やかな空間お酒を平常心で楽しめるだろうか。

今日仕事で、明日出張の前乗りで大阪移動、平日も忙しく、A子と距離を取れることにやや安堵している。

ただ、ふとした瞬間にあの夜を思い出し、脳が溶けるような感覚になる。

老いらくの恋とも少し違うが、同様に退廃的な終わりしか想像できない。

さて昼食を作ろう。

今日手羽元を使った無水カレー調理家電進歩を感じながら、しばしの休憩だ。

好きな配信者なのに苦手な理由がわかった話

とあるVの配信者の方、企画面白いし、プロデュース能力も高くて尊敬らするなのだが、

自分が本腰入れてファンになりたいと思えないのが不思議だった。

先ほどその方の配信アーカイブでみて、

その理由が分かった。

トークの流れなどで、相手視点からすればその方が加害者なのに被害者だと思い込んで加害の手を緩めないところが苦手なんだ。

他箱や個人Vとも多く絡みがあるので、バラエティ的な流れでプロレスチックな展開になることも多く、多くの場合は楽しませていただいているのだが、たまに上記の展開になることがあって苦笑いなっちゃうんだな。

その方に限らずバラエティってそういう場面がたまにある。

自分子供の頃いじめられる側だったので、マイノリティ被害者意識が抜けないところがあるから同族嫌悪なのかもしれない。

自分は同じような場面になる仕事立場についてないだけなのかも。

自分いじめてきた奴らが言っていた「お前がムカつくから」っていう理由被害者意識からくる加害行為だったし、それがいまはその方にオーバーラップしていまうだけ。

自分の抱く劣等感場合によっては凶器になりうるし、過去理不尽な辛い経験があったとて免罪符にはならない。

その方は現在とても人気で活躍されているし、別に変わらなくても良いと思うし、

こんな影響力の無い一ファンの苦言なんてクソリプ以外の何者でもないから、

自分への戒めと備忘録としてここに書いておく。

2025-02-13

好きな配信者なのに苦手な理由がわかった話

とあるVの配信者の方、企画面白いし、プロデュース能力も高くて尊敬らするなのだが、

自分が本腰入れてファンになりたいと思えないのが不思議だった。

先ほどその方の配信アーカイブでみて、

その理由が分かった。

トークの流れなどで、相手視点からすればその方が加害者なのに被害者だと思い込んで加害の手を緩めないところが苦手なんだ。

他箱や個人Vとも多く絡みがあるので、バラエティ的な流れでプロレスチックな展開になることも多く、多くの場合は楽しませていただいているのだが、たまに上記の展開になることがあって苦笑いなっちゃうんだな。

その方に限らずバラエティってそういう場面がたまにある。

自分子供の頃いじめられる側だったので、マイノリティ被害者意識が抜けないところがあるから同族嫌悪なのかもしれない。

自分は同じような場面になる仕事立場についてないだけなのかも。

自分いじめてきた奴らが言っていた「お前がムカつくから」っていう理由被害者意識からくる加害行為だったし、それがいまはその方にオーバーラップしていまうだけ。

自分の抱く劣等感場合によっては凶器になりうるし、過去理不尽な辛い経験があったとて免罪符にはならない。

その方は現在とても人気で活躍されているし、別に変わらなくても良いと思うし、

こんな影響力の無い一ファンの苦言なんてクソリプ以外の何者でもないから、

自分への戒めと備忘録としてここに書いておく。

2025-02-08

二月の大雪の日、僕はSIerでの単調な仕事に疲れ切っていた。

給料も思ったほど上がらず、転職を考える毎日だ。

スタバに立ち寄ると、意識高い系の友人がフラペチーノを片手に座っていた。

彼は常に新しいアイデアを語り、キラキラしている。

最近どう?」と彼が尋ねる。

「まあ、相変わらずさ」と答えるが、心の中では言語化できないモヤモヤが渦巻いている。

「とにかく、将来について迷ってるんだ」とこぼした。

家に帰ると、妹がファブリーズを振りまいていた。

「お兄ちゃんの部屋、なんか臭うよ!」と言われ、苦笑いするしかない。

その夜、友人たちと鍋パを開くことになった。

大雪の中、みんな集まってくれて、新作のガンダム映画について熱く語り合った。

AI進化やこれから生き方について話すうちに、自分の中で何かが変わっていくのを感じた。

「そうだ、カラオケ行こう!」誰かが言い出し、僕らは雪の中を駆け出した。

マイクを握りしめてあいみょんの「マリーゴールド」を歌いながら、心の霧が晴れていくのがわかった。

翌朝、窓の外はまだ大雪だったが、心は晴れやかだ。

転職への不安も薄れ、新しい一歩を踏み出す勇気が湧いてきた。

「よし、やってみよう」と呟き、僕は新しい未来へと歩み始めた。

そのときスマホが鳴った。

画面を見ると、グループチャットで、「お前、酔っ払ってガンダムフィギュア結婚を申し込んでたぞ笑」というメッセージが。

そして、その瞬間、自分ガンダムフィギュアを抱きしめて「ずっと一緒にいよう」と言っていた記憶フラッシュバック

「いやいや、そんなこと言った覚えないぞ」と必死否定したが、証拠動画グループに貼られていた。友人たちは大笑いしている。

結局、転職は少し後回しにして、まずはあの恥ずかしい動画の削除をお願いすることにした。

2025-02-07

新入社員の女がきゅうり糠漬けを作って1袋500円で売りさばいてるんだが

新入社員鈴木が、きゅうり糠漬けを売りさばいている。

最初に気づいたのは、うちの部署の古株である田村さんだった。昼休みコンビニ弁当を買って戻ってくるなり、「あの子、なんか売ってるよ」と言う。何を売っているのかと訊ねると、「糠漬けらしい」とのことだった。

休みが終わる頃、俺も喫煙所の帰りに覗いてみた。給湯室の前で、鈴木がタッパーを手にして立っている。タッパーの中には、瑞々しい緑色きゅうりが綺麗に並んでいた。「1袋500円です」と書かれた手書きメモが、デスクの端に置かれている。

正直、意味がわからなかった。新入社員が、自作漬物会社で売る。そんな話、聞いたことがない。

鈴木、それ何?」

糠漬けです。私、家で漬けてるんですけど、たくさんできるので……」

「それを、売ってるの?」

はい無農薬きゅうりを使っていて、無添加です。市販のものより美味しいと思います

彼女営業部新人で、今年の春に入社したばかり。目立つタイプではなく、普段はおとなしくしている。そんな彼女が、自家製糠漬けを売り出しているという事実が、どうにも俺の理解を超えていた。

「へえ……売れてるの?」

「ええ、おかげさまで」

信じがたいことに、昼休みが終わる頃には、タッパーの中は空になっていた。

***

翌日、俺は試しに一袋買ってみた。家に帰り、晩酌つまみにしてみると、これが意外と旨い。浅漬けで、ほどよく塩気が効いている。糠の香ばしさも強すぎず、歯応えもいい。コンビニ漬物とは比べものにならないほど美味かった。

翌週には、彼女糠漬けは社内でちょっとした評判になっていた。「あの糠漬け結構いけるぞ」「500円なら、まあありかな」「最近スーパー漬物も高いしな」などと話しているのを耳にする。

しかし、それをよく思わない人間もいた。

会社商売するのって、どうなんですかね?」

そう言い出したのは、人事の課長だった。ある日、昼休みが終わる直前に、彼が給湯室の前で鈴木に声をかけているのを見かけた。「ここで個人的な売買をするのは、職場の秩序を乱す行為じゃないか」と、そんな趣旨のことを言っているようだった。

俺は内心ヒヤヒヤしたが、鈴木は意外にも動じなかった。

「社内販売禁止されていないと認識しています。それに、上司の皆さんも買ってくださっていますし、問題があるようなら正式許可を取ります

課長は少し驚いたような顔をしていたが、それ以上は何も言わなかった。

***

それからしばらくして、鈴木糠漬けさら進化した。新たに「ニンジン」と「ナス」のバリエーションが加わり、まとめ買い割引まで導入されたのだ。「3袋で1200円」というシステムらしい。俺も試しにニンジンを買ってみたが、これがまた絶妙だった。

最近、あれがないと寂しいんだよな」

「うちの嫁がハマっちゃってさ、毎週頼まれるんだよ」

と、社内の中年男性からも支持を集めていた。もはや彼女漬物は社内文化の一部になりつつあった。

だが、それは長くは続かなかった。

***

ある日を境に、鈴木漬物販売が突然終了した。

「なんか、人事から正式禁止されたらしいよ」

「やっぱりな……会社の秩序を乱すとか、そういう理由だろ」

「けど、なんか妙じゃないか?」

俺は気になって鈴木に聞いてみた。「どうして辞めたのか」と。すると、彼女は少し苦笑いしながら言った。

課長奥さんから漬物を作ってほしいって頼まれたんです」

「は?」

「毎週3袋、家まで届けてほしいって言われて。でも、奥さん要求がどんどんエスカレートして……それで、なんだか怖くなって」

俺は思わず笑いそうになったが、鈴木の顔を見ると、あまり冗談ではなさそうだった。

「それで、販売中止?」

はい……これ以上、仕事関係ないことで問題を起こすのも嫌なので」

彼女はそう言って、静かに給湯室を後にした。

それ以来、鈴木糠漬けは社内から姿を消した。しかし、俺の舌は未だにあの味を覚えている。会社帰りにスーパー漬物を手に取ってみるが、どれも物足りなく感じる。

結局、俺は自分で糠床を買い、漬物を作り始めた。鈴木糠漬けには及ばないが、それでも、あの味を思い出しながら、今日も俺は糠を混ぜる。

2025-02-06

anond:20250205234125

半年ぶりに彼女から連絡が来た。「少し話せる?」と短いメッセージ。迷ったが、結局、俺は指定されたカフェへ向かった。

彼女は痩せていた。以前は自信に満ちていた目が、どこか疲れている。「元気?」と俺が聞くと、彼女は小さく笑って「元気じゃない」と言った。

彼女クルド人の彼と一緒に難民支援団体に関わるようになったが、次第に違和感を覚え始めたという。支援活動理想とは違った。団体内部の対立外国人同士の衝突、文化の違い。彼女は彼を助けたい一心で動いていたが、次第に彼の態度が変わっていった。「彼、私が働いてるのに、自分は何もしようとしなかった」と苦笑いする。

ある日、彼女が彼に「仕事を探して」と言ったら、「俺は難民だ、お前が支えるのは当然だろう」と言われたらしい。フェミニズムを学び、「対等な関係」を理想としていた彼女にとって、それは決定的だった。結局、彼女は彼と別れ、団体も辞めた。そして今、途方に暮れて俺の前にいる。

「……戻りたいの?」と聞くと、彼女は俯いたまま「もし、許してくれるなら」と呟いた。

俺は、彼女が別れる前の半年間を思い出した。長々と語られたフェミニズムの話、英語での会話に置いていかれた孤独、そして家に居場所がなかった日々。だが、目の前の彼女は、あの頃とは違う。

俺はため息をつき、「まあ、話くらいは聞くよ」と言った。彼女はほっとしたように微笑んだ。

2025-01-24

ブラコンを拗らせた

――どうしてこんなにも、あの人のことばかり考えてしまうんだろう。

である隼人が家の中を歩き回っている姿を見るだけで胸が苦しくなるし、学校の帰り道にちょうど自転車ですれ違えば、それだけでその日一日が特別ものに感じられる。気づかないうちに視線を追いかけてしまっている自分が怖い。でも、それ以上に、そんなふうに兄のことを想ってしま自分を止められない。

私はここでは名前を明かすことはしない。ただ、自分高校二年生の女子で、隼人とは三つ離れた妹だということだけ伝えておきたい。昔から仲は良かったと思う。家族は四人で、両親と私、そして隼人。私が小さかった頃、隼人は私の手を引いて近所の公園に連れていってくれた。かくれんぼが大好きな私を喜ばせるために、砂場の囲いをぐるぐる回りながら「もういいかい?」って聞いてくれた顔は今でも覚えている。

いつも優しくて、少し面倒くさがりだけど根は真面目で、おまけにスポーツも得意。小学生の頃は野球チームのエースで、中学生になるとバスケ部に入ってレギュラーをとっていた。成績だって中の上くらいをキープする程度には要領がよくて、なんでも器用にこなせる。私にとっては、そんな兄が小さい頃からの「憧れ」であり、「理想像」でもあった。

でも、いつの間にか「大好きなお兄ちゃん」では収まらない感情を抱くようになった。きっかけは自分でもはっきりとは言えない。中学生になってからかもしれないし、もう少し前からかもしれない。ただ、一緒に暮らしている間に、気づけばその気持ちはどんどん大きくなっていった。人を好きになるという気持ちは、きっと初恋と呼べるものなのだろう。でも相手は血の繋がった兄。しかも、普通に恋愛を楽しんでいる友達を見ると、自分けがおかしな道に迷い込んでしまっているようで怖くなる。

けれど、やっぱり怖さよりも「好き」という感情のほうが大きい。最近では、学校友達他愛のない話をしていても「今頃お兄ちゃんは何をしてるんだろう」なんて考えてしまうし、帰宅するときには少しでも早く顔を見たくて自転車を全速力でこぐ。家に着いてもすぐに部屋に戻るのではなく、リビングキッチン隼人の姿がないか探してしまう。ときどき目が合うと嬉しくなって、顔に出ていないかハラハラする。

そんな私の気持ちには当然ながら家族は気づいていない…と思っていたけれど、最近少しだけ不安になっている。というのも、母が「あなた隼人が出かけるとソワソワしてるわよね」と冗談めかして笑うことが増えてきたからだ。「兄妹なんだから、そりゃあ多少は気にするよ」と苦笑いを返してはいものの、内心はドキッとしてしまう。ほんのり頬が熱くなる感覚に気づかれていないかと、こっそり自分の頬を触りながら必死に平静を装う。

隼人自身は、私の気持ちをまるで察していないと思う。いや、察しているのかもしれないけど、まったく気づかないフリをしているだけかもしれない。兄は優しいから、たとえ妹が少しばかり不自然愛情表現をしても、見て見ぬ振りをしてくれるんだろう。たとえば、帰宅してすぐの隼人に「おかえり!」と元気よく言いながら駆け寄ったり、お風呂上がりにリビングのんびりしているところを見つけて、隣に座りたがったり。普通の妹だってやるかもしれない行動を、私はちょっと度を越えてやりすぎている気がする。でも隼人は「お前はいつでも元気だな」と笑うだけで、嫌な顔ひとつしない。たぶん、ここまで兄妹仲がいいのは当たり前のことじゃない。分かっているのに、どうしようもなく惹かれてしまう。

そうやって日々を過ごしていたある日、私は衝撃的な光景を目にした。隼人駅前カフェで女の人と二人で向かい合っていたのだ。夕方の薄暗くなりかけた時間に、店のガラス越しに見えた二人は楽しそうに話していた。私の視界に入った瞬間、胸がドクンと大きく鳴り、呼吸が一瞬止まった。どうしよう、これを見て見ぬ振りなんてできない――そう思った矢先、ふと兄がその女性に向かって笑顔になった。その顔は、私のことをかわいがってくれるときの表情にどこか似ていた。でも、そのときの兄の目には明らかに“私には向けない感情”の輝きがあった。

その日は家に帰ってからぼんやりしてしまって、夕食の支度を手伝う母の声がまるで耳に入らなかった。「どうしたの?」という母の問いにも適当に「なんでもない」と答えたまま、失礼だと分かっていつつも上の空で食事を済ませた。部屋に戻ってからはベッドの上で寝転がり、あの瞬間を何度も思い返す。胸の奥がギュッと締め付けられて、泣きそうになる。でも、私にはそんな資格はない。それなのに、悔しくて、そして苦しくて、どうしようもなかった。

――もしかしたら、あの人は隼人彼女なんだろうか。

少なくとも「ただの友達」や「バイト先の先輩・後輩」というふうには見えなかった。兄があんなにも嬉しそうに、そしてどこか恥ずかしそうに笑うなんて滅多にない。じゃあ、彼女に違いない…? 頭の中をそんな不安がめぐる。

翌日、私が部屋で宿題をしていると、兄がノックをして入ってきた。「ちょっといか?」なんて言いながら。隼人が私の部屋を訪れること自体は珍しくはない。いつも私が兄の部屋に入り浸っているから、たまには逆パターンだってある。けれど、なんだかぎこちない。椅子に座ったままの私を見下ろすように立って、首をかしげながら言いにくそうに言葉を継いだ。

明日さ、ちょっと友達ん家に泊まりに行くんだけど…

心臓が嫌な予感を察知したように跳ね上がる。隼人は私と視線を合わせない。もしかしてそれは男友達じゃなくて、昨日見かけたあの女性の家? 一瞬にしてそんな想像が膨らみ、思わず指先が震えそうになる。

「そっか。別にいいんじゃない?」

なんとか平然を装うように答えると、兄は続ける。

「いや、一応親にも言ってるんだけど…たぶん気にするだろうから。お前も変に心配しないでくれよ」

何を心配するというのか。兄妹の仲がいいとはいえ、私が兄の外泊をどうこう言う立場にはない。でも、兄は心配性だから、家のことをフォローしてほしいのかもしれない。私は「分かったよ」とだけ返した。言葉少なにドアを閉めて出て行く兄の姿を見送ったあと、机に突っ伏して「もうやだ…」と小さくつぶやいた。

次の日、兄は本当に泊まりに行ってしまった。リビングで朝食を食べているときに「じゃ、夜は帰らないから」と軽く言い残すのを聞くと、私は内心どうにも落ち着かなかった。でも、両親も特に咎める様子はない。大学生の兄なら、友達の家に泊まるくらいよくあることだろう。母は「あまり夜更かししないように」と声をかけながらも、どこか余裕のある笑みを浮かべていた。もしかしたら母のほうが私の挙動を気にしているのかもしれない。だけど、そんな母と目が合いそうになるたびに、私は慌ててスプーンを持つ手元に視線を落とし、朝食をかき込んだ。

兄がいない夜は驚くほど静かだった。いつもなら兄が廊下を行き来する音や、リビングテレビを見て笑っている声がかすかに響いているのに、それがない。こんなにも家が静寂に包まれるなんて、と改めて驚く。勉強をしようにも集中できず、気づけばスマホの画面を何度も見つめてしまう。LINEを開いても、兄とのトーク画面には特に更新はない。おやすみLINEくらい欲しいというのは、妹としての甘えなんだろうか。いや、ただの妹ならそこまで望まないものなのかもしれない。

そうしてもやもやしながら夜を過ごし、いつの間にか寝落ちしてしまった。朝になって目覚めたときにはすでに両親は出勤していて、リビングにはメモと朝食が置かれていた。昨日はろくに晩ご飯も食べていないかお腹が空いていたけれど、あまり食欲が湧かない。パンをかじりながら、ふと玄関のほうに耳を澄ます。兄はもう帰ってきているのか、それともまだなのか……。

結局、兄が戻ってきたのは昼近くだった。私はリビングぼんやりテレビを眺めていたが、玄関ドアの開く音を聞いた瞬間、反射的に立ち上がってしまった。心のなかで「落ち着け、ただいまの一言を返すだけだから」と自分を戒める。すると玄関のほうから兄の声がした。

「ただいまー…って、お前いたのか。学校は?」

今日土曜日だよ。補習も部活もないし」

そんな気の抜けたやり取りをしながら、私は兄の様子をこっそり観察する。目の下に少しクマができているように見えるのは、夜更かしした証拠だろうか。髪の毛は昨日の朝と変わらない感じなのに、服は昨夜見たのと同じものを着ている。あの女性の部屋に泊まった可能性は十分ある……。そう思っただけで胸がチクリと痛む。

「夜更かししたっぽい顔してるよ。何してたの?」

我ながら、尋ね方が妹っぽくない。少し詰問じみた言い方になってしまい、自分でも焦った。隼人は「まぁ、ちょっとな」と曖昧に笑うだけで、具体的に何をしていたのかは語らない。その態度が逆に私の不安を煽る。

――本当は、昨日見女性のことを聞きたい。あれは彼女なのか、どういう関係なのか、私が思い違いをしているだけなのか。けれど、聞けば聞くほど自分の“妹らしからぬ感情”が露呈してしまう気がする。私は何も言えず、ぎこちなく視線を逸らした。

兄はそのままシャワーを浴びると言って風呂場へ向かった。わずかに開いたドアの向こうからシャワーの音が聞こえてくると、どこか落ち着かない気分になる。しばらくして洗面所のドアが開き、「あー、さっぱりした」と兄の声が聞こえる。その後ろ姿はいつもと変わらないのに、昨夜は私の知らない場所で過ごしてきたんだという現実が頭をよぎって苦しくなる。

その日は土曜日で、家族みんなが出かける予定は特になかった。私は家にいても落ち着かないし、どうにも兄の様子を伺ってしま自分が嫌で、思い切って友達を誘ってショッピングモールへ出かけることにした。友達には「ちょっとストレス発散に買い物したいんだよね」と言っておけば、深くは聞かれない。

だけど、いざ待ち合わせて話をすると、友達自分バイト先の先輩に片想いしているらしく、その相談に花が咲いた。普通の恋バナだ。先輩が優しくて、ちょっと大人っぽくて、けれど同じ学校じゃないからなかなか会えなくて…という話を楽しそうに、でも時々せつなげに話してくる。それを聞きながら、私は胸が苦しくなった。

――私だって好きな人がいる。けど、その相手が兄だなんて言えるわけがない。もし打ち明けたら、相手ドン引きさせるか、あるいは冗談だと思われるか。どちらにしても受け入れてはもらえないだろう。だから黙っているしかなくて。

それでも、友達が「そろそろ告白ちゃおうかな」と言ったとき、私は全力で応援するモードに切り替えた。人を好きになる気持ちは止められないし、応援されると素直に嬉しいはずだ――そう思うからこそ、友達背中を押したい。だけど自分はどうなのだろう。いつも隼人の優しさに甘えて、妹という立場に安住しているだけじゃ何も変わらない。でも、変えたくても変えられない部分がある。そのギリギリラインが「兄妹」という関係のもどかしさだ。

買い物を終えた帰り道、夕日が街をオレンジ色に染めていた。友達と別れて一人になると、どうしようもなくあのカフェで見た光景を思い出してしまう。兄はあの女性とどんな会話をしたんだろう。その後、どんなふうに夜を過ごしたんだろう。妄想は際限なく膨らみ、しまいには自分の中の醜い嫉妬独占欲が顔を出す。血の繋がった兄に独占欲を燃やすなんて、普通に考えたらおかしい。だけど、その“おかしい”感情否定することができなくて、自分嫌悪感を抱く。

家に帰ると、兄はリビングソファゴロゴロしていた。テレビを見ているのかと思いきや、どうやらスマホの画面に集中しているらしい。私は心臓を落ち着かせながら「ただいま」とだけ声をかけた。すると兄は「ああ、おかえり」といつも通りに返してくれる。そんな小さなやり取りにさえ、嬉しさと苦しさが混じる。

兄はスマホをいじりながら、「今日どこ行ってたんだ?」と一応興味を示してくる。私は友達と買い物していたことを伝えた。友達の恋バナに盛り上がった話も少しだけする。すると兄は「へぇ、それでどうなったんだ?」なんて興味ありげに聞いてくる。いつもは私の話を「ふーん」で流すことが多いのに、やけに突っ込んだことを言うから少し意外だった。

――どうしてこんなふうに聞いてくるんだろう。まさか私が兄を好きだなんて勘づいて、探りを入れているのか? そんなわけはない、と思いながらも、妙に心がざわつく。

私は友達が先輩に片想い中で、告白する勇気が持てないという話をそのまま伝えた。兄は少し考え込むような間を置いてから、「まぁ、言わないと伝わらないもんな」とつぶやいた。まるで自分自身に言い聞かせているような口調に聞こえて、私はなんとも言えない気持ちになる。もしかして隼人は、昨日会っていた女性告白したのだろうか、あるいはされたのだろうか……。すぐに頭の中でいろいろな可能性が浮かんでしまう。

それから数日が過ぎても、兄の様子はいつも通りだった。大学の授業やバイトに出かけたり、家ではゲームをしたり、そして私と軽く言葉を交わしたり。何も変わらないからこそ、私の中で渦巻く疑問は膨らむばかりだった。時折、母が私を見てクスッと笑うのが気になるけれど、絶対に知られたくない。ましてや兄がどう思っているかなんて、想像しただけで顔から火が出そうになる。

ある夜、私は勇気を出して兄の部屋のドアをノックしてみた。部屋からはかすかに音楽が聞こえていたが、「入るよ」と言うとすぐに「おう」と返事があった。机には参考書が広げられていて、どうやらレポートか何かの課題に取り組んでいたようだ。

邪魔してごめん。ちょっと聞きたいことがあるんだけど…

私が言いよどむと、兄は椅子くるりと回転させてこちらを向いた。どんな顔をしているのか、チラッとしか見られない。いつもと変わらない柔らかい表情なのが、逆に私を緊張させる。

「その…この前、駅前カフェで誰かと会ってたでしょ? あれって、彼女…なの?」

最後のほうは声がかすれてしまった。何を聞いているのか自分でも分からない。兄が「お前には関係ないだろ」と一蹴したらどうしよう、そんな不安が頭をよぎる。だけど、何も聞かずにモヤモヤし続けるのはもう嫌だった。

兄は一瞬、驚いたように目を見開いたあと、少し苦笑いした。

「ああ、あれ見られてたのか。別に隠してたわけじゃないんだけどな」

「そ、そうなんだ…。で、彼女なの?」

呼吸が苦しくなる。心臓が痛いくらいに鼓動を主張している。兄の返答次第では、私の中の何かが壊れてしまいそうな気がした。

彼女じゃないよ。昔のクラスメイトってだけ。ちょっと相談があるって言うから話を聞いただけなんだ。泊まったのも、そいつの話に付き合ってたら終電逃して…結局、男友達ん家に泊まったんだ。まぎらわしいことして悪かったな」

そう言いながら頭をかく兄の顔は、少しだけ照れくさそうに見えた。私の心からは一気に重たい霧が晴れていくようだった。それでも、「そっか…」とだけ言って、ドキドキを悟られないようにうつむく。安心したのと同時に、どうしようもなく涙が出そうになった。なんでこんなに泣きそうなんだろう。

「お前…もしかして心配してた?」

兄が小声でそう言うのを聞き、私は思わず体を強張らせた。つい顔を上げると、兄が少しだけ意地悪そうに笑っているのが見えた。心臓バクバクしてどうにかなりそうになる。

「べ、別に…!」

誤魔化そうとするけれど、どう見ても挙動不審だ。結局、兄は笑いながら「なんだよそれ」と言って、私の頭をポンポンと軽く叩いてくる。昔からそうやって優しくなだめるように触れる手に、どうしようもなく甘えたくなってしまう。だけど、私がこの気持ち言葉に出すことは決してできない。

それからしばらく私たちは黙ったまま、相手の顔もあまり見ないでいた。時間にしてみればほんの数秒かもしれないけれど、私にはとても長く感じられた。部屋には音楽も流れていて、そのメロディけが穏やかに空気を満たしている。

「…そろそろ寝るわ」

限界を感じて、私はそう告げて兄の部屋を出た。ドアを閉める前、兄は「おやすみ」とだけ言った。私も同じように「おやすみ」と返したけど、その声は震えていたと思う。自分の部屋に戻ってベッドに倒れ込むと、涙がこぼれた。何も変わっていないのに、胸がいっぱいだった。

私はきっとこれからも、隼人のことを好きなままでいる。兄妹であることを理由に、その気持ちを外に向かって叫べるわけでもないし、正当化できるわけでもない。だけど、今日みたいに「兄には私の知らない女性がいて、見たことのない笑顔を向けるかもしれない」と考えるたびに、あの苦しさが胸を焼く。だからと言って、勝手嫉妬独占欲を抱くのは間違いだと分かっている。分かっているのに、止められない。これがブラコンを拗らせた私の現実だ。

明日もきっと、兄はいつも通りの態度で接してくれるだろう。私も「妹として」振る舞い続けるはずだ。その穏やかな日常に救われると同時に、どうしようもない葛藤継続していく。それでも、今はまだ、兄がそばにいてくれることだけで十分なんだと思う。たとえ叶わない恋でも、隼人が生きて笑っていてくれるだけで、私は幸せだ。

――ただ、いつか誰かと本当に付き合ったり、結婚したりする日が来たら、私の心はどう壊れてしまうんだろう。そんな未来想像すらしたくないけれど、避けては通れない。いつかその時が来るまで、私はきっとこの気持ちを抱えたまま、妹として側にいる。それが私にとっての最善で、唯一の選択肢なんだと思う。

今日も、隣の部屋から聞こえてくる音楽と兄の足音に耳を澄ませる。彼がそこで生きていること、それだけを感じられるだけで少しだけ安心する。ブラコンを拗らせているのは重々承知。でも、やめたくてもやめられない。これが私の現実で、私の想いだ。もしかしたら、ずっと苦しみ続ける道かもしれない。けれど、一度芽生えてしまった感情は消せない。私はこれからも、この胸の痛みと温かさを抱えて生きていくのだろう。

そしてもし、いつか奇跡のような日が来て「本当の気持ち」を打ち明けるときが訪れたら。そのとき隼人は一体どんな顔をするのだろう。拒絶されるだろうし、気持ち悪がられるかもしれない。でも、それでもいい。今は――ただ、隼人の妹として、彼の笑顔を見守りながら、この拗らせたブラコンを密かに育て続けるしかない。妹という“特等席”をもらえているのだから、それだけで十分だと言い聞かせながら。

夜はふけていく。明日もまた、何も変わらない朝がやってくるだろう。だけど、この胸の奥で熱を帯びる感情は、決して冷めることはない。私はそう確信して、いつか来るかもしれない苦しい未来さえも受け止める覚悟をした。兄への想いを胸に秘めたまま、静かに目を閉じる。

――たぶんこれからも、ずっと私はブラコンを拗らせたままで生きていくんだろう。だけど、兄の笑顔を間近で見ることができるなら、それでも私は幸せなのだと思う。

2025-01-19

anond:20250119230258

「「質問の仕方」と「ハルシネーションはある」の関係について」

この補足卑怯すぎない?

AI方向性を与えて「ほら理解できた」はさすがに苦笑いなんだが

2025-01-17

秋田の宴

増田秋田県の山奥にあると噂の「魔王レストラン」にたどり着いた。観光の途中で地元の人から「一生に一度は行くべき」と薦められ、興味本位で来てみたのだ。

「こういうのは観光客向けの店だろう。まあ、どうせなら美味いものでも食べてみるか。」

だが、その門をくぐった瞬間、増田自分がどこか異質な場所に迷い込んだことを悟る。

暗闇の中、燭台に揺れる炎。鎧を纏ったリザードマンが案内役を務める。どこからか聞こえる低いうなり声。「これは…本物?」と疑いたくなるような雰囲気だ。

モンスターたちの店

「ようこそ、魔王城へ。私はこの城の主、魔王ルシファスだ。」

巨大な玉座に座るのは、人型の魔王威圧たっぷりの声に、増田は思わず背筋を伸ばす。

「そ、その…食事ができると聞いてきたんですが。」

「ふふ、心配無用だ。我が城の料理は、秋田の味を極めた逸品ばかりだぞ。」

増田は席に案内され、メニューを手に取る。どれも秋田県産の食材を使った豪華な料理ばかりだ。

最初の注文~

増田は以下の品を頼むことにした:

比内地鶏きりたんぽ
ハタハタ寿司
稲庭うどん
バサアカモク)の天ぷら
秋田牛のローストビーフ
じゅんさい山菜和風サラダ
いぶりがっこクリームチーズ巻き

秋田米を使った焼きおにぎり

料理が次々に運ばれてくると、増田は驚嘆した。

「これがきりたんぽ鍋か…出汁が濃厚で鶏の旨みが染みている。」

ひと口食べると、秋田自然の恵みが舌の上に広がる。続いて、ハタハタ寿司を頬張る。

「うん、この酸味、絶妙だな。稲庭うどんの喉越しもたまらない。」

だが、食べ進めるうちに、欲が湧いてきた。

追加の注文

すみません、追加で!」

増田は以下を追加で頼んだ:

比内地鶏の塩焼き
きのこ炊き込みご飯
秋田由利牛のステーキ
じゅんさい酢の物
いぶりがっこタルタルソース添え
ハタハタ唐揚げ
ギンナン串焼き
りんごスイートポテトグラタン

揚げたてのギバサ天ぷらに、秋田牛のローストビーフジューシーさ。どれも絶品だ。

「いや、これ本当にすごいな…でも、じゅんさい酢の物山菜サラダで、じゅんさいがダブってしまたか。」

増田は苦笑しながらも食べ続ける。

頼みすぎの代償

だが、増田の胃袋には限界が訪れた。山菜サラダ最後のひと口がどうしても飲み込めない。

「うっ…頼みすぎたな…。まさか魔王城で、胃袋が敗北するとは。」

店内のモンスターたちの視線が妙に刺さる。「残すな」という無言のプレッシャーが漂っている気がする。

魔王の助言

店主の魔王ルシファスが近づいてきた。

「ふむ、人間よ。満腹になっても、欲を出してはいけない。己の限界を知るのもまた、人生だ。」

増田はうなずき、苦笑いを浮かべた。

ありがとうございます。でも…美味しさには逆らえませんでした。」

魔王城を後にする帰り道、増田はふと、自分人生を振り返る。

「34歳年収700万貯金3000万か…。これっぽっちじゃ老後は不安だし、独身弱者男性はお先真っ暗だよ。」

美味い飯を食べても、心の空白は埋められない。それを痛感しながら、増田魔王城を後にした。

2025-01-13

どうすればセルフネグレクトから脱却できるのか

自分のことが嫌いだから自分の面倒を見るのがとにかく苦痛

部屋は当たり前にグチャグチャだし仕事の前日以外は絶対風呂入らない

今ある全ての生活動作仕事に出るためにやってる感じだ

働いてる理由生活費を確保するためくらのもので正直なんのモチベもない

職場環境は最適だし、たまに遊ぶくらいの友人はいるし、好きなこともある

だけど何で自分を生かすためだけにこんな面倒な日々を送らないといけないのかと考えてしまって人生のもの苦痛

自殺未遂して精神科入院もしたけど「そうなるには理由があるはずなんですけどねぇ」と苦笑いされて効いてるかもわからない薬もらっただけ

皆どうやって自分の面倒見てるの?何がモチベで生きてるの?

最近食事苦痛なのでこのままゆるやかに餓死できないかなと思っている

2025-01-12

戦士の休息

オレ、さすらいの戦士

日々の修行で剣技を極めし者なれど、ふとした瞬間に訪れる静けさには心洗われるものがある。

だが、お前らもわかるだろう。俺に休息など似合わない。

真の戦士はたとえ休息中であっても、内なる炎を絶やさぬものよ。

この間、草原を歩いてたら、一匹の猫が寄ってきた。

「こいつ、なかなか可愛いじゃねーか」なんて思ったが、なぜか背中から冷や汗が流れる気配を感じた。

そう、これがオレの第六感。猫と言えど油断できねぇのが戦場の鉄則だ。

じっと睨み合ったその瞬間、猫は「ニャー」と言って去って行った。勝ったな(確信)。

その後、木陰で一服してたら、近所の農民が「お兄さん、手伝ってくれないか」と声をかけてきた。

「俺に手を借りたいだと?…ふむ、まぁお前の頼みとあらば聞かんでもない」と返した。

いざ畑で鍬を振るったが、これが意外と奥が深い。

「この鍬、軽すぎないかもっと重量感のある鍬を持ってこい。さもなくばこのオレが力を出し切れない」

農民苦笑いしてたが、畑仕事もまた戦士のたしなみだと思った。

日が沈むころ、俺は小さな食堂で一杯のスープをすすった。

「ふむ、このスープ、まぁまぁ美味いな。だが、俺の旅先で食べた伝説スープには及ばんな」

店主が「何ですかその伝説スープって」と聞いてきたが、伝説は語るものではなく感じるものだと教えてやった。

俺の深遠なる言葉に、店主はただ頷くばかりだったな。

そうしてまた歩き出す俺。

道なき道を進む戦士に安住の地などない。だが、日々の小さな出会いもまた旅の一部だと、最近思うようになった。

まぁ、お前ら凡人にはこの境地、わからんだろうがな。



プロンプト:ブロント語を使って、ブロントさん風のちょっとしたエッセイを書いてください

2025-01-10

anond:20250110170116

どの人種だってピンキリだよ

クソみたいなのもいれば賢いのもいる

日本の中でだって東大出た若者もいれば老人だっているし男だってだっている

底辺が「外人より日本人の方が賢い」とか言ってても賢い側の人間苦笑いだぞ

日本人なんて虎の威を借る狐みたいな事言わず自分自身勝負しなよ

anond:20250110004810

子どもが産まれる以前に振られかねないのでね……。漫画表現をするなら笑顔がひきつっているというか苦笑いに汗が流れ始めたというか、(しょうがないなあと許してきたけどもしかしてずっとこれが続くのか?やんなきゃね〜なんとかしなきゃな〜とは言うがこいつあんま深刻に捉えてないし直す気無いな?進言・助言を忘れるってことは将来のことちゃんと考えてないな?)と思い始めているようなので。

「心がけようとは思っているがやはり面倒で気を抜くとだらけてしまう」というのを自覚してとりあえずイマジナリーチャイルドに恥ずかしくない生活を目指します。

2025-01-09

新潟の味を満喫する旅

増田新潟に到着

新潟駅に降り立った増田。冷たい風が頬を撫で、冬の空気が彼の体を引き締める。

「おお、寒いな。でも、この感じ、嫌いじゃない。」

増田、34歳独身一人暮らし。将来の不安を抱えながらも、新潟の味を満喫するため、街へと歩き出す。

店に入る増田

街を歩くうちに「新潟名物 地魚と郷土料理」の看板を見つけた増田は、迷わずその店に入った。暖かい店内に迎えられると、店主が笑顔で声をかける。

「いらっしゃい!お一人様ですか?」

増田メニューを見つめながら、大興奮。

「よし、今日は食べたいもの全部頼んでやる!」

注文したメニュー

のどぐろの塩焼き

タレカツ丼

鮭の塩焼き

へぎそば

タラ

イカの一夜干し

魚沼産コシヒカリおにぎり

笹団子

新潟地酒純米大吟醸

鶴齢の梅酒

贅沢な料理の数々

1. のどぐろの塩焼き

最初に運ばれてきたのは、新潟の宝ともいえる「のどぐろの塩焼き」。

脂が乗った白身が箸でほぐれるたびに、湯気と共に芳醇な香りが広がる。

増田一口食べて驚嘆。

「うわ、これ、口の中で脂が溶けていく…まるでバターみたいだ。」

焼き目がついた皮のパリパリ感と、ふんわり柔らかな身のバランス絶妙で、自然と笑みがこぼれる。

タレカツ丼

次に登場したのは、醤油ダレがたっぷり染みた「タレカツ丼」。

器の中には、分厚いカツが三枚も鎮座している。甘辛いタレがコシヒカリの白米と絡み合い、視覚からし攻撃力抜群。

増田は大きく口を開け、勢いよく一口

「サクッ、ジュワッ!……うわ、これ最高!カツがサクサクなのに中はジューシーだ!」

ソースの甘さとご飯の甘みが絶妙マッチして、箸が止まらない。

鮭の塩焼き

次は、シンプルながらも新潟名物、鮭の塩焼き。

皮目がこんがりと香ばしく焼かれ、ほんのりピンク色の身が目を引く。

増田は少しずつほぐして口に運び、思わず目を細める。

「おお…!これぞご飯が進む味だ。塩加減が絶妙で、脂の甘みが引き立ってる!」

地元で採れた新鮮な鮭だからこその味わいに感動。

へぎそば

緑がかった滑らかな麺が特徴の「へぎそば」が、涼しげな器に盛られて運ばれてきた。

増田そばつゆに少しずつ浸し、音を立てて啜る。

「つるつるっと……うん、この喉越し!布海苔香りがふんわり広がる。」

噛めば噛むほど、そばの風味が口いっぱいに広がる。

タラ

寒い冬には欠かせない郷土料理タラ汁」。

大きめの椀には、タラの身と野菜たっぷり入っていて、湯気と共に味噌香りが漂う。

増田レンゲですくい、まずはスープ一口

「はぁ~、体が温まるなぁ…。この優しい味、染みるわ。」

タラの身はほろほろと柔らかく、野菜の甘みと味噌が見事に調和している。

イカの一夜干し

卓上に香ばしい香りをまとった「イカの一夜干し」が置かれる。

炭火で炙られたイカの表面は程よく焦げ目がついており、箸で裂くと、ほんのり甘い香りが広がる。

増田は熱々のイカを口に運び、噛むたびに溢れる旨味に驚く。

「これ、ただの干物じゃないぞ…イカの甘みが噛めば噛むほど出てくる!」

日本酒との相性が抜群で、思わずお猪口に手を伸ばす。

魚沼産コシヒカリおにぎり

丸い形に握られたおにぎりは、ふっくらとしていて見ただけで美味しそうだ。

増田一口かじると、米の粒がしっかりと感じられ、その甘さに驚愕

「なんだこれ…米ってこんなに甘いものだったのか?」

シンプル塩味が米の味をさらに引き立て、新潟の米の底力を感じる逸品だった。

笹団子

最後デザートとして登場したのは、新潟名物「笹団子」。

笹の葉を開くと、鮮やかな緑色の餅が顔を出し、中には甘さ控えめのこしあんたっぷり

増田一口噛むと、もちもちした食感と笹の香りが広がるのを感じた。

「うん、上品な甘さだな。これ、何個でもいけそうだ。」

新潟地酒純米大吟醸)と鶴齢の梅酒

食事の合間には新潟地酒を味わう増田

純米大吟醸一口飲めば、フルーティー香りが鼻を抜け、後味はすっきり。

「これ、飲みやすいのにキレがあるな…。さすが新潟の酒だ。」

梅酒も甘さと酸味のバランスが良く、濃厚な味わいが増田を魅了する。

食べ過ぎた増田

料理を堪能しすぎて、お腹パンパンになった増田

「さすがに頼みすぎたな…。これ全部一人で食べるの、無理があったかも。」

店主が笑いながら声をかける。

新潟の味、楽しんでいただけましたか?」

増田苦笑いしながら、頷く。

「いや、最高でした!でも胃袋が小さいのが恨めしい…。」

新潟の街を歩きながら

店を出ると、冷たい夜風が体を包む。満腹になった増田は、新潟の冬の街を歩きながら考え込む。

「こんな美味いもん食べても、やっぱり将来のことが頭をよぎるな…。34歳で年収700万円、貯金は3000万円しかない。独り身だしお先真っ暗だよな。」

満天の星空を見上げる増田

「でも、こうやってたまには贅沢するのも悪くないか。」

心に少しの余裕を持たせながら、増田は静かにホテルへの道を歩き続けた。

2025-01-06

ケーキ悲劇

クリスマスからと奮発して、地元で一番評判の良いケーキ屋で特注のクリスマスケーキを買った。見た目も華やかで、上には真っ白な生クリーム金粉がかかったイチゴ、そして手作りチョコレートプレート。値段は1万円。正直、高かったけど、特別な日だしと思って思い切った。

家に帰って、彼と一緒に食べる時間を楽しみにしてたんだけど、彼の反応は冷たい。「うん、甘いね」それだけ。

いね?それだけ!?いやいやいや、このケーキだよ?一口食べただけで涙が出そうなぐらい美味しいケーキだよ?感動とかないの!?と思わず声を荒げてしまった。

「これ1万円もしたんだよ!?これ食べるために1週間昼ご飯我慢したんだよ!?もっとありがたく味わってよ!」と私が言うと、彼は驚いた顔でこう言った。

「…1万円?普通ショートケーキで良かったんだけど」

その瞬間、私の中で何かが切れた。「普通ショートケーキ!?そんなものクリスマスに食べる!?クリスマスって一年に一度の特別な日だよ!?ショートケーキなんてコンビニで買えば十分でしょ!?これは特別ケーキなの!」

でも彼は全然動じる様子もなく、「ケーキなんてどれも似たような味じゃん。別にこんな高いのじゃなくても良かったよ」とか言い出す始末。

もう私は怒りを通り越して呆れた。

「いい?これ、例えるなら映画だよ。例えば、『タイタニック』ってあるでしょ?あれ、世界中で大ヒットしたけど、DVD借りて見た方が安いじゃん?でも劇場で見るからこその感動があるの!クリスマスケーキも一緒!特別場所で、特別ケーキを食べるから意味があるの!」

すると彼は苦笑いしながらこう言った。

「いや、俺そもそもタイタニック』見たことないし、別に見なくても生きていけるよね」

その瞬間、私は爆発した。「ふざけないで!!!タイタニック見ずに人生語るな!!!あと、ケーキに感動しないとか、ほんとにどういう神経してるの!?私と価値観違いすぎ!!!

結局、私が一人で怒り狂い、彼は「もういいよ」と言ってケーキを残して部屋に戻った。私はその残されたケーキを見つめながら泣いた。

2025-01-05

結婚が面倒?だったら兄妹で同棲してみよう!

世の中には色々な生き方があるけれど、結婚ってなんだか面倒くさい。そう感じているのは、私だけじゃないはず。恋人との関係楽しいけれど、苗字が変わるとか、親戚付き合いとか、結婚式とか、想像するだけでうんざりしてしまう。

結婚」という二文字が頭をよぎるたびに、逃げるように漫画の中に没頭していた私、楓(かえで・28歳)に、ある日、雷が落ちた。

「ねえ、お兄ちゃん私たち、このまま結婚せずに、ずっと一緒に暮らすってどう思う?」

夕食の食卓で、向かいに座る兄、聡(さとる・30歳)に、私は突拍子もない提案をしてみた。

聡とは、2歳違いの兄妹。物心ついたときからいつも一緒だった。ケンカもするけれど、一番の理解者であり、何でも話せる大切な存在実家を出てからも、お互いの家は徒歩10圏内。週に何度も食事をしたり、映画を観たり、まるでルームメイトのような関係だった。

私の言葉に、聡はポカンと口を開けて固まっている。無理もない。私も、ほんの数分前まで、こんなことを考えていなかったのだから

「え、楓、何言って…」

だって、考えてもみてよ。結婚って、色々面倒じゃない?苗字が変わったり、親戚付き合いが大変だったり、結婚式とか、準備が死ぬほど大変そうだし…」

私がまくし立てると、聡は苦笑いを浮かべた。

「まあ、確かに、世の中にはそういうイメージがあるけど…」

「そうでしょ?それに、私たちは、もうずっと一緒にいるようなものじゃない?今更他人と暮らすとか、考えられないし…だったら、このまま兄妹で一緒に暮らした方が、ずっと楽じゃない?」

私は、畳みかけるように言った。聡は、少し考えてから

「…確かに、楓の言うことも、一理あるかもしれないな。俺も、今更他人と暮らすのは、ちょっと想像できないし…」

聡の言葉に、私の心臓が高鳴った。もしかしたら、この突拍子もない提案、受け入れてくれるかもしれない…!

「それに、経済的にも助かると思うんだ。家賃とか光熱費とか、折半できるし。それに、お互い一人暮らしだと、どうしても食生活が偏りがちだけど、一緒に暮らせば、ちゃんご飯も作れるし…」

私は、メリットを次々と挙げた。聡は、真剣な表情で私の話を聞いている。

「…まあ、楓の料理は、たまに微妙な時もあるけどな…」

聡がニヤリと笑った。

ちょっと!それは余計でしょ!」

私はムッとしたが、聡が冗談を言うほど、この話を真剣に考えてくれているのだと思うと、嬉しかった。

「…でも、本当に、兄妹で同棲って、アリなのかな…?世間体とか…」

聡が、少し不安そうに言った。

世間体なんて、気にすることないよ!私たちは、誰に迷惑をかけているわけでもないし。それに、私たちは、ただ一緒に暮らすだけで、変なことをするわけじゃないんだから!」

私は、力強く言った。

「…そうだな。確かに、楓の言う通りだ。俺たち兄妹が、一緒に暮らしたいと思って、一緒に暮らす。それの何が悪いんだ?」

聡の言葉に、私は満面の笑みを浮かべた。

「お兄ちゃん…!」

「…よし、決めた!私たち、兄妹で同棲しよう!」

こうして、私たちの、ちょっと変わった同棲生活が始まった。

とは言っても、私たちは、今までも、ほとんど一緒にいるようなものだったので、生活自体は、それほど大きく変わらなかった。ただ、今まで別々だった家賃光熱費が一つになり、食費もまとめ買いするようになったので、経済的にはかなり楽になった。

それに、一人暮らしの時は、どうしても外食コンビニ弁当が多くなりがちだったが、一緒に暮らすようになってからは、ちゃん自炊するようになった。料理が得意な聡がメインで作り、私はたまに手伝う程度だが、それでも、温かい手作りご飯を一緒に食べるのは、とても幸せ時間だった。

もちろん、兄妹だからケンカをすることもある。些細なことで言い争ったり、お互いの生活習慣の違いにイライラしたり。でも、私たちは、どんなことでも、ちゃんと話し合って解決するようにしている。それは、今までもそうだったし、これからも変わらないと思う。

私たち同棲生活は、世間一般の「普通」とは違うかもしれない。でも、私たちにとっては、これが一番自然で、心地の良い形なのだ

結婚という形に囚われず、自分たちにとって一番幸せな形を選ぶ。それも、一つの生き方だと思う。

私たちは、これからも、兄妹として、そして、ルームメイトとして、支え合いながら、楽しく暮らしていくことだろう。

この選択が、私たちにとって、最良の選択だったと、心から思っている。

熊本で食い倒れの旅

増田熊本に到着

熊本駅に降り立った増田。少し肌寒い風が心地よい。

「なんか、いい街だな。こんなとこで食べ歩きできるなんて贅沢だな。」

増田、34歳独身孤独で将来が不安で仕方ない。

「俺みたいなやつは一生一人だろうし、老後は貯金だってあっという間に食いつぶしそうだな。」

そんな不安を抱えながらも、出張ついでに熊本の美味いもんを楽しもうと街を歩き始めた。

店に入った増田

増田は「熊本名物 馬刺し」の看板が掲げられた店を見つけ、迷わずその店に入った。店内は落ち着いた雰囲気で、店主が元気よく迎えてくれた。

「いらっしゃい!今日は何をお召し上がりになりますか?」

増田メニューを見て目を輝かせながら答える。

熊本に来たんだから、まずは馬刺しでしょ! あと、ラーメン絶対食べたいな。んで、唐揚げとか、辛子蓮根もいっちゃう? だご汁も食べてみたいし、刺身盛り合わせも外せないよな!」

店主はちょっと驚きつつも笑顔でうなずいた。

「頼みすぎ?でも、まあ、せっかくの旅行ですしね!」

増田は無理に笑いながら言う。

「いやー、食べたいもん全部食べないと損した気分になるんだよ!」

店主はそれを聞いて、「わかりますよ!」と頷いてから増田の注文を伝えた。

増田が注文したメニュー
馬刺し赤身、たてがみ、レバー
馬肉のたたき
熊本ラーメン(細麺、豚骨スープチャーシュー
辛子蓮根
いきなり団子
黒豚唐揚げ
だご汁
肥後鮮魚刺身盛り合わせ(鯛、ヒラメアジ

料理が運ばれてきた

最初に運ばれてきたのは、鮮やかな色合いの熊本名物の馬刺し赤身、たてがみ、レバーがそれぞれ綺麗に盛りつけられている。

「うわ、これはうまそうだな…馬刺し絶対に外せない!」

増田一口食べると、その柔らかさと旨味に驚き、思わず目を閉じる。

「うーん、これはやばい…。これだけでも十分幸せだな。」

次に運ばれてきたのは、ジューシー馬肉のたたき。増田はもう一つの馬肉料理に手を伸ばす。

「うん、こっちもいける。うまいけど、ちょっと食べ過ぎかもな。」

続いて、熊本ラーメンがやってきた。濃厚な豚骨スープに、しっかりとしたチャーシューが乗った一杯。

ラーメンか…これも頼みすぎたか…でも、食べないわけにいかないよな。」

増田は勢いよくスープ一口飲み、続いて麺をすする。

「これがまたうまいんだよな…細麺とスープの絡みが最高!」

その後、辛子蓮根が運ばれてきた。ピリッとした辛さが食欲をさらに刺激する。

辛子蓮根、これも好きなんだよな。結構辛いけど、ビールが欲しくなる味。」

そして、いきなり団子も来て、甘いあんこの味にほっとする。

「甘いもんも欲しかったんだよな。」

さらに、黒豚唐揚げ、だご汁、そして肥後鮮魚刺身盛り合わせも次々と運ばれてきた。

「うーん、頼みすぎたな…いや、でも食べたいからな。がんばるぞ。」

もう食べられない

増田はすでにお腹がいっぱいだが、次々と運ばれてくる料理に圧倒されながらも、意地で食べ続ける。

「だご汁も美味しいけど、もうお腹限界だ…。でも、食べないわけにはいかないよな…。あー、でも刺身も食べたいし…」

体が重くなり、最後の一切れを口に運んだ時、増田はついに諦めた。

「もうダメだ…。さすがに食べ過ぎた。馬肉唐揚げで肉がダブってしまったな…」

店主が心配そうに声をかける。

大丈夫ですか?無理しなくていいですよ。」

増田苦笑いしながら答える。

「うーん、いやもう全部食べたので。でも頼みすぎちゃった。せっかく美味しいものを食べても、胃袋がついていかないよ…」

増田不安

食後、増田お腹パンパンになりながらも、店を出る。外の風が少し冷たく感じる。歩きながら、ふと考えてしまう。

「こんな贅沢をしてても、やっぱり将来のことが気になるな…。34歳で年収700万しかないし貯金は3000万しかない。これからどうするんだろう…。一人で生きていくのは、きっと不安だよな…。」

増田は街を歩きながら、その先に待っている未来不安に思いを馳せる。どんなに美味しいものを食べても、心の中で抱えた不安を感じる時、食事の満足感も少しだけ色あせて感じられた。

「まあ、今は食べて少しでも元気を出すしかいか…。でも、あんなに食べておいて、これからどうするんだろうな…。一人で、ずっと食べ続ける生活か。」

増田はまたため息をつき、静かに歩き続けた。

お腹の中にいる子供は彼の子供ではない

 私の人生は、まるで遊園地ジェットコースターのようだと思うことがある。緩やかな坂を上っているかと思えば、急激に落ちていく。特にここ数カ月は、日常が高所から真っ逆さまに落ちるような衝撃と、底なし不安を味わい続けていた。

 ――お腹の中にいる子供は、彼の子供ではない。

 自分自身まさかこんな事態になろうとは想像もしなかった。けれど、事実を変えることはできない。この言葉を胸の中で繰り返すたびに、頭がぐるぐると回って、やり場のない後悔が胸を締めつける。

1.小さな違和感妊娠兆候

 つわりが始まったのは、ちょうど初夏の季節だった。最初は気のせいかと思った。仕事帰りにふと立ち寄ったコンビニで、いつものように缶コーヒーを手に取ったら、なぜか口に運んだ瞬間に吐き気をもよおしてしまったのだ。

 「もしかして……」

 半ば恐る恐る、薬局妊娠検査薬を買い、家の洗面所でそっと検査をした。陽性反応。どう見ても、くっきりと反応は出ていた。息が詰まるような緊張感に駆られながらも、最初に頭をよぎったのは「彼が喜んでくれるだろう」という淡い期待だった。私は片道三十分の電車通勤をしながら、次第に大きくなるお腹を思い描いていた。

 私には、交際して一年半ほどになる彼がいる。名前を雄介(ゆうすけ)という。社内の研修出会って、話しているうちに自然と付き合い始めた。彼は優しくて真面目で、「将来は結婚視野に入れよう」と何度も言ってくれていた。それに、私も結婚意識し始める年齢になっていたから、彼となら幸せになれるだろうと信じていた。

 けれど、この時点では、まだ何も疑う余地がなかった。なぜなら、私はただの「妊娠」を素直に受け止めていただけだったから。まさかの子お腹に宿るまでに、“別の相手”が深く絡んでいるなんて、思い返しても不思議な話だ。

2.兄の存在と、やりきれない現実

 私には一歳違いの兄がいる。血のつながった「実の兄」。幼い頃から私を支えてくれていたし、大学に入ってからは遠方で一人暮らしを始めていたので、直接会う機会は減ったが、LINEで連絡を取り合う仲だった。私よりも一足早く社会に出て、都内の大きな企業就職し、そこそこ稼ぎも良かったらしい。休みの日には車を飛ばし実家に帰ってくることも多かった。

 私の両親は早くに離婚しており、父はほとんど家に寄りつかない。そんな家庭環境だったせいか、兄は父親代わりのように私を気にかけてくれていた。学校で嫌なことがあれば、兄に相談したし、社会人になってからメッセージをくれたり、食事に誘ってくれたりした。

 もしかすると、そこで始まったのが間違いだったのかもしれない。私はずっと、兄のことを「家族」以上の存在として意識したことはなかった。だけど、あるきっかから、私の心は奇妙な方向に揺れ動いてしまったのだ。

 今から数カ月前、母が急病で倒れたことがあった。といっても命に別状はなく、入院も長引かなかったけれど、兄と私が連絡を取り合って付き添いをしていた。母の退院が決まり、ようやくほっとして家に帰った晩、私と兄は感情的状態のまま、お酒に酔うようにして、何とはなしに実家で二人きりの夜を過ごした。

 普段はそんなにお酒に強くない私が、妙にハイになってしまい、兄もやけに飲み続けていた。疲れと安心感とが混ざり合って、頭がぼんやりしていたのを覚えている。そのまま、兄とどういう経緯でそうなったのか、自分でもうまく説明できない。ただ、翌朝、隣には兄がいた。そのとき私たちは、お互いに“してはいけないこと”をしてしまったのだと理解した。

 兄は「ごめん」と何度も繰り返していたが、私自身、混乱していたし、反省と罪悪感が頭を埋め尽くしていた。それきり、私たちはその話をしないまま、兄はすぐにアパートへ戻ってしまい、私は都内の自宅に帰った。関係を「なかったこと」にするには、あまりにも重い罪悪感。でも、どうすればいいのかわからない。これ以上、こんな“近親”の関係を続けるわけにはいかないと、私も強く思った。

 その日は、彼――雄介に何か言い訳めいた嘘をついて、数日連絡を断った。彼には母の入院があった程度にしか伝えておらず、詳細など言えるはずもなかった。何度か電話がかかってきたけれど、私は出ることができず、メッセージも「バタバタしてた、ごめんね」と返すのがやっとだった。

3.疑いが芽生えはじめる

 お酒の席のあの一度きり。それで終わりだと思っていた。まさか、それが妊娠につながるなんて思いもよらなかった。

 もしも、私と兄との間に何もなければ、私は迷わず妊娠したの、あなたの子だよ」と雄介に伝えていたはずだ。けれど、検査薬の結果が陽性だったあの日から、私は自分の頭を冷静に整理するために、生理が遅れ始めた時期を必死で逆算した。どう考えても、兄との一夜がタイミングとして濃厚なのだ

 それでも私は「いや、そんなはずはない。もしかしたら彼の子かもしれない」と自分に言い聞かせようとした。一方で、万が一にもこの子が兄との間にできた子供だったら……それはもう取り返しがつかない問題だ。

 ただでさえ、近親で関係を持つことは社会的にも法律的にもタブーだし、人として許されることではない。しかも、もし生まれてくる子が兄との子供だとしたら、その子にどんな影響があるのかを考えただけでも恐ろしかった。私はそんなことを想像して、毎晩眠れずに苦しんだ。

4.彼に打ち明けるべきか、黙っているべきか

 「おめでとう」と、雄介は言ってくれた。

 意を決して「妊娠したみたい」と報告したとき、彼は信じられないほど喜んでくれた。少し会社を早退して、花束を持って私のアパートに駆けつけてくれたほどだ。

 「俺たち、ちゃんと考えて結婚しよう。まだ早いかなって思ってたけど、子供ができたなら、なおさらきちんとしよう」

 まっすぐに目を見つめてくる雄介の瞳に、私は直視できないまま涙をこぼした。嬉しさと罪悪感がせめぎ合って、どうしていいかからなくなった。

 この瞬間、私の口から“あの事実”を打ち明けられるわけがない。私と兄との一夜なんて、誰が聞いたって嫌悪感しかないし、雄介が私のことを軽蔑するのは間違いないだろう。こんな裏切りは、どんな理由をつけても許されない。

 でも、今すぐ言わなければ、あとで言い出すことはもっと難しくなる。どうするべきなのか。私は考え続けていた。しかし、心のどこかで「兄の子供ではなくて、雄介の子供だと思い込んでしまいたい」という甘い誘惑もあった。彼がこんなにも私と子供を愛してくれそうな姿を見ると、“本当のこと”を隠してしまいたくなる。

 ただ、もし生まれてきた子供血液型遺伝的特徴、あるいは顔立ちなどから「これはもしかして……」と疑われる日が来ないとは言い切れない。今はとにかく時間がほしかった。考える猶予がないまま、私のお腹の中の子は日々成長していく。

5.兄との再会と、新たな選択

 気まずい沈黙のまま数カ月が過ぎたころ、兄が意を決したように私に連絡を入れてきた。「少し話したい。直接会えないか」と。

 腹の出方が分かるほどではないが、私はつわりがひどく、吐き気で悩まされていた。なるべく外出は控えていたが、兄とは話をしなければならないと思い、近くのファミレスを待ち合わせ場所にした。日曜の昼下がり、店内は子供連れでにぎわっていた。そんな中で顔を合わせる兄は、以前よりやつれた様子だった。

 「体のほうは大丈夫?」

 お互い、何も言わなくても、ただごとではないことはわかっている。言わずもがな、兄は私の“妊娠”について噂に聞いていた。それどころか、母のところに挨拶をしに行った雄介の話を耳にして、すべてを察していたようだ。

 「おれが責任取る。お前を傷つけたんだから

 兄がそう切り出したとき、私は何と言えばいいかからなかった。何に対して責任を取ると言うのだろう。いろいろな感情が頭を駆け巡ったが、兄はさらに続ける。

 「堕ろせ、なんて言う気はない。けど……もしお前が望むなら、俺は何だってする。家族だって包み隠さず言う。どんな非難を受けてもいい」

 その言葉を聞いた瞬間、私は悔しさとも安心感もつかない涙があふれた。こんな形でも、兄は“父親”として向き合おうとしているのだ。それはひどく間違ったことかもしれないが、一方で私がいま最も求めていた“覚悟”のようにも思えた。

 けれど、私は首を振った。兄を見たまま、かすれた声で言う。

 「違う。私は……雄介と結婚する。あの人、すごく喜んでくれているし……これ以上、人を傷つけたくない。だから――兄ちゃんの子だなんて、言うつもりはない」

 兄はその場でテーブルを握りしめ、目を伏せていた。まるで、一言でも強く否定したら、私を余計に追い詰めてしまうんじゃないかと怖れているようだった。

 「……本当にそれでいいのか?」

 私は「うん」と、すがるようにうなずいた。もし世間公表したら、私たち家族崩壊してしまう。兄も、私も、もう普通生活には戻れない。何より、この子ちゃんと産んで育てるなら、父親は雄介であってほしいと強く願っている。

 ただ、それは私のわがままかもしれない。兄にも重荷を背負わせることになるし、何より雄介に対しても重大な裏切りだ。私の決断は、本当にこの先、幸せを生むのだろうか。

6.揺れる良心と見えない未来

 それから数週間後、私は小さなアパートを引き払い、雄介の部屋に同居することになった。「ちゃんと席を入れよう」と彼は言ってくれる。母も、「あんたたち早いけど、まあそういう時代だしね」と苦笑いしながら祝福してくれている。兄はもちろん式には来ないし、来られるはずもなかった。

 こうして周囲の人々に祝福されながら、一方ではどうしても消せない罪悪感が私を苛んでいた。たまに通院するとき、「妊娠何週目です」とお医者さんに言われると、そのたびに兄との日付が正確にリンクしているのではないか不安になる。そう考えると息が詰まりそうになるのだが、深くは考えないようにしていた。

 幸せを演じるのは簡単だった。彼の前で不安な表情を見せないように努めるし、彼も「つわり大丈夫?」「食べたいものない?」と私を気遣ってくれる。きっと雄介は何も疑ってはいない。私の体調が落ち着けば、次は式場探しだとか、結婚に向けての具体的なプランだとか、彼と話し合って進めていくだろう。今のところは、何も問題がないように見える。

 でも、私は夜になると、時々夢を見てうなされる。生まれてきた子供が、兄そっくり容姿をしていて、雄介がそれを見て青ざめるような夢だ。誰も悪くないはずなのに、私は理不尽に泣き叫んでいる。そんな夢から目覚めると、心臓が激しく脈打って、しばらく眠れなくなる。どうしてあんな夜を過ごしてしまったのかと、過去を後悔しても遅いのに。

7.小さな命の重みと選んだ道

 私は胎動を感じ始めた頃、つくづく「命って重いんだな」と思い知らされた。夜に横になっていると、小さな魚がはねるように、お腹の奥からピクッと動く。

 「ほら、今動いたみたい!」

 私が声を上げると、雄介が驚いた様子で手を当て、嬉しそうに笑う。私の不安なんて全く知らずに、心からまれてくる子を楽しみにしている。そんな姿を見ていると、自分選択が正しかったと信じたくなる一方で、どうしようもない自己嫌悪に襲われる。どれほど後悔しても、もう時間は巻き戻せない。

 ただ、兄との間に起きたことは「なかったこと」にはできないのも事実だ。私はこれから先、生涯にわたってこの秘密を抱えて生きていかなければならない。その罪は決して消えない。兄もまた、どこかでずっと同じ罪悪感を背負っていくのだろう。

 「でも……どんな形であれ、この子を愛して育てたい」

 私の中で、子供への想いが日に日に強くなる。それだけがせめてもの救いだと思う。この子には何の罪もない。もし仮に、本当の父が雄介ではなく兄だったとしても、私はこの子を健やかに幸せにしてあげたい。

 兄も苦しいだろう。でも、これ以上、誰も不幸にならないようにするには、私が沈黙を貫くしかない。何より、この子自身を守るためにも――。

8.いつか訪れるかもしれない“真実”の瞬間

 お腹が大きくなりはじめたある日、ふと彼が私の顔を見つめて言った。

 「なんか……最近、顔色が悪いときがある。無理してない? 体調だけじゃなくて……気持ちの面でさ、何か抱え込んでない?」

 このとき、私は一瞬、「すべてを打ち明けようか」と頭をよぎった。けれど、できなかった。思い出すのは、いずれ私と結婚する気満々の彼の姿、夢の中で抱く子供笑顔、そして兄の苦しそうな表情。あまりにも多くの人を傷つけてしまうだろう真実を、私は今さら言い出す勇気を持てない。

 「だ、大丈夫。少し妊娠疲れしてるだけだよ」

 そう言って誤魔化すように笑うと、雄介は「そっか」と言って微笑み、私の頭をなでてくれた。素直に「ありがとう」と言えない自分が、すごくみじめに思えた。私の心は、日に日に小さな嘘で固められていく。

 もし、子供が生まれて、将来何かのきっかけで「血縁秘密」が分かってしまったら、そのとき私はどんな言葉をかけられるのだろう。考えるだけで怖い。そんなことになれば、雄介は私を責め続けるだろうし、彼と子供関係さえ壊れてしまいかねない。

 でも、だからといって今さら「実は違うの」と告げられもしない。私は小さく震える手を握りしめた。

9.結末というよりも、始まり

 いつか、この秘密は私の人生を大きく変えるかもしれない。いや、たとえ誰にもばれなかったとしても、私自身がこの事実を抱えていくことに変わりはない。今、私の中で息づいている命は、本当に雄介と私の子ではない。それでも、私たちはこれから家族”として生きていく。

 私は思う。もしこの子が生まれ落ちて大きくなったとき、何かの拍子で真実を知ることになったとしても、それでも私にできるのは、愛情を注ぎ続けることだけだ。この子に罪はないし、きっと雄介も本当の父親として変わらずに愛してくれる――そう願うしかない。

 兄は、その後、私の住む街から離れるように転勤を願い出たらしい。母には「急に引っ越すことになった」とだけ連絡が入ったと聞いた。私への連絡はほとんどなく、「元気にしてる?」のような短いメッセージときどき届くだけ。返信をするのもためらってしまうから、私は一言「うん」と返すのが精一杯だ。多分これが、私たちなりの“距離の取り方”なのだろう。

 すべてを葬り去ることはできないし、何か別の方法があったのかもしれない。けれど、私は最終的に“雄介との人生”を選んだ。その道が正しかったのかどうかはわからないし、罪悪感は消えない。

 それでも、胎動を感じるたびに、「私は母になるんだ」と実感する。子供を迎える人生。それが私の幸福のカタチかもしれないと、何とか自分に言い聞かせている。揺れる不安とともに、私の“家族”になるはずの雄介や、まだ見ぬ子供と向き合っていく日々が始まる。その先に待つのが光か闇かは、まだ私にはわからない。

 たとえ人には言えない秘密を抱えていたとしても、限りある人生の中で、私はこの子を守り、愛していくしかない。兄もまた、どこか別の街で、自分なりに苦しみを抱えながら生きていることだろう。

 ――お腹の中にいる子供は、彼の子供ではない。

 この現実を抱えたまま、私は静かにお腹をさする。幸せな母の笑顔を演じる自分と、後ろめたい気持ちを引きずる自分。まるで影と光のように揺れる葛藤に耐えながら、これから始まる未来を歩んでいかなければならない。それが、私が選んだ人生なのだ

静岡弱者男性、腹いっぱいの旅

静岡出張に来た増田

静岡駅に降り立った増田。目の前には晴れた空と富士山の美しい姿が広がっている。

「なんか、こういう景色見るとさ、俺みたいな貧乏弱者男性でもちょっと前向きになれる気がするよな」

34歳、独身で将来のことを考えると不安ばっかり。そんな出張ついでの旅だ。

「まあ、とりあえず飯だな。静岡っていったら、美味いもん多そうだしな」

歩きながら静岡の街を見て回る。地元感溢れる商店街を見つけて、ふらりと入った。

静岡グルメ

店の暖簾をくぐると、店主が「いらっしゃい!」と笑顔で迎えてくれる。温かい雰囲気にホッとしつつ、メニューを見た増田は目を輝かせた。

静岡おでんか~! これ絶対食わなきゃだろ。あ、しらす丼もある。いや、富士宮焼きそばも捨てがたい……」

気づけば勢いでこんな注文をしてしまった。

静岡おでん盛り合わせ
しらす丼
富士宮焼きそば
黒はんぺんフライ
えびのかき揚げ
わさび漬けお茶漬けセット
静岡茶のジェラート
地元みかんゼリー

店主が「すごいボリュームですね」と苦笑いしてくるのを見て、増田ちょっとだけ不安に。でも、「出張の記念だから」と自分を納得させる。

幸せと後悔のはざま

最初に来たのは静岡おでん。濃い黒いスープに浸った大根黒はんぺんを食べて、増田は感動した。

「これ、うまっ! 出汁がしっかりしてて、染みてるわ~……」

続いてしらす丼にかきこみ、桜えびのかき揚げをサクッと食べる。

「うわ、桜えびの香ばしさすげぇ。静岡来て良かったわ」

でも、焼きそばを食べ進めるうちにテーブルの残りの料理を見て、冷や汗が出る。

やばいな……これ、焼きそばと丼で炭水化物がダブっちゃったよ……完全に頼みすぎたわ」

最後の戦い

腹がパンパンになりながらも、お茶漬けをなんとか完食。

「頼んじまったもんは食うしかねぇ……弱者男性の俺でも、このくらいは責任持たなきゃな」

最後静岡茶のジェラート一口食べた瞬間、緑茶の爽やかな香りが広がって、全てが報われた気がした。

「これ、めっちゃうまい……。これだけで静岡来た甲斐があったわ」

帰り道

夕暮れの静岡の街を歩きながらぼんやりと考える。

「頼みすぎて失敗したけど、こういうのも人生ってやつなんだよな。弱者男性でも、こんなちっぽけな幸せ大事にしていけばいいんだよな」

でも、ふと足を止めて、自分現実に引き戻される。

「それにしても……この先どうなんだろうな。34歳で年収700万、貯金3000万しかない。老後や病気に備えるには全然足りない気がする」

富士山をバックに、満腹で重い足を引きずりながら、また一歩を踏み出す。

2025-01-02

理系池澤夏樹世界文学全集をほぼ全部読んだから五段階評価する⑤

【前】anond:20250102174224

2-07「精霊たちの家」 イサベル・アジェンデ 木村榮一訳★★★★

世代女性たちの年代記であり、「百年の孤独」と対比されるんだけれど、こちらのほうがずっと読みやすい。ちなみにガルシアマルケスコロンビア人で、アジェンデチリ人

しかし、女性物語としての記憶は薄れていて、覚えているのは暴君として君臨していた祖父エステバン・トゥルエバのことだ。彼が地元女性強姦して産ませた息子が、因果が回って彼の孫娘を強姦する。因果というか、悪い行いの結果って一番弱い立場の人に最悪のしわ寄せがくる。しかし、孫娘の嘆きや苦痛強姦の苦しみの割にはごく短く語られている。

同じく、よしもとばななアルゼンチンババア」かなにかで、語り手がいとこに犯されそうになったことをさらりと書いているのだが(そして、そのいとことほとんど恐れもなく顔を合わせるのだが)、性暴力について文学でどう扱えばいいのかは自分はよくわからない。女性からセクハラされた僕だって迷う。性暴力表現するときにどれくらい気をつかうかは、殺人事件よりも慎重になっている印象がある(それだけ殺人が稀になったってことかもしれない)。

書かなかったのか、書くことができなかったのか。アンソニー・ドーア「すべての見えない光」でも、ソ連兵に犯されたドイツ人女性がたくさん出てくるが、彼女たちが戦後どう生きたのかについては、わずしか触れられない。

道徳的理由表現規制されるのは、真実から目をそらすことになる気がするので好まない。一方で、当事者の声を無視しても結果的には良い物にはならない。このあたりは想像力の飛翔との兼ね合いでいつも居心地が悪くなる。「好きなように書かせろ」という書き手としての自分と、「当事者以外が勝手なことを書くんじゃないよ」と別の自分がいつも喧嘩している。

2-08「パタゴニア/老いぼれグリンゴブルースチャトウィン 芹沢真理子訳/カルロスフエンテス 安藤哲行訳★★★★/★★

ブルースチャトウィンパタゴニアを読むと、旅はいい、とため息が漏れる。何度だって書くが、紀行文はいい。定期的に読みたくなる。その土地しかない暮らし風土、それゆえに自分たちと異なった風習を持ち、理解しがたい態度を取る人々。航空機以前のように、数か月の旅を空想するのが好きだ。チャトゥインはオーストラリア舞台にした「ソングライン」もある。アボリジニは他の文化の持ち主には見えない道をたどり、万物名前を付けて大陸中を歩いてきたのだ。

カルロスフエンテス老いぼれグリンゴはあまり記憶していない。モデルとなったアンブローズ・ビアスの書いた「悪魔の辞典」はかなり好きなんだけどな。筒井康隆を始めいろんな翻訳があるのでオススメ

フエンテス短篇集「アウラ・純な魂」のほうがずっと面白かった。老いが迫る男、幼馴染のようにべったりした兄妹の別離、小さい頃に一緒に遊んであげた小さな女の子の末路、鏡のある真っ暗な部屋で魔術によって若さを保つ老婆、それから脱走兵が出てくる。

2-09「フライデーあるいは太平洋の冥界/黄金探索者」ミシェル・トゥルニエ 榊原晃三訳/J・M・G・ル・クレジオ 中地義和訳★★/★★

ミシェル・トゥルニエフライデーあるいは太平洋の冥界」はかなり観念的な話だったと記憶している。文明自然を対比させるために(?)読者に理解やすロビンソン・クルーソーとカオティックな行動をするフライデーが出てくるのだが、舞台ロビンソンが島そのものとの性交子どもが生まれるという神話的な世界だった。これを読んだ後で、理解を深めるためにデフォー原作を読んだのだが、記憶していたような絶海の孤島ではなく、近くに南米大陸がある島だった。そういえば子どものための抄訳版にも、近隣から人食い人種が攻めてくる描写があった。

M・G・ル・クレジオ黄金探索者」は姉と弟の閉じた世界が壊れるというか、外部の世界を知るような話だったと記憶している。姉と不可分な存在となって、マダガスカルサトウキビ畑を歩いていた場面があったはずだ。小さな子供の目から見た植民地世界の、どこかに宝物が埋まっているんじゃないかと期待しながらも、閉塞した記憶だ。ラストでは故郷家族恋人黄金もすべて失い少年期が終わる。しかし、不思議と読後感が清々しいのはなぜだろう。まるで、すべてはここから本当に始まるのだ、という気分である

ル・クレジオ難解な作品とそうでない作品の差が激しい。「海から来た少年」はまだわかりやすいんだけれども、太陽を見つめて意図的盲目になる「大洪水」は二回読んだはずなんだがさっぱりわからなかった。

2-10「賜物」ウラジーミル・ナボコフ 沼野充義訳★★★★

一時期ナボコフがすごく好きで、文学講義シリーズも読んだんだよね。前のエントリで書いた「ロリータ」だけじゃなくて、ソ連から亡命した冴えない教授を主役にした「プニン」だとか、架空の国ゼンブラを舞台にした架空の詩と、それに対する真実虚構かわからないような注釈が、見開きの右と左に分かれていた「青白い炎」だとか、そもそも実在する世界舞台にしているかどうかさえ疑わしい兄妹の恋物語「アーダ」だとか、みんな好きだった。で、これらは英語創作されているんだけれど、最後ロシア語で書いたのがこれ。詩人になるまでのお話

難民のように食うや食わずではなかったけれども(そしてそのせいで政治的過小評価されることもあるけれど)、ナボコフはやっぱり偉大な亡命作家の一人だ。でも、ユーモアを忘れていない。

で、本作では片想いをしている女性を思い浮かべながら、どの女性を見ても彼女のことを思い出し、彼女連想できないタイプ女性には嫌悪を覚えたという趣旨のことを書いていて、ちょっとだけ分かるんだけれどひどいことを平気で言う作家だなと苦笑いをした。

フョードルコンスタンチノヴィチに向かってうら若い牛乳瓶を持った娘がやってきたが、彼女はどことなジーナに似ていた。いや、より正確に言えば、この娘には、彼が多くの女性たちに見出しているある種の魅力――それは明確なものであると同時に、無意識的なものであった――ひとかけらが含まれていたのだ。そして、彼はその魅力の完璧ものジーナの中に認めていた。だから、そういう女性たちは皆、ジーナとある種の神秘的な親族関係にあるということになるが、その関係について知っているのは彼一人だったのであるもっとも、その関係の具体的に言い表せと言われても、彼にはまったくできなかったけれど。(ただ、この親族関係の外にある女性たちを見ると、彼は病的な嫌悪感を覚えた)。

僕は基本的に豊かな知識を持ち、普通に文章を書くだけでその該博さがこぼれてしまうために、結果的にひけらかしと受け止められてしま作家が割と好きで、一時期円城塔にもどっぷりハマっていた。一方で、「ロリータ」については、暇なときパラパラとページを開いていると、語り手の身勝手さがだんだんと鼻につくようになってきた。ハンバート・ハンバートって、でっぷりしたおばさんを見て、「ニンフェットの美しい肢体を生き埋めにした棺桶だ」って趣旨のことを平気で言うんだもん。性格悪いよね。

とにかく、前は金に困っていない人間が、道徳を踏みにじっているのを美々しい文章で糊塗しているのが(当時は悪とは何か知りたかったし、悪いことをしている狂った人間の話が読みたかったし、知性を感じる文章が好きだった。そういう意味でも「悪」を扱った遠藤周作がすごく好きだった)面白くてしょうがなかったのだが、いまとなってはそこまででもなくなっており、自分の中で「ロリータ」の魅力が少しかすんできた。それとも僕が少女に心惹かれなくなっただけなのか。

なんにせよ猛烈な魅力を感じていたのにプツンと魔力が消えてしまうことはある。以前は三島由紀夫が大好きだったのに、「豊饒の海」を読む前に魔法が消えた。たとえば「潮騒」を読もうとしたら、彼の文章リズムが心に響かず、全然読めなくなっていた。

少女と言えば、初めて「ロリータ」を読んでいた二十代の頃、一年に数回ほど発作的に年端もいかない少女に対する強烈な憧れが募っていた時期があったのだが、少女と知り合って仲良くなるプロセス現実的に細かいところまで検討すると、真っ当な手段がどこにも存在しないと気づいて、途端にこうした欲望への嫌悪の情が浮かんび、緩解していった。それに、無知相手自分利益のためだけに利用するのは邪悪定義に当てはまってしまうしね。

おそらく、当時の自分が憧れていたのは現実少女ではなく、思春期の頃に空想するような、成長の痛みや性の悩みに寄り添ってくれる同い年の少女で、その記憶を引きずっているに過ぎないのだ。つまり、幼馴染への憧れだ。そういう少女思春期の頃に出会えるはずはないし、自分問題自分解決しないといけない。そのうえ、よしんば実在したとしても、そんな少女とは「ノルウェイの森」のキズキと直子や、「海辺のカフカ」の佐伯さんと彼女恋人のように閉じた関係になってしまうだろう。結局は、成長の痛みを引き受けないことによる歪みを必ずや生み出すだろう。そういう空想上の女の子自分自身の鏡像ユングのいうアニマで、つまるところこれは自己愛である。今はむしろ年上好きである

(どうでもいいけどウィキペディアロリコン写真集記事、内容がやたらと詳しいんだがこれって倫理的にどうなのよ。誰かが興味持っちゃったらどうすんの)

2-11ヴァインランドトマス・ピンチョン 佐藤良明訳★★

ピンチョンはよくわからない。陰謀論ネタにしているんだろうが、直接扱ったエーコフーコーの振り子」のほうがエンタメとして好き。陰謀論的な思考ちゃんと茶化しているしね。個人的にはエーコが作中で既存の有名どころの陰謀論をすべて統合したオリジナルの壮大な陰謀論を作り上げているあたりがヤバい。あるいは架空史の仁木稔の「ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち」か。困ったことに、これらの作品が発表されてから陰謀論ネタとして面白い物から現実の脅威となってしまっている。

エーコが楽しめてピンチョンにピンとこなかった理由を考えてみると、たぶん元ネタとなる知識をどれくらい知っていたかに尽きる気がする。自分キリスト教やオカルティズム、カバラや魔術については多少わかるのだが、六十年代アメリカポップカルチャー現代エンタメには詳しくない。だが、この作品は実際、死をもたらすツボ押しマッサージが出てきて「あと何日でお前は死ぬ」みたいな「北斗神拳」っぽいネタを扱っている。なんせこの爆弾を埋め込まれるのが日本人サラリーマンなのだ

2-12ブリキの太鼓ギュンター・グラス 池内紀訳★★★

文庫本にして三冊の本を無理やり一冊に押し込んで、小さな活字二段組みなので読むのがしんどいし、「早く読み終えなきゃ」って焦ってしまった覚えがある。馬の生首のシーンが有名だよね。

三歳で成長するのをやめたダンツィヒ回廊生まれ少年主人公の癖に、義母を寝取って子どもを産ませているんだから、とんでもない話だ。純粋無垢なままでいるために三歳よりも大きくなるのをやめた話と思わせて、実は様々な女性恋愛遍歴をしている。家族が次々と殺されて行ってもね。

そういえば、さっきモテる奴の話を読んで何が面白いのかと書いたけれども、舞台現代日本でなければ別世界ファンタジーとして享受できるらしい。幼馴染のロマンスだって、別の国や時代舞台ならまだ受け入れられる。たとえばロンゴス「ダフニスクロエ」だけじゃなくてコレット青い麦」も割と好き。どっちも少年側が人妻に性の手ほどきを受けるので、これで多少性癖が歪んだ気がする。村上春樹海辺のカフカ」と合わせておねショタに目覚めてしまった。あと、青春物があまりきじゃないのに、「十三機兵防衛圏」はプレイできているの、あれが一つは君と僕みたいだけみたいな閉じた雰囲気じゃなく、感傷ダダ洩れの地の文章が無く、群像劇からってのもある気がする。

話を戻す。うじうじしているくせに、本当はモテることにすごく憧れているただ。だが、十五分の自慰行為あいだならエロ漫画主人公と同一化できるかもしれないけれど、数時間かけて読む文学では自己同一化魔法は解けてしまう。細かい設定があるのだから自分との差異がどんどん強調される。自分は到底なれそうにもない、かっこいいキャラモテても、ちっとも面白くないのであるしかしこんな話を聞かされる読者も面白くないだろうしこのあたりで切り上げる。小説ダメ人間、僕が先に好きだったのにという人間にならなんとか自己同一化できたのである(余談だが、かつての週刊誌の中づり広告のようなエロス無法地帯ウェブ広告で「カラミざかり」が出てきたとき主人公の来ている服のロゴに「cuckold」と書いてあったが、これは英語で「寝取られ男」という意味である。そういう芸の細かいところ、わかる人にはわかる小ネタは好きよ)。

少し現実的に考えてみれば、滅茶苦茶にモテ複数女性から同時に交際を求められたら、しかも好みの相手でなければ、それはそれで面倒そうなのであるが、嫉妬と羨望に狂っているさなかにはそれはわからない。同じく、浅ましいことに3Pとかも憧れるけれど、よしんばそんな機会が訪れたとして、絶対気をつかうし面倒くさい。自分が手に入れられなかったもの理想化されて頭の中で猛烈な輝きを持つが、一度頭を冷やしてみよう。

続く。

2024-12-31

中国AIラノベを書かせてみた。

中国AIサービスラノベを書かせてみたらちゃんとしてて驚いたので共有する。

ーー

タイトル:『初めての夜、君と』

大学生の僕、佐藤翔太の部屋に、今日から親戚の中学生桜井美咲が転がり込んできた。事情があって、しばらく一緒に暮らすことになったのだ。

「お風呂、入ってきたよ!」

バスルームから出てきた美咲は、ピンクパジャマ姿で髪をタオルでゴシゴシ拭いている。

まだ湯気が立ち上るほどのほかほかで、頬も少し赤い。中学生とはいえ彼女存在感は僕の部屋を一瞬で変えてしまった。

「あ、うん。じゃあ、僕も入ってくる」

僕はタオルを持ってバスルームに向かう。しかし、その前に美咲が僕の前に立ちはだかる。

「ねえ、翔太お兄ちゃん今日はどこで寝るの?」

「え?ああ、ソファで寝るよ。ベッドは美咲が使って」

僕の部屋は1Kで、ベッドは一つしかない。当然、僕がソファで寝るつもりだった。

「えー、でもソファじゃ寝にくいでしょ?ベッド、一緒に使ってもいいよ」

「……いや、それはさすがにまずいだろ」

僕は苦笑いを浮かべる。中学生女の子とベッドを共有するなんて、いくら親戚とはいえ、それはまずい。しかし、美咲は首を横に振る。

だって家族みたいなものだし!それに、翔太お兄ちゃんソファで寝て体調崩したら、私が困るよ」

「それは……まあ、そうだけど……」

僕は少し悩む。確かにソファで寝ると腰が痛くなるかもしれない。でも、ベッドを共有するのは……。

「じゃあ、こうしよう!」

美咲は突然、ベッドの上にバスタオルを置き、それを真ん中に立てる。

「これで仕切りを作れば、大丈夫でしょ?翔太お兄ちゃんは向こう側、私はこっち側。これなら問題ないよね!」

「……まあ、それならいいか

僕は渋々ながらも、彼女提案を受け入れる。確かに、これなら問題ないだろう。

夜が更け、部屋の明かりを消すと、僕たちはそれぞれベッドの端に横たわった。バスタオルの仕切りが真ん中に立ち、お互いの姿は見えない。

「ねえ、翔太お兄ちゃん

「ん?どうした?」

今日ありがとう。私を受け入れてくれて」

「……いや、別に家族みたいなものだろ?」

僕は少し照れくさそうに答える。すると、美咲が小さく笑う。

「うん。でも、嬉しい。翔太お兄ちゃんと一緒にいられるの」

「……そうか」

僕は彼女言葉に胸が温かくなるのを感じた。確かに彼女が来てから部屋の雰囲気が変わった。寂しかった部屋に、少しだけ活気が戻ったような気がする。

「ねえ、翔太お兄ちゃん

「ん?」

「……ちょっと寒いかも」

寒いエアコン強くしすぎたかな?」

「ううん、そうじゃなくて……ちょっと、近くにいてもいい?」

「え?」

僕は一瞬、言葉を失う。しかし、美咲はすでにバスタオルの仕切りを越えて、僕の方に近づいてきた。

「ちょ、ちょっと美咲……」

大丈夫、仕切りがあるから。ただ、ちょっと近くにいたいだけ」

彼女の声は小さく、どこか寂しげだった。僕は彼女気持ちを察し、少しだけ体を寄せる。

「……いいよ。でも、変なことしないからな」

「ふふ、翔太お兄ちゃんが変なことするわけないでしょ」

彼女の笑い声が耳元に響く。僕は少しドキドキしながらも、彼女の温もりを感じる。

「……ねえ、翔太お兄ちゃん

「ん?」

「……おやすみ

「ああ、おやすみ

僕たちは静かに目を閉じた。バスタオルの仕切りが少し揺れ、彼女の髪の香りがほんのりと漂う。

この瞬間、僕は彼女がただの親戚ではなく、大切な家族の一員になったことを感じた。

そして、僕たちは初めての夜を、静かに迎えたのだった。

2024-12-25

新札が真っ直ぐすぎて増田戻ってくる九手っ度もダス待て技すぐすっまが津三紙(回文

おはようございます

銀行ATMがお札が新札でピンピンすぎて入金できなくて無駄手数料を取られちゃって、

まあ時間外だから手数料無料時間に行けよ!ってのはそもそもなんだけど、

お昼の昼間に出られない時に出金と入金を一度にいっぺんにやってしまいたい衝動に駆られるときがある季節の月末チックなことさらあるじゃない。

そういうチャンスだったのよね。

私は新しく変わった紙幣渋沢栄一さんかまだその見慣れてない顔を睨みつけて出てきた返ってきたお札をまた入れ直したの。

睨みつけるだなんてお金のお札の紙幣新札渋沢栄一さんには申し訳ないけれど、

ATMが新しいお札を上手く真っ直ぐすぎて

機械の中で上手く裁けなくて返却される紙幣をまた入金のトレイに入れてトレイを閉めてまた開くという。

これを何回繰り返すことか?

うーん、

一発で入金出来たら無駄手数料取られなくてもいいのに!って思うのよ。

これ私2回目なのよね。

1回目はまあこういうこともあるわよね!って思ってしまうんだけど、

2回目の今回はまたかー!って感じを思い出した先月のことのできごとだったの。

デジャビュ

いやデジャビュじゃないわ。

デジャビューよ!

いや言い方の問題じゃなくて、

うーん、

またやらかししまったわ無駄ATM手数料を取られてしまうの。

それならNIKKEに課金したいつーの!

そんなNIKKEを無課金でやっている暮らしを思ったら

このATM手数料の値段は高いなぁと思ってしまってジュエルいくらかもらえるのに!って思っちゃうのよね。

でもこれが

本当に新札でピンピンだから入金機械が紙をさばくときに中で上手く1枚1枚紙幣がめくれなくて、

返却されるのであれば、

旧札なら問題ないのかしら?って思っていたけれど、

すっかり旧札も、

もう見かけなくなっちゃったじゃない?

いつまでもあると思うな旧札ってよく言うけれど

新札デビューしたとき

いつになったら

私の手もとにも新札くるのかな?って思っていた気持ちすら忘れていた頃だったのよね。

なんかもうすっかり旧札見かけてないかも?

つーかでもほとんど今は電子マネーなので

ジャラジャラと小銭を持ち歩くことはないのよ。

お札だって

口座の入れ替えの時にやるだけなので、

マジマジとマジでピン札!って

思うのはだいたい1回なのよね。

お気に入り中華料理屋さんだって

新しい白い色のレジに変わって一度店員さんに尋ねたら

「このレジ新しくなってカードいけます?」って

そしたらもちろん使えるわ!って元気よく返事が来たので、

私はビール1杯勘定がついてなかった分、

ビール勘定自己申告したのよ。

そしたら店員さん苦笑いしてたけど。

いつも私がだいたい3杯しかルービー飲まないから伝票付けてないみたいなのよ。

決まって食べるものもいつも一緒だし、

なので

店員さんは自信満々にノールックで私のお勘定を言い当てたつもりだろうけど、

私は今日ビール4杯キメたわ!って指を4!ってして自己申告したの。

ルービーに対しては素直でありたいじゃない?

まあこの時期宴会が多いみたいなので、

私みたいないつも勝手に来て勝手に食べて帰るフリースタイルのお客さんだと

多少店員さんは間違ってても

テーブルに箸とか小皿がなくても、

お店の勝手は分かってるので

自分でお皿やお箸を自ら取りに行くぐらいのそんな中華屋さんだから

ルービーに対しては素直に飲んだ杯数は覚えていたいものよ。

からそのぐらい紙幣もそういう感じで、

月に1度のATMで入れ替える時にしか見ないの。

また私はこの過ちを繰り返してしまたことを

あちゃー!手数料もったいないなぁって思いつつ繰り返しちゃったの。

ATM機械の相性もあるから

ここのATMコーナーの機械の紙を扱う何かのコンディションが悪かったのかも知れないので、

今度は違う場所ATMを使って見ようかと思うの。

でも歩いている行動のテリーアンドトリー

その銀行ATMがないので

横断歩道を渡って信号が通常の青になったら渡るスタイル

遠回りしていかなくちゃいけないのよね。

まり

別のATMに行くのは面倒なの。

来月のそういうイベントがあるときは違うATMに遠回りしていってもそれが例え面倒でも

変えてみるチャンスかも知れないわね。

来月まで覚えておけるかどうかは自信がないけれど、

店員さんが間違えて勘定し忘れたビール勘定のことは忘れなかったので

たぶん大丈夫かな?とは思うけれど

来月は二度とこの手数料2回払って無駄になった問題解決したいわ。

しかと覚えておくわよ。

うふふ。


今日朝ご飯

謎の新習慣「クリスマスにはシャケを食え!」に倣って

今日は鮭おにぎりしました!

つーかいつもより特別な鮭デラックスおにぎりがあったので、

この謎の新習慣にちなんでるのかしら?

私はそのクリ鮭キャンペーンに乗っかって

その鮭おにぎりにしたデラックスに鮭が混ぜ込んであってさらには中心にもゴロッと鮭がいるのよ!

シャケー!って感じ。

内田裕也さんが楽屋弁当何がいいですか?ってリクエストされたときばりに

「鮭な!ベイビー!」って言っちゃいそうな勢いよ!

デトックスウォーター

ホッツ白湯ストレートウォーラー

今日はそれだけじゃつまらないので梅干しをインして

ホッツ梅干し白湯ウォーラーしました。

中で梅干しを潰してもよし、

そのまま飲んでもよしって種は出した方がいいけれど

この梅白湯もホッツのこの時期にはとても温まるわ。

朝の温活で1日スタートよ!


すいすいすいようび~

今日も頑張りましょう!

2024-12-23

今年も嫌な時期が来てしまった。

オタク陰キャ自分必死に仲良くなろうとして、いらん事言って苦笑いされる女の子

顔は知らないからもしかしたらクソブスかもしれない、でも声は凄くかわいいし一緒にゲームもしたし…首から下は少なくともデブじゃなかったし…

そんな彼女ネットに一切現れない事をやきもきしながら見つめる日が来る。

の子彼氏と別れた話をうんうんそっかー…大変だったね…と聞き。

今は次の彼氏がいるのかもわからないけれど、クリスマスに一切浮上してこなかったらどうしよう。

女性と話す経験も少ない俺が向けている好意はきっと気付かれているし、きっと気付いた上での苦笑いされているんだとおもう。

改めて告白しようなんて大それた事は一切思わない、ごめんなさい。これからもお友達として仲良くしてね?そのまま疎遠になって…終わりだ。

今日もあの子の事を考えて、彼氏いるか悩んで、あの子オナニーして、嫌になってふて寝する。

中学生なら若気の至りで許されるのか?おじさんに未来はない。

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